- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344039872
作品紹介・あらすじ
最恐毒舌刑事VSテロリスト毒島真理は大量の連載を抱える人気ミステリ作家。しかしひとたび筆を置けば、警視庁随一の名刑事へと変貌する。冴えわたる舌鋒で、思想に毒された犯罪者に心理戦を仕掛ける!保守系の刊行物で有名な出版社に、何者かが火を放った。公安一課の淡海奨務は、左翼集団の犯行とみて捜査を開始する。そこで出会ったのは同じく事件を追う作家兼業の名物刑事・毒島真理。虫も殺さぬような風貌とは裏腹に、毒島は容赦ない口撃で犯人を徹底的に追い詰める。淡海はその姿にたじろぎつつも、行動を共にすることに。間もなくネットに公開された「急進革マル派」を名乗る過激派の声明。果たして事件は大量殺人の予兆なのか? どんでん返しの帝王がおくるノンストップミステリ!
感想・レビュー・書評
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作家刑事毒島 シリーズ3
毒島は、不祥事を起こして、一度退官したが、その後、刑事技能指導員として再雇用された。
その空白期間に、なんと、作家デビュー。
刑事としては優秀。
作家としての才能もある。
しかし、人間性は疑問視される。
〈原発〉という綽名で呼ばれていたことでわかるように「必要だけど、近づきたくない」らしい。
今回は、警視庁公安一課の淡海奨務とコンビを組むが、まさかのどんでん返しが待っている。
作中で毒島は
リベラルと呼ばれる人たちは、いつでもどこでも、正しいことを叫び続けているんだけど・・
と言うが、
それには、異論を唱えたい。
私は、今までに、リベラルと呼ばれる人から、正しい事を聞いたことがない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回のテーマは思想。
極左暴力集団による右翼思想の出版社への放火?
七〇年安保、学生運動…etc
容疑者や思想にかぶれた学生相手に毒島の口は止まらない笑
相変わらずの毒舌で完膚なきまでに喋り倒します。
わたくし主義主張、思想などに興味がないので今一つでしたがこの手の弁舌が好きな方にはたまらないストーリーかも_φ(・_・
今作も中山七里の思いの丈をぶちまけた一冊でした。
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毒島刑事の次々放たれる毒の数々、とても清々しいです。
今回ペアを組んだのは公安の淡海。高千穂の同期です。
周囲を振り回すのは相変わらず健在。公安がらみかと思われる案件に首を突っ込んでいきます。鋭い読みと観察、最後まで追求の手を緩めない毒島刑事ワールドです。 -
作家兼刑事技能指導員の毒島が、合理的推理と非情な毒舌で事件を解決する、連作短編集。
シリーズ第3作。
保守系出版社への放火から始まり、過激派の犯行声明がちらつくストーリー。
相棒は公安、淡海奨務。
したたかさや鉄面皮では、刑事課の上をいくはずの公安の刑事が、毒島に振り回される姿はコミカルで楽しい。
本人がいないところで毒を吐くことが多く、直接対決でやりこめるシーンが少なかった。
ややいつもの痛快さが足りないいうか、毒島にしてはマイルド。 -
作家兼刑事技能指導員・毒島シリーズ第3弾は、公安と組んで過激な左翼運動家の犯罪を次々暴く連作短編。果たして〈急進革マル派〉の正体は?
ヘラヘラした態度と辛辣な物言い。「性格は最悪だが刑事としての能力は一頭地を抜く」、「容疑者を精神的にいたぶるのが趣味」、警察への「帰属意識だけでない…功名にも褒賞にも執着していない」、まるで趣味で刑事をしているような男、毒島。周りから毛嫌いされる異端キャラという設定だが、プロフェッショナルとして冷徹に犯人を追い詰める姿は相変わらずカッコ良かった。
「プロ市民」という言葉、知らなかったな。 -
※
作家で刑事というだけでも特異なのに、
圧倒されるぐらいの毒舌と誰にも染まらない
考え方、独特の価値観と判断基準で事件に
ぐいぐい関わってくる主人公のキャラクターが
癖が強すぎて非常に魅力的。
鋭い洞察力と柔軟な論理、切れ味抜群の言葉で
容疑者を追い詰めて真実を明らかにする、
徹底した毒っぷりが振り切っていて爽快。
嫌味や皮肉に根差した毒舌ではなく、
法を犯したものを罰するために振るわれる
毒を宿した言葉や態度が小気味いい。
ラストも印象的でした。 -
出版社火災の後〈急進革マル派〉を名乗る組織が犯行声明を出した
全く無名の組織とは?
相変わらずの毒でした
サクサク進むので爽快ではあります
でも「うふ、うふふふふ」って
笑う毒島さんには全て見透かされてるのでお近づきにはなりたく無いです -
作家であり、刑事技能指導員の毒島が公安の淡海と組んで、「急進革マル派」名乗るテロ組織と対峙する連作短編集。
神保町で発生した放火事件、大学内での殺人、講義デモ中の殺人など、一見繋がりのない事件の共通点は事件の裏に存在する「急進革マル派」。
それぞれの事件を飄々と解決していく毒島の毒舌が、最近の中山作品の中では一番心地いいし、面白い。
淡海とのコンビネーションもよし、シリーズでは今作が一番面白いと思う。
ラストのどんでん返しも、予想していたとは言え、久しぶりに「そう来たか!」って感じ。