四十歳、未婚出産

著者 :
  • 幻冬舎
3.64
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感想 : 143
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344033252

感想・レビュー・書評

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  • 自分には、とても想像が出来ない世界でした。どうして嘘に嘘を重ねてしまうのか正直に話さなくちゃ!ともどかしい気持ちで読んでいました。
    今の時代に合ったいろいろ考えさせられる作品でした。
    最後のエピローグが笑えました。

  • ★3.5

    未婚の母になったりしたら苦労するに決まってる。
    でも、子供を産む、最初で最後のチャンスだ。だったら……。
    四十歳を目の前にして思わぬ妊娠に揺れる、旅行代理店で課長代理として働く優子。
    お腹の子の父親は28歳のイケメン部下・水野で、恋愛関係にあるわけでないし
    本人にはどうしても言えない。
    頭の古い田舎の母親、妊婦を「腹ボテ」と言うパワハラ上司、
    不妊治療に悩む同僚、若さを誇る美人女子社員…。
    お腹はどんどん大きくなるけれど、本当のことはなかなか言えない。
    このままシングルマザーになって、やっていけるのか!?

    四十歳独身の女性がふとした弾みで若い部下と関係を持ってしまい妊娠する。
    偏見のある田舎の母親や親戚たちや周囲の人々。
    女性は出産したら一人前に働けないというパワハラ・マタハラ・モラハラ上司。
    産むのか産まないのか…。
    シングルマザーで仕事はどうするのか…。
    揺れ動きながらも気持ちは固まり前に進んでゆく。
    シングルに限らず、働く女性の結婚・妊娠・出産・仕事復帰に関わる
    あらゆる問題がこれでもかって描かれている。
    垣谷さんらしく、現代社会の女性問題を甘くなく現実はそうだよねって
    思わせてくれる文章でした。
    価値観とか世相とかまだまだ日本はこんなもんたなって、
    日本の会社の現実、社会の現実、男性の本音…。
    切なくもありながらも納得でした。

    困った時に助けてくれる出世した元不倫相手や戸籍だけを貸してくれる元同級生
    上手く行き過ぎだよって感じる事はありましたが、
    現代社会の女性問題をばっさぱっさと切り込んでくれていた。

    これからの社会がもっと明るいものである事を願います。

    日本の戸籍制度については、深く考えた事がなかったのですが、
    世界では大きく変わっているのですね。ビックリしました。

    読後感がとっても良かったです。
    心がほかほかしました。

  • 続きが気になって一気に読めたー。

    共感?みたいなとこもあって。
    育休、産休
    自分の会社でも、まだまだなとこあって‥
    私が第一号だったりしたしなぁ。
    ひとまわり離れた年下の後輩くんと仲良いけど、あんなことにはならんわ。笑
    なって、打ち明けたらどーなるんだ?
    同じ反応だろーし。
    仕事が楽しくて辞めれないのも私だな。

  • 凡庸さん素敵すぎます。自分の子じゃないのに籍を入れて自分の子としてその子を思う。こんな事普通はできない。凡庸さんから人って信じられるって温かさをもらいました。
    優子さんのお母さんも、子の父親になってくれと娘の同級生に頭を下げるってこれも行き過ぎだけど娘を思えばの事。お兄ちゃんの再婚も素晴らしい。お姉ちゃんも優子の相談役となりこの家族愛もすごい。
     水野には、きちんと子の父親だと伝えてほしかった。最低な人だけど真実知ったら責任とったかもしれない。部長も最低。どうしてこうシングルマザーを応援できないか。不倫相手の上司にもイラッとくる。
     こんな世の中だけど凡庸さんみたいな人がいてくれて良かった。愛が溢れていて素敵すぎます。

  •  男性は歳をとってから結婚しても、いつでも子供を持てると思ってる人が多い(イメージですが…)けど、女性は子供を産めるタイムリミットもあるし、30代後半くらいには、子供を持つ人生か持たない人生なのか、未婚・既婚に関わらず考えると思います。

     主人公は、40歳で妊娠出産できるギリギリの年齢だったからこそ、未婚でもお腹に宿ってくれた子供を生み育てる決意をします。

     結局最後までお腹の子の父親に真実は伝えず。水野は、「もし妊娠していたら、何としてでもおろさせる」とロクでもない発言をしていたが、実際に水野に伝えたわけではないですよね。本人に伝えていたら、責任を取ったかもしれないし、認知したかもしれないし、憶測だけで伝えずと言うのどうかな?と思いました。

     お母さんのお節介は度が過ぎるけど、娘が心配な気持ちは伝わってきた。
    凡庸さんは、本命の相手が離婚したけど、そちらはさておき、主人公と籍を入れていいのか?!と少し気がかりになったり…
    でも、確実に本当の父親と一緒になるより凡庸さんとの方が幸せになれそうだし、よかった。

    お兄ちゃんが子連れ再婚して、元妻の学校に相手の連れ子通わすはどうなんだ?とか色々ツッコミどころもありましたが、楽しく読みました。フィクションなので普通だったらつまんないですよね。

    展開がトントン拍子に進み面白いので、読むのは遅い方ですが、1日で読めました。

    垣谷作品は、まだ二作目ですが、人物の描写がとても上手ですね。田舎の親戚とか、会社の人とか、あーこう言う人いそうっていう描写がよくありました。またほかの作品もよんでみます。

  • ハッピーエンドなんだろうなと思いつつも、不安を拭えないまま、ページを捲る手が止まらなかった。
    読了して、読了できて、ほっとした。
    凡庸さんの言葉に涙が出そうになった。
    ちょいちょい出てくる、男尊女卑の、狭い世界で既得権益を当然のものと考えるクズみたいな人の描写がいつも異様に上手い。なのでムカムカする。その中でもハッピーエンドに落ち着くことができるのは、物語の良さだと思う。
    柿谷美雨さんにハマった自分を褒めてあげたい。楽しませてもらえてよかったね。
    残り数作品になってしまった…。

  • 面白かった。先が気になって夜更かししてしまった。四十歳で独身キャリアウーマンで部下との過ちで妊娠してしまい、それでも出産して仕事も続ける、というシュチュエーションの物語。結構ご都合主義の有り得ない展開なのだが
    なんとか丸く収まってホッとした。近藤凡庸さん、いい人過ぎ。

  • 大好きな作家の一人、垣谷さん。
    話の筋は別にして、この方の社会風刺的な内容にいつも共感してます。
    田舎の親戚やら、パワハラマタハラの上司やら、いるいる〜って感じ。
    政府のお偉いさんもこの方の小説を読んで、本当に考えなければならない問題の数々に気づいて欲しいと、切に思います。

  • 未婚で高齢出産する優子の話。
    相手にもそのことを隠し通し、
    会社でも風当たりが強い中、
    最後は地元の人々に支えられる物語。
    共感しつつ、最後にほっこりする
    垣谷美雨の著書は好きです。

  • 主人公に共感できない。
    主人公こそが偏見のかたまり。
    それにあんなに都合の良い男性いない!
    偏見、差別、ハラスメント 社会問題について考える契機にはなった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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