次世代生命情報医学

著者 :
  • コロナ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784339072792

作品紹介・あらすじ

本書は、近年開始された「ビッグデータ・AI」時代の未来の医学・医療について、これからの方向を展望したものである。著者は、医学・医療の「ビッグデータ・AI」時代は、ここ2~3年のブームではなくて、今後、何十年と続き、医学・医療の基本的枠組みを変える大変革と考えている。それは、戦後始まった「抗生物質」の登場による「化学的治療医学」の第1次変革、次には「分子生命科学」の目覚ましい発展によって駆動された、分子標的医薬や抗体医薬の登場による「分子医学」の第2次変革、そして、これらに匹敵する「第3次医学・医療革命」と呼ぶべき変革である。
この変革は、ゲノムをはじめとする網羅的分子情報の発展という「生命情報ビッグデータ」と、スマートメディアをはじめとする「情報革命(DX :digital transformation)」を両輪として駆動されている。この2つの駆動力の発展は、とどまることを知らない。この2つの力に駆動されて、未来の医学・医療は、どのような体制で「最も優れた医学・医療のあり方」を実現すべきか、本書はそれを論じるものである。ここで、「深い生命情報」の知識を広く臨床医療に浸透させる「情報基盤」の確立と普及―――「次世代生命情報医学」が、その基軸となる。
本書は二部構成となっており、第一部では、次世代生命情報医学の、1つの柱である「生命情報」、すなわちゲノム情報などの網羅的分子情報が切り開きつつある「ゲノム・オミックス」医学について論じる。
第二部では、近年、驚くほど発展した医療DX(情報変革)について紹介し、未来の医学がどのように生命情報、すなわち、ゲノム・オミックス情報などの「次世代生命情報」を活用して、ゲノム医学や精密がん治療など臨床医学の質的向上に具現化する「仕方」について論じる。特に、著者の考える未来の医学・医療を迅速に知りたい読者は、5章、6章を読むことを勧める。

感想・レビュー・書評

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  • 5月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003653268

  • 読者レビューあり
    https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339072792/

    読者モニターレビュー【 tom 様(専門分野:生命医科学、ゲノム解析)】
    ヒトゲノム解析やオミックス解析の研究分野は急速に進歩していますが、この分野に関する体系的な書籍は限定的でした。

    本書はゲノム・オミックス解析の分野について理解するために必要な背景知識をわかりやすくまとめ、分野が発展した歴史や研究手法についても触れています。また、著者の研究室での研究成果を例に挙げ、新規標的因子の発見や治療法の開発といった、オミックス情報解析が実臨床に応用されるまでの筋道が解説されていることで、当研究分野が目指すゴールを具体的に把握でき、内容理解の一助となりました。

    診療情報とオミックス情報を結びつける医療情報学については本書の半分以上の紙面を使って詳説されているので、生命情報解析が臨床医学や医療情報学にブレイクスルーをもたらしうることが理解できます。

    本書はゲノム科学の基礎から医療情報学といった幅広い分野をまとめた書籍なので、これらの分野に興味がある人にとっても読みやすく、興味深い内容となっています。

  • 請求記号 491.4/Ta 84

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著者プロフィール

編著者:(たなか ひろし) 立命館大学大学院教職研究科准教授。

「2022年 『世界とつながる科学教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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