- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344022416
感想・レビュー・書評
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もしも、、、
10年前に会ったきり、新しい携帯電話の番号も教えていないので2年くらいは音信不通になっている高校時代の友人から
「夫から暴力を受けて離婚した。慰謝料も引越しで使いきってしまった。仕事もリストラされ、住む家も失った。頼れる親戚もいない。お願い。次の仕事が決まるまで子供と一緒に1週間だけ泊めて欲しい。」
と頼まれたらどうしますか?
私だったら、、、どうするだろ?
1週間だけ。幼い子供も連れている。
どうする?どうする?
独身で自宅マンションと、別に仕事部屋ももっている脚本家の鈴音は、嫌々ながらも水絵と7歳の耕太を受け入れる。
初日に水絵と耕太に買い置きの歯ブラシを2本渡す。次の日、「新しいの買ってきたの。だからこれ、どうもありがとう。」と水絵が手渡してきたのは、昨日使った歯ブラシの方だった。
…怖っ!
ん?どういう神経?
鈴音もどんどん水絵に対して違和感や嫌悪感を抱いていていくが、なかなか仕事が決まらない水絵に対して「出ていって」と強く言えない。
読んでいる間 ずっと嫌な気持ちにさせられる。
自分の良心が試されているような感じ。
また水絵が『罪悪感』を抱かせるのが上手い!
水絵と耕太を「これ以上は助けられない」と思うこちら側が悪なのか?と思わせるのが上手い!
本の紹介を読んだら これは心理サスペンスらしい。
でもね、最後まで読み切ったとき わたしには水絵の存在がホラーにしか思えなかった。
最初から最後までずーーーっと水絵にイライラさせられっぱなしだけど、それさえ我慢すれば1日でサクッと読み終えちゃいます。
『手を差し伸べるのは善意か、偽善か』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆3.5。
えー、水絵が怖くて気持ち悪い。
結果何事もおこらなくてよかった。耕太くんがちゃんとした子で良かった。 -
水絵みたいな女、無理!
弱さを売りにして、助けないあなたが悪いと、じわじわとほのめかす。
気が利くようで、デリカシーなし。
関われば、自分が馬鹿を見ると直感できる。
最後に成長した耕太が訪ねてきてくれて、やっと安堵のため息をつくことができた。
スカイエマさんの表紙の画が、じわっとした違和感をうまく表している。
なんでこんな嫌な話を読むんだろう。好きな本を読んでいるほうが幸せなのに。でも現実で好きでないものに出会い、戸惑い説明のつかない感情がわきおこったときにこういった話を読んでみると、こういうことなの!って、理解者ができたみたいな気持ちになるから、読むのをやめることができないのね。 -
何か嫌〜な感じが残りました。
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私にとって二作めの近藤史恵作品。相変わらずひたひたと漂う不快感と不気味さ。でもなぜかそれが癖になってページをめくる手を止められない。
それほど仲が良かった訳でもない高校時代の友人が、突然息子を連れて転がり込んでくる。どこまで優しくするべきか、突き放していいのか悩み続ける主人公。
この友人の不快さが、絶妙の「我慢できるくらいの不快さ」、しかも無理を言ったあとの引き方、間合いの取り方も絶妙すぎて怖い。
色んな登場人物や細かい出来事が複合的に繋がって何かの事件や最後への伏線になればもっと怖かったかも。
でもラストにはいい溜め息つけました。 -
題名にもなっている「はぶらし」のエピソードが、居候を決め込む「友人」の人物像を象徴している。これは・・・・きつい。あらすじから想像はついたけれども、なかなか応える本だった。
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うーん。なんかいやーな話だった。
十年ぶりの連絡きた人はやっぱり家には入れないかなー。
うんうん。 -
やはりこの作家は読みやすい。だらだらくどい描写がないからか。読み終わった後もスッキリで、後味がいい。作者の人柄か?