- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344026797
作品紹介・あらすじ
誤発注した大量のオイルサーディンとともに、勤め先のスーパーをクビになり、地元で『なんでも屋タチバナ』を始めた、俺、橘良太。三十一歳、独身、趣味はナシ、特技は寝ること。すこぶる平凡な俺が、なんと殺人鬼の濡れ衣を着せられてしまう!そんな折、俺の前にわずか十歳にして自らを探偵と信じる無垢で無謀な美少女・綾羅木有紗が現れた-。殺人鬼の疑いを晴らすため、俺はしぶしぶ有紗と事件を調べはじめるが…。溝ノ口で事件のあるところに、天才美少女探偵あり!爆笑必至のユーモア・ミステリー。
感想・レビュー・書評
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謎ディナの後はやはり厳しいですね。この程度で、あのおもしろさを越えるのは無理なのでは?続刊に飛び付きたくなることは、残念ながらありません。
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グランツリー武蔵小杉が開業し、会社帰りに紀伊國屋書店に寄れるようになったのは、個人的に嬉しい。それに合わせてこんな作品を出したわけではないだろうが…。
本作の探偵役は、名探偵を父母に持つ少女・有紗。ワトスン役は何でも屋の青年・良太。このご時世、一緒に歩いているだけで通報されかねない組合せだぞおい。また新シリーズかよっ! というのはさておき、ローカル色の強さが本作の特徴である。
少女の住む屋敷は溝の口にある。ちなみに、東急の駅名は「溝の口」だが、JR南武線の駅名は「武蔵溝ノ口」、住所の表記は「溝口」。青年が住むのは武蔵新城。舞台がJR南武線沿線に限られる、知らない人には何が何やらピンと来ない設定なのである。
第一話「名探偵、溝ノ口に現る」。溝ノ口に大芸術家が住んでいたなんて知らなった。芸術が絡む殺人とだけ書いておきましょう。こんなのでうまく誤魔化せるのだろうか。というより、これ、溝ノ口が舞台である必要があるのか?
と思っていたら、第二話「名探偵、南武線に迷う」でローカル色爆発。南武線が出てくるミステリーは多分初めて読んだ。武蔵小杉勤務だがこの一帯に愛着はない僕は、ネタについて行けるのが嬉しいような嬉しくないような…。
ところが、第三話「名探偵、お屋敷で張り込む」。この一帯ってこんなに屋敷があったのかよっ! というのはともかく、今からこんな事件に首を突っ込む少女の将来が案じられる。で、もはや舞台がこの一帯である必要がないだろこれ。
最後の第四話「名探偵、球場で足跡を探す」。最後にトリックらしいトリックを持ってきた。なるほど、野球場という場所をうまく活用している。しかし、これも野球チームの名前に溝ノ口とか新城とかつく以外、この一帯に関係ないだろ。
どうせなら、第二話のようにローカル色を極めればよかったんじゃないでしょうか。ローカル色以外に特徴がないのだから。似たようなキャラクター、似たような路線にも飽きてきたぞ。さすがに、粗製乱造という感が拭えない。 -
少女探偵とか、お決まりの危機脱出パターンとか、漫画になりそう。
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「名探偵、溝ノ口に現る」
何でも屋は利用されて。
描かれた台本通りに役者が動いてくれたからこそ、疑いの目を向けられることもなかったのだろうな。
引き受けてしまってから断れないのであれば、最初に依頼内容ぐらい聞いてもいいのではないか。
「名探偵、南武線に迷う」
約束通りに渡したもの。
いつから気付いていたのか分からないが、さり気ない手助けがなければ遅刻してしまっていただろう。
偶然が重なって出来てしまった時間なのだから、上手く利用し逃げ切ろうとは考えなかったのか。
「名探偵、お屋敷で張り込む」
調査は無事に済んだが。
互いに想いやる気持ちなど一切なかったからこそ、事件は起きてしまい二人の未来は消えたのだろう。
説得力の関係上仕方ないこととはいえ、手柄を綺麗に横取りされ続けたら嫌になってしまうだろ。
「名探偵、球場で足跡を探す」
全く使えないスケット。
バレてしまった時点で素直に白状したとしても、反省する気がなければ結末は変わらなかったかもな。
直ぐに実践したい気持ちは分からなくないが、犯人が傍にいる可能性は忘れてはいけないだろう。 -
学校で一回読んだことがある。
探偵を生業としている両親に育てられたら、
こんな推理力が高い子供が育つんだろうか?
と思った。そもそも、両親ともに探偵業と
いう家族がいるのかな?と不思議に思った。
でも、楽しく読めて嬉しかった。
事件の内容がなかなかの殺人事件で、
驚いたけど。 -
月イチ位で行く溝ノ口が舞台なのを知って即借りてしまいました。でも通院で行くだけで、地元とかじゃないので地元ネタがあまり分からなかったです。
肝心のミステリ要素は、私では思いつかないような大胆なトリックをユーモアたっぷりに説明されていて読んでいて楽しかったです。
伏線もしっかりと張り巡らされています。ただ、あからさまな所も多々あり、「あ、これ伏線だな」とはっきりわかる描写もチラホラ。それでもトリックはすぐには、分からないです。
あまりミステリに慣れてない方にもおすすめの1冊です。 -
溝ノ口界隈で起こる事件を解決してゆく少女と中年コンビ。
30才は中年と言っていいのかどうか。ただ、橘良太の振る舞いから感じられるのは、中年という言葉が醸し出すくたびれ感だったりする。そんな良太はワトソン役です。
誤発注で職を失い、なんでも屋に転職した良太。彼が依頼された先で出会ったのが、
両親が有名探偵という小学生のアリサです。
その彼女が探偵役として、事件解決に活躍します。小学生離れした知恵と脚力で。
第二話が印象に残りました。
解決した時の種明かしで、してやられた感がありましたね。地名の羅列の中に、キーがあったのですが、読み飛ばしがちな部分でした、反省。
いや、土地勘がない場所は目が滑るんですよ。おそらく、土地勘があるからこそミスリードしてしまったんだ、という引っかけなんでしょうけど、意図してない引っかかり方してしまいました。注意力が足りない。ミステリー読んでいるのに。
ところで、アリサの両親は何かと事件事件、依頼依頼で家を留守にします。その事件というのが、古今東西の有名ミステリーという小ネタ。
八つ墓村とナイル川殺人事件はわかったのだけど、他のはすっと出てこない。いや、挙げた二つも間違っていたら恥ずかしいのだけど。
こういう小ネタも楽しむことができたらいいのに。いろいろと足りないなぁ。 -
読まず嫌いをなくすために、苦手な作家さんも手に取ってるんだけど、やっぱダメだった…。
やっぱり東川さんの文章、私には合わない。 -
なんでも屋良太君とアリサちゃんのいいコンビ。テンポよく事件に巻き込まれ(笑)、テンポよく、ときどき涙を見せながら事件を解決。アリサちゃんが食い入るように見つめていた南武線の先頭車両に一度乗ってみたいな。
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何でも屋の橘が 名探偵の令嬢である有紗の子守り役をしながら 身の回りで起きた事件を解決していく
定番の一冊 わかっていても 楽しく読めた