りんごの木の下であなたを産もうと決めた

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344000827

感想・レビュー・書評

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  • 重信メイ氏の「秘密」から続けて図書館で借りて読みました。自分の頭で思考し行動を起こし道を選び取ってきた彼女の強さは、「剛」ではなく「しなやかさ」だと感じました。あとがきで彼女の弁護士が記した言葉、大阪のアパートの情景まで含めて、重信房子という人物を知るには良い一冊だと思いました。

  • 何のための闘争か

    日本赤軍のリーダー格である著者が、娘へ向けたパレスチナの地での回想録。
    学生運動から発生した彼女らのグループは日本に革命を起こすため、
    世界に拠点を立地することを目論んだ。
    だが、既存国での失敗から、生まれつつある国での活動を計画した。
    それが、パレスチナである。

    私は中東の彼此をイスラエル側からの情報メインで受け取っていた。
    さらに、日本赤軍への先入観と併せ持って読み進めていった。
    最初は彼女の話に共感し辛く、所々脈絡がなかったりと、いい印象はなかった。
    しかし、多少誇張されてるだろうとは言え、彼女らがアラブ社会でのトラブルメーカーという印象は薄くなった。
    (彼女らと関わる日本を意識して、もてなされていたのかもしれないけど)

    ただ、イスラエルへの批判は一方的なように感じた。
    ユダヤ人の、それこそパレスチナの比ではない、迫害の歴史と規模を考えると、
    一概に侵略者として非難することは出来ないんじゃなかろうか。
    それを背景としてちゃんと言及してほしかった。
    それがないと、自分で見た現実だけを鵜呑みにして都合よく解釈しているようにしか見えない。
    まぁ、イスラエルが現代にあのような手段をとるのも非難されうるとは思うけど。

    嫌が応にも異国では日本を背負ってしまう。
    彼女が彼の地で行った意味は何だったんだろうか。

  • 「変えたい」意識。
    この人は父親と同世代だし、
    娘は私と1つ違い。
    娘さんと会って話してみたいなぁ。

  • とてもまっすぐで魅力的な女の人という印象。
    この人のまっすぐさは自分にはないので、憧れるところがある。
    育ちが良いんだろうなぁ。
    あんま好きじゃない。

著者プロフィール

1945年9月28日東京都世田谷区生れ。65年明治大学2部文学部史学科に入学、69年卒業、同年政治経済学部政治学科に学士入学。67年社会主義学生同盟(ブント)に加入。71年2月、奥平剛士と結婚し日本を出国。73年3月、娘メイを出産。2000年11月、大阪で逮捕された。10年8月、懲役20年(未決勾留日数2991日を含む)の刑が確定。服役中に短歌を始め、2019年より福島泰樹主宰「月光の会」に参加する。2022年5月に出獄。
著書に、『わが愛、わが革命』(講談社、1974)、『ベイルート 1982年 夏』(話の特集、1984)、『りんごの木の下であなたを産もうと決めた』(幻冬舎、2001)、歌集『ジャスミンを銃口に 重信房子歌集』(幻冬舎、2005)、『日本赤軍私史-パレスチナと共に』(河出書房新社、2009)、『革命の季節 パレスチナの戦場から』(幻冬舎、2012)などがある。

「2022年 『歌集 暁の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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