脳にいい本だけを読みなさい!― 「脳の本」数千冊の結論 (Kobunsha Business)

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  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334976026

感想・レビュー・書評

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  • 脳科学と言ってずいぶん前に世間を席巻したわけですが。
    著者が調べたところによれば、スピ系のもの、科学的に無根拠のものが混じっていることがわかっています(ていうか素人が書けばそうだろ)。
    ゲーム脳もそうだけど、川島隆太教授ももうただの過去の遺物と化している。

    僕のブラックリストに入っている茂木健一郎氏も、著者に従えばイエローカード。苫米地英人氏も経歴を売りにビジネスライクのようで、眉唾ですね。

    結局、池谷裕二氏の本がいいんですね。

    だけど、池谷氏の研究費はとてもとても少ないので、池谷氏の審美眼に従って、氏一押しの海外研究に目を向けるのが吉でしょうね。
    なぜって、海外は大規模に実験するお金をかけられますから。
    おかげで脳の可塑性についても色々と新しい知見がもう見つかっています。

    以下、ブラックリスト。
    橋爪大三郎
    内田樹
    宮台真司
    大澤真幸
    仲正昌樹
    東浩紀
    千葉雅也
    小泉義之
    清水高志
    佐々木敦
    中沢新一
    宇野常寛
    香山リカ
    ゆうきゆう
    樺沢紫苑
    和田秀樹
    茂木健一郎
    メンタリストDaiGo
    苫米地英人
    高橋洋一
    藻谷浩介
    浜矩子
    池田信夫
    堀江貴文
    百田尚樹

    • やまさん
      夜型さん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      やま
      夜型さん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      やま
      2019/11/24
  •  サイエンスを得意分野の一つとするジャーナリストの著者が、世にあふれる「脳の本」(専門書ではなく一般向けのもの)を片っ端から読みまくり、その中身を検証し、「脳の本」ブームの背景を探った労作。

     そう、「労作」という言葉が何よりふさわしい本である。
     「脳の本」を大量に読むだけでもたいへんなのに、著者はそのうえ、「脳の本」にかかわった人たちを多方面にわたって取材している。担当編集者、著者本人(苫米地英人の身もフタもないコメントは見もの)、それ以外の脳科学研究者、さらには書店員や読者に至るまで……。

     なおかつ、著者は読んだ「脳の本」から101冊を選び、本文下段に見開き一冊ずつの的確な短評を付している。
     本書に著者が費やした労力はすごいものだろうし、それに見合った情報量をもつ一冊になっている。ブックガイドとしても有益だし、「脳の本」という切り口から見た現代社会の一断面図としても興趣尽きない。

     下段の短評は、内容に応じて「脳の本」が5つのタイプに分類されている。
     そのうち、「疑似科学系」「生き方・自己啓発系」「タイトル系」(著者が脳の専門家ではないのに、版元の「売らんかな」でタイトルに脳の一字がくわえられたタイプ)に分類されたものについては、私は手を出さないようにしようと思う。「脳科学系」(つまり本格派)に分類されたもののうち、面白そうなものを読んでみよう。

     「脳の本」の中にはトンデモ本や首をかしげる内容のものも多く、それらの本に言及するときの著者の筆鋒はアイロニカルで鋭い。
     たとえば、一連の「脳トレ」本を検証したくだりで、著者はこう皮肉ってみせる。

    《パズルをやっても、計算をしても、間違い探しをしても、小説を読んでも、写経をしても脳を鍛えることができるのであれば、それは日常生活と変わりはないのではないか。》

     また、次の一節は私のツボにはまり、読んでいて爆笑してしまった。

    《昨今の「脳の本」は脳という難解な対象を扱いながら、仕組み的な解説をほとんど端折ってしまっているものが多い。一足飛びどころか十足飛びくらいの丸めた解説で結論に至ってしまうので、たとえて言えば、「日本の戦後史とはどういうものか」という解説を「いろいろあった」と答えるくらい乱暴なものもあるのだ。》
     
