赤い右手 世界探偵小説全集(24)

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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336038548

感想・レビュー・書評

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  • 自宅本。確かミステリランキングで上位に入っていた時に借りて読み、その後全集で買い直した。
    青年実業家セントエーメがハネムーンの途中で、キャディラックに乗せた謎の小男。その後、小男とセントエーメの死体が車で走り去るところを誰もが目的していたのにも関わらず、途中の三叉路にいた主人公のリドル医師は見ていない。やがて、セントエーメらしき死体が見つかり、右手がなかった、、、
    強烈なミスディレクションが散りばめられており、時系列も入れ子になっているので、メタミステリっぽさ炸裂してますが、意外な真相です。解説が分かりやすくてよい、読後に読むと理解が深まる。
    まあ、ご都合主義的かつ無理がある部分も多いけど、本格らしい快作。

  • 一気に読ませる勢いが凄い!

  •  これはおもしろい。理由を書くとすぐにネタバレになってしまうので困るけど。語り手、リドル医師はなぜコークスクリューの車を目撃しなかったのか、なぜ被害者セントエーメの右手は切り取られたのか、この冒頭に掲げられる二つの重要な謎がまさに大きなポイントとなっている。最後に明かされる意外や意外な結末でこれらはきれいに説明がつくのだが、そこまでの物語のひっぱり方がうまい。全編章立てがなされてなくて、パラグラフ区切りがあるもののずっと一つながりになっていて、息をつかせてくれない。それが作者の思うつぼで、事実関係が整理できない。また時間軸が行ったり戻ったりするのでよけい混乱する。なんだかわけのわからない不安感によってミスリーディングされそうになり、これでへあ単なる怪奇小説なのかといぶかりつつも読んでいくと、アッという仕掛けになっている。うまい。

  • 見事というかなんだこれはというか。後から考えれば犯人の可能性のあるのはたった一人なのだが、視点人物である医師の手記に従って物語が進んでいく上その医師の思考が取りとめもないので何がなんだか良く分からなくなる。時制はめちゃくちゃ、何が正しいのかも分からない、さらに作者が偶然をとてつもなく多く使用することでその医師を全く信用させないようにしているという念の入れよう。粗も結構あるんだけど、叙述の勢いとか力で押し切られて納得してしまった感じだ。

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