悪魔のパス 天使のゴール

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 298
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001893

作品紹介・あらすじ

死を招く最強のドーピング剤「アンギオン」。イタリア、南フランス、キューバと謎が拡がり罠が待ち受ける。そして、セリエA最終節の死闘。日本人選手冬次は果たして死の罠から生還できるのか-。最新長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/547602

  • 中田がセリエAで活躍したことに着想を得たサッカー小説。折角SanSiroでサッカー観戦したので読んでみた。サッカーそのものに対する考察やイタリア人にとってのサッカー観、スタジアムの雰囲気が臨場感たっぷりに記述されていて、それだけでも楽しめた。アンギオンはともかく、サッカーを純粋なスポーツと思っていない連中は存在しそう。
    サッカーシーンの描写も選手名が覚えられない以外は分かりやすく、ラストは手に汗握る感覚で読めた。

  • サッカーが題材なのもあって、すっと読めた。

  • "中田英寿をモデルとした主人公・夜羽がセリエA残留を掛けて優勝を掛けるユベントスと最終戦で激突。激戦の末、史上稀にみる奇跡的な結果が・・・。謎のぞっとする美女との出会いから知った選手生命に危険を及ぼす薬品の存在。そしてそれが主人公の夜羽に迫る危険を感じさせ、スリルのうちにサッカーのゲーム内容が真を以て描写されています。ゴールの瞬間が天使の喜びを感じる激情の時だとすれば、キラーパスが通った瞬間は静まり返る悪魔の戦慄を感じる時だという表現は当にピッタリです。ジダン、ルイコスタ、デルピエロ、インザーギ、そしてダーヴィッツなどが目の前で生き生きとプレーしているかのようなゲームの描写は素晴らしかったです。
    ただ、サッカーが中心で、ストーリーは尻つぼみ。謎の美女はどうなったの?という感じではありました。"

  • 中田ヒデのホームページに掲載されていた作品で、その頃楽しみに読んでいました。モデルを想像しながら楽しくよみました。薬物については実際のところどうなのか、、、興味をそそりました。

  • 出てくる食べ物がすごくおいしそうでおなかがすきました。
    サッカーシーンは、ちょっと追いきれなくて読み飛ばし気味だった…。
    ラストはほっとした。

  • 本書はフィクション小説という事らしく、ちょっとしたミステリー風ストーリーが全体を通して展開されるがそれはおまけである。本書の半分は南仏やキューバと言ったリゾート地の旅行記と、それらで楽しめる現地料理ルポがメインである。恐らくこれらは著者の個人的体験から書かれているらしく、非常に精緻で興味は無くともいつかはキューバに行ってみたくなるほどだ。
    そして、残りの半分はサッカー試合の描写である。特に後半4分の1の最終戦は実名を伴った往年の名選手の活躍を存分に楽しめる。帯で元日本代表の中田英寿も書いているが活字で楽しむサッカーというのも中々楽しいという事を発見した。ちなみに本書の主人公である夜羽(ヤハネ)選手は完全に中田英寿をモデルとして描かれているのも、サッカーファンとしてはニヤリとしてしまうところだ。
    著者の小説が好きで本書を読もうか悩んでいる人は二つ注意すべきである。一つはサッカー(特に欧州サッカー)が好きか?もう一つは海外旅行が好きか?両方を満たす人は本書を楽しめるだろう。ただし、あくまでも小説的な要素はおまけでミステリー風ストーリーに至っては刺身のツマぐらいに考えておくことが必要だ。

  • これを読んでから小説を読む習慣がつきました!!

  • 結局、なんの詳細も明らかにならないまま終わり、かなりの不完全燃焼。
    ゲームの流れについて延々と描かれてる部分は、途中でめんどくさくなっちゃって、目だけが文字を追い、頭にはなかなか入ってこなかったり。
    選手のボールの動きは、迫力が伝わってきて、うまく書かれてるなと思った。サッカー好きな人ならもう少し面白く読めるんだろうと思う。

  •  しばらく村上龍の作品からは遠くなっていたのだが、ずっと読みたかった本なので嬉しく手に取った。が、登場人物の名前でかなり醒めた。やっぱり「ヤザキ」なのかなって感じ。まして、重要な役割を果たすサッカー選手が「冬二」である。これはいけないと思う。
     物語そのものはどうでもいい。本当にどうでもいい。おそらく著者が書きたかったのはサッカーのシーンだけなのだと思う。確かにバックボーンとしてのストーリーは必要なのだろうけど、これほど、一応ストーリーを書きながら、「そんなものはどうだっていいんだ」と居直ってしまっている小説は見たことがない。一生懸命ストーリーを追いかけていると本当にがっかりする。
     だが、サッカーのシーンは、本当にいい。サッカーが見たくなる。何かを大好きな人が、きちんとした知識に支えられて、その何かを書いているのは、それだけですごいと思う。素人だったらわからないはずのすごさを、素人にもわかるようにきちんと書きながら、しかもそれが解説っぽいものではなく、血が踊るような描写になっているのはもの凄いことだと思うのだ。小説の後半1/3をしめるサッカーシーンだけで、すばらしいと思える「小説」であった。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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