- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344016705
作品紹介・あらすじ
21歳の杏平は、ある同級生の「悪意」をきっかけに、二度その男を殺しかけ、高校を3年で中退して以来、うまく他人とかかわることができなくなっていた。父親の口利きで、遺品整理業"CO‐OPERS"の見習い社員になった杏平の心は、亡くなった方とご遺族のため、汚れ仕事も厭わず汗を流す会社の先輩達、そして同い年の明るいゆきちゃんと過ごすことで、少しずつほぐれてゆく。けれど、ある日ゆきちゃんの壮絶な過去を知り…。生きることの重さを知るほど、生命は大切で重くなる。爽やかな涙が流れる、感動の書き下ろし長篇小説。
感想・レビュー・書評
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さだまさしさんの本って、本当に深い愛情がにじみ出てます。歌の歌詞もほとんど知らないけれど、有名な歌の歌詞は確かに聞いててドキッとするほど感情を揺さぶられる。銀河食堂の夜を読んで、他にもこんなに本が出てると知って、読み始めました。今回の本もとっても良かった。しんどい体験をしたり、辛い記憶があったりする人も救われる話だと思う。
で、読んだあとに映画のストーリーを確認して驚き。本を読んで良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さだまさし氏のテーマである「命」について描かれた小説。映画化をきっかけに読み返してみました。主人公の杏平、雪、CO-OPERSの社員、そして亡くなった人々、それぞれの生きざまを通じて「小さなイノチ」の大切さを感じさせてくれる作品です。映画も楽しみです。
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高校時代、ある人物のせいで学校へ行けないほどの心の病を患った主人公杏平くんは父親の口利きで遺品整理屋「CO-OPERS」に入社(研修中)する。
そこで働く先輩や行きつけの居酒屋で働く雪ちゃんと過ごすうちに
少しずつ心が回復していく。
「ある人物」の松井という男が本当に嫌なやつで、でもこういう人っていそうだな、とも思った。
最後の方でタクシーの運転手さんの遺品を整理したときの
杏平くんの気持ちがすごく伝わってきて私も号泣した。
雪ちゃんの心の扉を閉めてしまった原因が松井だったことも
すっきり感アリ。
さだまさしという人は本当にやさしい小説を書くな、と思う。
早く文庫本になってほしい。(文庫になったら買ってもう一度読みたい) -
息苦しくなりながらも、続きが気になり一気に読んだ。
主人公と一緒に生命の重さをを考えさせられた、素敵な本。 -
死について考えさせられる本
"絶対なのは死だけ"
という台詞が忘れられない。 -
主人公が遺品整理業で働く日々と、学生時代の苦い思い出とが交互に語られていく。
仕事のほうは、時々ニュースのコーナーで特集されていて大変だけれどやりがいがありそうだなぁという認識程度だったが、映像で映せるものなんてほんの序の口だったことが、この本には書いてある。壮絶です。誰かがやらなきゃいけないとしても、こういった民間の業者が?と思ってしまう。
高校時代の、いけ好かない同級生の話はほんとやだった。人によって態度を変える。自分は人に心配りをする良い人、のポジションをさらっと匂わせつつ、人を貶める。私の一番嫌いなタイプなので、読んでる途中もどうにかなんない!?といらいら。
タイトルを含むエピソードの出し方が、さすがさだまさしの世界だなぁと感じました。 -
仏さんの忘れ物の、天国への引っ越し屋さん。いい響きです。
遺品整理のお仕事は、とても苛酷そうなお仕事だけど、古田社長始め、佐相さんと従業員の方は凄く人間味のある方たち。
忘れてはならないのは、やはりお父さんの一言一言。
良い人達の見守りの中、杏平が同級生の松井とのことで心の病気になるも、目の当たりにした(遺族の部屋)それぞれの命に直面して立ち直っていく姿が、頼もしく思えた。
さださんの小説って、どれもほんと命の大切さを感じさせてくれるなあと思う。 -
アントキノイノチ!!
元気ですか!!自分をはげます魔法の言葉にしたい。
話は前半は淡々と進みどうなるんどろうと思っていたが
最後の30ページは生きることに意味を感じた。
自分も心を閉ざしてしまったこともあったが
扉をあけるのは自分なんだと感じている! -
心の病を抱えた青年が本当に心優しき人と関わる事で立ち直っていく物語。同時に心を病んだ原因となった松井への殺意に及ぶ話も並行して進む。雪ちゃんや父との絡みも泣かせる!イノチは大切なんだぞーと改めて痛感させられるいい本だった♪最後の松井との対面なんかたまりません!人によって傷つけられた心はまた人によって癒されるだよね。でも、遺品整理業って大変そう!
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飛行機の中で読んだものだから、何回か泣けるところで、とても困った。