終わりの歌が聴こえる

著者 :
  • 幻冬舎
3.24
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本棚登録 : 125
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344037489

作品紹介・あらすじ

彼らに残っていたのは、もはや後悔だけだった。

19年前に世間を騒がせた、
ある天才ギタリストの「伝説の死」。
その美しい旋律に搔き消された慟哭の真相とは——?         

コカイン所持で逮捕された男の暴露によって、
19 年前の事故を、殺人事件として再捜査することになった。
当時人気絶頂のさなか、ホテルの部屋で
死体となって発見されたギタリスト・鈴村竜之介。
時を経て、その被疑者に浮上したのは、
鈴村と同じバンドの元メンバーで、
今はソロとしてブレイクしている木宮保だった。

事故死か、殺人か、それとも――?          
当時の関係者を回り、執念の捜査を進める二人の刑事たち。
音、絆、女、薬……あの日、あの部屋で、何があったのか。
やがて狂騒の真実が白日の下にさらされる!         

濃密な人間ドラマと哀切を極める結末。
ミステリー小説の白眉!


小説を書いて12年、
描きたかった物語がやっと完成しました。
これなら読者は楽しんでくれる、
そう確信した私の自信作です。——本城雅人

感想・レビュー・書評

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  • 治郎さんがあまりにも気の毒すぎるんですけど…

  • 音楽が背景にある話のせいか歌謡曲以外に興味のない私にとっては話に気持ちが入らなかった。

  • 前作が面白かったのでよんでみた。伝説のロックグループの事故の真相を解き明かすという作品。随所にリアルスターの名前が散りばめられて、豪華な感じはしたが、全て感情的な面が先走っていて、そこが残念。

  • ミステリーとしては弱く感じました。
    音楽小説にミステリーを加えたという感じかな。

  • 本城雅人が書きたかったテーマなんだろうな。たくさん出てくる歌詞にもピンと来なかった。得意の新聞記者もので進むのが良いと思う。3.5

  • 90年代後半に活躍したロックバンドの栄光と崩壊を、中心メンバーの死の謎を約20年の歳月を経て解き明かそうとする刑事たちの捜査と、バンドを最も身近に見てきた腹心のスタッフの手記を並行させる形で描いた物語。

    刑事たちの死の謎解きが始まるとともに、ボーカル兼ベースとギター、個性の異なる二人の天才によりバンドが成功を収めていく時代が描かれる前半はとても興味深くて期待が膨らむ。しかし人物造形や展開の俗っぽさ、そして結末の弱さで後半から失速してしまった感じ。

    ロックミュージシャンの世界を描く都合上、主人公たちの曲の歌詞がたびたび登場するが、これが正直陳腐なのも弱点。そして何より、この歌詞が謎解きの大きなヒントとして扱われるが、冷静に考えると、この歌詞による刑事たちの推理と、事件の謎解きは実は結びついていない。ミステリーとして結構致命的な点では。刑事の結婚生活の話も要らなかったと思う。

    とはいえ、ロックスターを目指してそれを叶えながら、大いなる挫折に散り散りになっていくミュージシャンたちの青春小説としてなかなか魅力があると思う。ミステリーにせず、もっとそちらにフォーカスした小説にした方が洗練された作品になったかも、と勝手に思ってしまった。

  • カリスマ・ロックバンドの物語。

    多くの人を惹きつけるスターは、
    どういうメンタリティを持ち、
    どのようなこだわりを持ち、
    どのように生きているのか。
    その姿は一般の人たちと地続きでなく、
    ぶっ飛んだ部分を持つ。
    常識では考えられない感覚を持つ。

    なぜ、そうしたメンタリティを持ち、
    そうしたこだわりを持ちえたのはなぜか。
    どうして、そう生きなくてはならなかったのか。
    バンド解散のきっかけとなった、
    あるメンバーの死をめぐる謎を追う中、
    そうした様子が明らかにされる。
    その理由がはっきりとしていく。

    ぶっ飛んだスターの感覚が、
    リアルに感じられるのは、
    その謎を追う者が一般的な者だからだ。
    事件を再捜査する刑事。
    もう一人、
    かつてバンドのマネジメントを務めていた男。
    バンドが起こすもめ事を収め、
    次々巻き起こるトラブルに決着をつけ、
    バンドやメンバーに対て献身的に尽くす。

    物語は刑事とこの男の二つの視点、
    現在の捜査と男の回想が交互に挟み込まれ、
    展開していく。
    少しずつ明らかになる真相に
    すっかり惹きつけられ、
    時間が経つのを忘れ引き込まれる。

  • (ジョン+ポール)÷2=ベルと保
    (ジョージ+リンゴ)÷4=味本とサダ坊
    (Bエプスタイン+Gマーティン+Hデーヴィス)÷3
    =藤田
    (パティ+ヨーコ)÷2=寺田

    ビートルズの伝記を読んでるような錯覚を覚えた。
    そこに事件性を持たせて、二重に楽しめた。
    イントロとのつながりがほぼ終盤で、思わずイントロを読み返す始末。
    しかし刑事って出張多いなー


  • 主題に対し過程が長すぎて、「これってこんなに長編にする必要あるの!」と思ったが、たぶんこの小説は過程を楽しむ本として書かれたのだろう。個人的には、ダラダラとつまらなかった。

  • ロックバンドが好きなので期待して読んだが、下品な描写が多かったり真相もショボかったりと残念な点が目立った

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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