- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338287104
作品紹介・あらすじ
女子率100パーセントのフラダンス愛好会に集められた4人の男子高校生。その目的は男女混合によるフラガールズ甲子園出場だった! 震災から5年後の福島を舞台に描くとびきりの笑顔と涙の青春ストーリー。
感想・レビュー・書評
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ウォーターボーイズのような
青春ものをイメージして読み始めました。
読み進めてみると
もちろん青春のところもありますが
私が想像してなかった
震災5年後の福島の様子も書かれていました
被災された方たちの中では
どこに住んでるのかも聞きづらかったり
言葉にしづらいことが沢山あるだなと。
そんな中、徐々に言葉を交わし合いながら
仲を深めていくメンバーたちの様子は
胸が熱くなりました。
言葉を交わす大切さは
他のことにも言えますね。
思っていることは
言葉にしないと伝わらない。
伝え合うことの大切さを
教えてくれる作品でした。
個人的には松下や由奈と
もうちょっと決着つけてほしかったー!!
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爽やかな青春小説。ベタでありそうでベタでないところが爽快。
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福島県の工業高校2年の穣は、人間関係から水泳部を辞めたとたん、フラ愛好会会長の詩織から執拗に勧誘される。何度も断るが、シンガポールからのイケメン転校生、宙彦に載せられ、押し切られ、フラダンスの世界に入ることに。「女の腰振りダンス」と見くびっていたところが、その奥深さとかっこよさにハマっていく。慰問公演では失敗するも温かく迎えられ、その評判からスポンサーもつき、本格的な衣装も揃えられた。喜んで、今度は震災後の仮設住宅のフェスティバル会場の舞台へ向かうが、そこにはいつもと違う雰囲気が漂っていた。
高校生男子がフラダンスの世界を知り、フラを通して自分の世界を広げていく物語。
舞台が震災5年後の福島。震災と原発事故とが暗い影を落とす背景の中、高校生たちの青春をユーモアいっぱいに描く。
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ユーモアの語彙が非常に豊富で、登場人物もとてもユニーク。読み物として十分楽しめる。
最後の展開はありきたり、かつ、うまくいき過ぎ感もある。でも、それを差し引いてもおもしろい作品。 -
2017年に高校生の読書感想文課題図書。
「自分の足もとばかり見つめて歩いていたときには、気づかなかった。
どこにも出口のないように思えた狭い世界の上に、こんなに大きな空が広がっていたことに。
けれど、空の美しさも風の優しさも、個人の気持ちとは関係なくそこにある。
確かなものがどこにもないのは今も同じ。変わってしまったものも、戻れないものも多いけれど、それでもやっぱり、ここが自分たちの生きている現実なのだ。
だから、いこう。
悲しみも、苦しみも抱えたままで。
それぞれが流した涙の種が、いつか大きな未来への道標になるように。
そして、いつも心に咲かせよう。
ふぞろいで、ばらばらで、身勝手だけれど。
たとえ何度萎れても、決して枯れない虹色のオハナ。
フラダンスって、かっこいい」
復興、ひとりひとりの震災の過程と高校生の心の動きに泪が止まらなかった。 読後に、こんなに笑顔になれた物語ははじめてだ。フラダンスは、笑顔になるね。口角が上がるね。ほんとに、さいこー。 -
爽やか。
福島の復興のことやいろんな人の気持ちもわかりやすく書いてくれてる本。
自分の気持ちにばっかり目を向けがち。その上一緒に生きてる人の気持ちを知ろうとしていいのか、の葛藤。でもやっぱり一緒に生きてく上では分かり合うことが大切。
終始爽やかな物語の中に散りばめられた沢山の声に感激した。
素敵な本やった。 -
女子中心の部活・フラダンス部に無理やり入部させられた男子高校生。明るく面白おかしく読める中、東日本大震災の被災者たちの明暗によるデリケートな部分も描きこまれて、単なる青春小説ととらえるのはもったいないです。
映像が目に浮かびながら読め、ぜひとも映画化して欲しい作品!!
余談ですが、表紙もすごく気に入りいました! -
東日本大震災の数年後、福島の高校生達の気持ちをフラダンスを通して表現したお話。
難しいテーマを若さとハツラツさで表現することでとても読みやすかった。
大人が読むべき一冊。 -
震災の爪痕をきちんと受け止めつつ、前向きな内容も描きつつ、ありがちなお涙頂戴・社会批判になっていないのが好印象。キャラクターがしっかりしていて、楽しく読める。
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マカン・マランの著者である古内一絵さんの青春小説。フラダンスに情熱を注ぐ、被災後数年経った高校生のお話。
出会い、ぶつかり、離れ、分かち合う。
悩み、笑い、語り、立ち止まり、また動き出す。
「復興」の意味やカタチを考えさせられます。
みんな弱くて強い。強くて弱い。
強く優しくあることは難しいけれど、そうありたいと思える小説でした。