血の畑: 宗教と暴力

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  • Amazon.co.jp ・本 (692ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336073075

作品紹介・あらすじ

宗教には暴力が内在するのだろうか? 著名な宗教学者であるカレン・アームストロングが、古今東西の神話と宗教を取り上げ、多面的考察を通して、それが誤った認識であることを余すところなく証明する。

人間は生来宗教的な生き物である。自分を超えた大きな存在と繫がることで安らぎを得、倫理的秩序のもとで他者と平和裡に生きることを希求する。だが一方で宗教的不寛容は暴力を是認し、多くの戦争の原因となったと言われてきた。
西洋の近代化の過程で必然となった政治と宗教との分離、それによって生まれた世俗国家は果たして、宗教が生んだとされる弊害を除去し、それに代わる積極的価値を生み出しただろうか? 西欧の世俗国家のなかに生まれたのは、疑似宗教とも言うべきナショナリズムと貪欲な植民地主義であり、近代化の後塵を拝した第三世界はその犠牲となった。
自爆テロを含むあらゆるテロに正義はない。だがテロの遠因を辿って、著者は啓蒙主義以来西洋が非西洋に対して用いてきたダブルスタンダードを暴く。そして9.11同時多発テロはイスラームの狂信のなせるわざだという単純な世界観を打ち砕く。

「該博な知識と的確な示唆に富む。宗教の歴史や聖典に見る残虐なイメージや物語ではなく、宗教の政治的背景にこそ着目すべきであると著者は主張する」(ワシントン・ポスト紙)
「強烈なインパクト! 冷徹な学識と人類への熱い思いとの稀有な結合」(オブザーバー紙)

【目 次】
序章 
第一部 古代文明 
 第一章 農夫と牧夫
 第二章 インド 涅槃への道
 第三章 中国 戦士と君子
 第四章 古代イスラエルのジレンマ
第二部 帝国と宗教 
 第五章 イエスは世俗を超えた存在だったのか?
 第六章 ビザンツ帝国 ―― 帝国の悲劇
 第七章 ムスリムのジレンマ
 第八章 十字軍とジハード
第三部 近代・現代 
 第九章 「宗教」の到来
 第一〇章 世俗の勝利
 第一一章 宗教の反撃
 第一二章 神聖なテロ
 第一三章 グローバル・ジハード
 終章

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

英国の宗教学者。1960年代にローマ・カトリック教会の修道女として7年間を過ごす。オックスフォード大学セント・アンズ・コレッジで英文学を専攻。その後、著述と放送番組の制作等に携わる。A History of God(高尾利数訳『神の歴史:ユダヤ・キリスト・イスラーム教全史』柏書房)、Islam: A Short History(小林朋則訳『イスラームの歴史』中公新書)、Muhammad: Prophet for Our Time(徳永里砂訳『ムハンマド:世界を変えた預言者の生涯』国書刊行会)、The Bible: A Biography、The Case for God、Twelve Steps to a Compassionate Lifeなど著書多数。2005年、宗教的信条と伝統に対する相互尊重を推進して人類の相互依存を再確認する国連の新たな取り組み「文明の同盟」の上級代表の一員に任命される。2008年、「フランクリン・D・ルーズベルト4つの自由賞」およびTED賞を受賞。2013年、異文化間の理解促進への貢献により、英国学士院の第一回「Nayef Al-Rodhan賞」を受賞。

「2022年 『血の畑 宗教と暴力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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