- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338193023
作品紹介・あらすじ
広大なアイザリアへと舞台を広げ、戦争と平和、心の強さと弱さを描く。
感想・レビュー・書評
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長年探していた、ドーム群物語の第2弾となります。
「きっと王女の肩から背中には、今でも鷲の爪跡がある」
このシーンがとにかく印象に残っていて、初めて読んだ(であろう)、
小学生くらいの頃から、20年以上に渡って追い求めていた一冊。
一人のほら吹きと森の民、そして少女の物語、
想い出補正を差し引いても、とても優しい物語だと思います。
一言一句に浸りながら、じっくりと読ませていただきました。
この本に行きつくきっかけになったのは一つのレファレンスから。
本とそれを扱う情報のプロたる図書館にはやはり、憧れが残ります。
ん、届けたいですね、必要としている人々に必要な情報を、
その人自身が意識しているにせよ、していないせよ、なんて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嘘つきマリオから旅に出るまでの物語の転換が絶妙。
ナチカとパムリンのルミッカ二人がかわいくてたまらん。 -
前回よりも長い話だけど飽きずにわくわくして読んだ
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ある日、皆から嘘つきと呼ばれていたマリオは、居場所がなくなり「森の民」となって人生を変えることを決心する。ところが、アイザリアは戦争の真っ只中。それぞれの軍団の指揮者であるユリーズや、ゴムールのいくさ好きに嫌気がさしてしまったマリオは、戦争をやめさせようと一つの嘘をついてしまう。 ところがそれが周りの人々をも巻き込む大事になってしまい・・・。はたしてかつてのアイザール王であった「いのりの民」の忘れ形見、ラクチューナム・レイを連れてマリオはアイザリアへ戻ることができるのか?
目次の1章が「マリオを信じるな」、最終章が「マリオを信じなさい」という何ともユニークなもので良い!!ラクチューナム・レイという神秘のベールに包まれた人物が誰なのか。意外とすぐそばにいる人物が、という答えはお決まりで少し意外性が足りないかも。でも、平和を守るためにいくさをするというドーム郡の人々の心の葛藤がすごく伝わってくるいい本でした。ノームのように素直に「いくさも、逃げるのもいやだ」と言いたくなるのは当然だと思うし、平和を守るためにはいくさも仕方のないこと、と考えるのも当たり前だけれど、いつの時代になっても難しい問題だなぁと思う。今の私たちにとって一番大切な問題とも言えるかもしれません。 -
ドーム郡物語りのシリーズは古くて、近年改定されたのですが、話も変わってしまったんですね。わたしが昔読んだ話と違います。
改定された話も面白いからいいんですけど、前の話がなくなったと思うと寂しいですね。
嘘つきマリオが、とっさについた嘘の為に、物語は意外な方向へ発展していく。
ただ、平和に暮らしたいが為に戦争への嫌悪から、ついた嘘だったのだ。
戦争を止めさせる為に昔連れ去られた王女様を探しに出かけることになったマリオだが…。
この話も面白かったです。嘘から出た誠ですね。マリオの成長振りが良かったです。しかし、マリオというとスーパーマリオを思い出して仕方がない…。 -
ドーム郡ものがたりの続き。改訂部分はほとんどないくらい、完成度は高いものです。
ドーム郡の比べたら内容も読み応えもしっかりあります。最後にどこか遠くに言ってしまうような寂しさと安堵感は、たぶん、芝田さんの作品の特徴ではないでしょうか