世界幻想文学大系 第4巻 エジプトのイサベラ

• 1975年12月1日発売

感想・レビュー・書評

[1685jsbさんの感想 · 2014年1月12日]

カール五世の若き日の恋を題材にした抱腹絶倒のドタバタ劇！
登場するのが、ジプシー娘に老婆、大公、木の根っ子、死体、泥、って言うだけでビックリだが、それぞれのキャラがどれも強烈。人形劇あるいは、しりあがり寿の漫画にしたらぴったりくる感じだ。
本当に楽しい物語。読んでいる間ずっと幸せだった。
後半はしっとりシリアス。それも良し。

[izumowolさんの感想 · 2021年6月27日]

ジプシー・マンドラゴラ・熊皮男・ゴーレム⋯、様々な幻想
的な要素を次々と並べたメルヘン、といった手触り。最後に
著者の「説教」が入る辺りに時代を感じる。マンドラゴラが
ホムンクルスのように自我を持って動き出したり、ゴーレム
が男性ではなく女性だったりと慣れ親しんだファンタジー
設定とは違うあたりは楽しめるかも知れないが、この本は
時代を感じながら読むのが正解かな。民衆の歌声に応えて
無意識に二階の窓から飛び降りてしまうヒロインという
イメージは素晴らしかった。