     「脳の本」が依拠する「脳科学の常識」に、すでに科学的に否定されたものが多い、という話も目からウロコ。たとえば、「脳は10パーセントしか使われていない」という“常識”については、次のように指摘されている。

    《この説の起源はアインシュタインがインタビューで答えたことと、彼が根拠とした当時の稚拙な脳研究に基づいている。(中略)脳全体の動きがある程度可視化されている今日では、領域によって強弱はあるものの脳は全体に各所で神経伝達を行っていることがわかっており、この説は明確に誤りだと断じられている。》

     もっとも、本書は「と学会」のトンデモ本シリーズとは違い、トンデモ本を笑い飛ばすことが眼目ではないので、評価すべき良書はきちんと評価している。
     池谷裕二氏の著作に一貫して高評価を与えている点は大いに賛同したいし(本書によれば、「池谷氏の著作については同じ研究者の間でも非常に評価が高い」そうだ)、著者が「この数年でもっとも良質な『脳の本』」と絶賛する『つぎはぎだらけの脳と心』はぜひ読んでみたいと思った。

     全体に、軽妙さと真面目さがバランスよく配合され、読みやすくてためになる好著。「脳の本」をよく読む人にとってはよき羅針盤となるだろう。

     ちなみに、本書のタイトルはベストセラー『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』のもじり。アイキャッチであると同時に、痛烈な皮肉もこめられている。

  • 著者の森健(1968-)は早稲田大学法学部在学中からライターをやっていたという文才の持ち主。彼の著書である『デジタル資本主義』を2018年に購入していた。
    脳に関する本はこれまでに何冊か読んできたが、本書を知ったきっかけは『リーダーの教養書』であったと記憶している。
    脳に関する一般書の嚆矢は1989年発刊の養老孟司著『唯脳論』で、平成の始まりとともにこういった書物が発刊されたというのも興味深い。1989年は平成元年で、バブルが崩壊し始めた年だからだ。
    その後、1995年の『脳内革命』から自己啓発的脳本ブームが始まり、2000年代には「脳」を冠したビジネス書が多数発刊される。バブル崩壊後には生き方を見直すべく自己啓発本が、「失われた10年」と呼ばれる2000年代にはビジネス書が売れたのだ。

  • 2010/06/26

  • まあまあ

  • 脳ブームという社会現象についてまじめに検証した本。
    脳に関する本の歴史を丁寧に追っており、読み物としても面白い。
    数ある脳を扱った本について、科学的な知見に基づいて書かれているか、人生訓に過ぎない内容かという視点が貫かれており、その点についてはジャーナリストとしての意気込みを感じる。
    ただ、結論は予想を超えたものではなく、本文の下段で紹介している101冊のそれぞれの書評が筆者としての結論ともいえそう。
    それにしても、脳とは全く関係ない原題の翻訳本の邦題に「脳」が取り入れられたり、著者が脳研究と全く関係がない例も多いことに改めて驚いたし、その点については勉強になった。

    <関心をもった本>
    プロフェッショナルたちの脳活用法(茂木 健一郎他)
    だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法(池谷 裕二)

  • 脳ブームで 乱発されつつある出版

    その中 主軸どころを中心にリストアップされているところ
    参考になりました

    健康として 脳をとらえると
    ある一定の方向に 集約されているなっというのを
    感じられる本でした

  • 脳に関する著書も多いジャーナリストが、最近の脳の本のブームについて書かれた本。
    実際に読んで、どんな中身か、なぜはやるのかを考察、分類している。
    脳とかかれるとついつい読んでしまう私。
    確かに、と同感出来た本です。

  • マインドマップ的読書感想文で紹介されてました。
    http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51791068.html

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程修了。専門はデジタルを含むグローバル経営環境分析。共著書に『デジタル資本主義』(2019年度大川出版賞)、『デジタル国富論』(いずれも東洋経済新報社)、『グローバル・ビジネス・マネジメント』(中央経済社)などがある。

「2022年 『デジタル増価革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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