無痛

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 529
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344011588

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    のですが、
    サブキャラのやり過ぎ感や
    終わり方の力づく感など
    雑な部分がちょっと残念でした。

  • ドラマの原作だったので。
    主人公は町医者の為頼先生。じっと相手を見つめれば検査なしで病気の診断が出来るという観察眼の持ち主。先生を巻き込みながら事件が進む。

  • 刑法39条と医療のあり方、医者のあり方などを問う作品。
    この著者はきつい現実の中に一種のファンタジーを取り入れて、まるでそれも本当に存在しているかのように語るのが好きだなぁと思う。
    視診だけで病気や内面が見分けられる日がきたら、刑法39条を悪用されることもなくなるのにね……。

  • やばいよう

    ラストがこうなるものって無性に恐いのだけど、
    犯人が明らかになり物語完結、という形式に慣れすぎただけで、
    じっさいはこういうものなのだという地続きの感覚があった

  • 主人公の為頼は、見るだけで病気を見抜く医師。
    超能力とかではなく、病気によって特徴のある症状やしぐさ、その他色々…を見出すことができるのだ。
    そして、犯罪を犯す人間の特徴(犯因症)も見ることができた。

    刑法39条のこと。


    途中で返却期限が来てしまって読了できず。
    この人が犯人なのだろうな…と思ってるのだけど、いいところだったので悔しい。
    現在、西島秀俊さん主演でドラマが始まったところ。
    とりあえず、ドラマを見ようと思う。
    小説は、ちょっと描写がグロくてキツイなと思うところあり。
    為頼は、医療に対して、どこか達観しているところがあって、治る患者は重症であっても治る、逆に治らない患者は早期発見であっても治らないのだと言う。医師は手助けできることはあるかもしれないが、自分が治してるわけではないのだと。

    なんだか、説得力があった。

  • ドラマ化というので、原作が気になって読んでみた本。医療ものであるが、刑法39条のことが一番の焦点だろうと感じた。この法律は心神喪失だけなく、薬物(ドラッグなど)にも適応されるから、そこが被害者感情等から争点になっているだろうと感じ、著者は医師なので、医師目線からの主張も感じられる。グロさが多々あったが、刑法39条など、色々と考えさせられる、読後で読みごたえがある。通院歴を悪用する佐田は執着心と粘着質で気味が悪いと感じる。白神に翻弄されたイバラ、無痛症であるがゆえに引き起こしたことに無常さと悲しみを感じる。

  • 続編の第5番が読みたかったからだいぶ前に読んだこっちも再読。長いけどすいすい読める。2回目だけど面白かった。

  • 15年10月から西島秀俊で連ドラ化されるものの原作。
    いやあ、ちょっとキツイ。どこまで映像化するのか・・・

  • 一家惨殺事件から話が始まる。
     あまりの凄まじさに、解剖を担当した法医学の教授は、この犯人には情緒欠如の疑いが強いとコメントした。
     もし、犯人がそうであれば、刑法39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する」によって、罪を償わせることができなくなる。

     為頼英輔は、開業医だ。彼は、見ただけで、その人の病状を判断できる能力を持っている。そして、それが治る見込みのあるものかどうかも判断できる。彼にとって、治る病気は、医者が何もしなくても治るし、治らない病気は、どうやっても治らない。
     その能力で、殺人魔から助けられた高島菜見子は、精神障害児童の施設の臨床心理士をしていて、そこ入院している南サトミから、「一家惨殺事件」は自分がやったという告白をうけ、為頼に相談をもちかける。
     一方、為頼と同じ能力を持った医師、白神陽児は、その能力を利用し、治らない見込みの患者をほかの病院に回し、病院経営を拡大していた。彼は、その自分の野望の中に為頼を引き込もうとする。 その白神病院に「イバラ」という「先天性無痛病」の青年が器材係雇われていた。生まれた時から痛みを感じない彼は、生い立ちも複雑で、愛情薄い子供時代をおくっていたが、彼に親密になってくれた女性教師が、菜見子だった。
     その菜見子の元夫の佐田要造は、事故中心的な男で、異様なくらい、菜見子につきまとう。
     そして、事件を追う刑事課主任の早瀬順一郎が、この登場人物を結び付けていく。

     いろいろな問題が絡まっていて、面白く、かなりの長編なのだが、一気に読ませる。
     治る見込みのないと判断された人間は、どう生きていくべきなのか、ということ。
     「病気」とは何なのか、「正常」とは何なのか。
     医療はいかにあるべきなのか。
     そういった根源的な問題の中に、殺人事件の謎解きが展開されていき、事件の全容が見えてくるのだが…。

  • 人間観察で病気が解る医師があるきっかけから母子家庭の親子と知り合いに。その母親は精神障害を持つ子供達の施設に勤務して正義感に溢れている。ある一家惨殺事件の犯人がまだ検挙されない中、施設にいる女の子が自分が犯人だと、その母親に告げた所から怒濤の展開に。主人公の医師が話す治療・病気・犯罪・世間についての意見が私の考えと合致し過ぎで感無量。39条を巡る事件が連続で展開していき、最後は…著者は医師であるせいかグロ描写が非常にリアル。佐世保の例の事件をすぐ思い出した程。外見から現れる病気の症状の事など含め、為になる箇所もあったし面白かった本です。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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