彼女がそれも愛と呼ぶなら

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344040908

感想・レビュー・書評

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  • 愛し方を模索するから恋愛小説
    この物語の中心には 3人の恋人と高校生の娘と暮らす女性がいる
    彼女は絵を描くことを仕事としており その仕事への情熱のためにも恋愛を続ける
    その彼女の恋愛観を羨ましくも 相容れなくなった夫との結婚生活を続ける友人
    危うさを持つ恋愛を始めた 高校生の娘
    それぞれの恋愛の行方を悩み、語り、問う
    母親の恋愛は「過ち」であるかもしれないが、
    自分の気持ちに「正直」であり
    この小説の言葉を借りるなら、自分の目盛で生きている
    その自然な様子が、時には周囲を惑わし巻き込む
    彼女との恋愛に苦しむ恋人もいる
    夫との関係に苦しんだ友人は、望む恋に向かう
    娘の恋の危うさは、大人達が手を差し伸べる

    自分に正直になれる生活
    価値観を共有できる恋愛
    そんなところに帰着しそうです

    • 1Q84O1さん
      おびさん、それ凄い!Σ(゚Д゚)
      おびさん、それ凄い!Σ(゚Д゚)
      2024/05/03
    • ゆーき本さん
      モテ期いいなぁ(*´`)
      年上のおじ様キラーなのね⟡.·*.
      もう一度のトキメキあったらもうちょい若返るかな
      ( *´艸`)笑
      モテ期いいなぁ(*´`)
      年上のおじ様キラーなのね⟡.·*.
      もう一度のトキメキあったらもうちょい若返るかな
      ( *´艸`)笑
      2024/05/03
    • おびのりさん
      うーん?手頃感?
      いや 若い子と働くと気を使うから 若返るね
      若い男子って案外優しいでしょ
      優しくされ慣れてないから 汚いおばさんにならない...
      うーん?手頃感?
      いや 若い子と働くと気を使うから 若返るね
      若い男子って案外優しいでしょ
      優しくされ慣れてないから 汚いおばさんにならないようにだけは気をつけたりする
      もうそれさえ面倒で この前久しぶりでおそらくは最後だろうと思う仕事を断った
      3日悩んだけど
      2024/05/03
  • 高校生になった千夏には友だちには言えないことがあった。
    …というよりも中学のときには友人と呼べる仲の良い子はいなかった。

    自分の家には、父親はおらず母親には3人の恋人がいてその彼らと一緒に住んでいる。
    美容オタクでバイセクシャルの亜夫、イタリアンシェフの到、そして最近一緒に住むようになった大学院生の氷雨。
    千夏は彼らと仲も良いのだが、一緒に暮らす彼らのことは誰にも言えずにいた。

    千夏に彼ができたのだが、次第にその彼の束縛と強制に息苦しさを感じていた。

    その頃、千夏の母・伊麻の高校時代の友人・絹香は夫との関係にうんざりしていて、伊麻の気取りのない自然な考え方や恋愛に同じ娘を持つものとして、驚きを感じながらも否定する気持ちはなかった。



    「会いたい人に会わないで、なんのための人生」

    そう…これなのかもしれない。
    無理して、気持ちに嘘をついて生きるよりも正直に生きるのが良い。

    伊麻の家庭をなんと呼ぶのか?よりも形に捉われずにみんなが良いと思えるのならそれが一番だと思った。

    激しいとか、重いとか、の感情はないけれど心を仄かに揺さぶられたような気がした。




  • めちゃめちゃおもしろかったけど、これは感想書きづらい…!

    ポリアモリーの母親・伊麻とその彼氏たちと一緒に暮らす千夏、夫とは冷め切った生活を送る絹香。
    ふたりの視点で進んでいく物語。

    千夏のまわりの高校生の恋愛、伊麻や彼氏たちの恋愛、絹香や夫の恋愛、当然ながら人それぞれ。
    相手にどこまで合わせるのか、うれしいと感じること、されたくないこと。

    ポリアモリーにもいろんな形があるらしい。
    そもそも、恋人がいるのに好きな人ができるのはよくあることかなと思うんだけど、伊麻たちはけっこう次々新しい肉体関係を構築していってるようで、その代わり2ヶ月に1回性病検査を受けることにしているらしい。
    でもうつるのって性病だけじゃないし、検査したって検査の時点では大丈夫だったというのがあとになって判明するだけだから、みんながフリー恋愛なんてこわすぎ…
    ポリアモリーの人も嫉妬はしてしまうみたいで、嫉妬の原因を考えて、みんなで折り合いのつく方法を考えたりもするらしい。(これはあとでネットで調べたら書いてたこと)
    でも、伊麻の恋の始まりをみてると、別にポリアモリーの集まりに行くとかじゃなくて、生活の中で気になる人ができて、向こうも好意を持ってくれたら少しずつ近づいて、恋人になったら他にも恋人がいることを打ち明けるっていう始まり方。
    それって、既婚者が独身の人にアプローチするのとどう違うんだろう。
    相手も好きになってくれた場合、他の恋人には了承を得てるから浮気じゃないと言ったって、苦しむのは相手の方で、そういう辛い状況に引き込むわけだからすごく罪深いんじゃないのか。
    そう考えたら、ポリアモリーと公言するのは単なる保身にしか思えないし、ほかに恋人がいることはオープンにしないで、結婚は絶対ないことだけ伝えて、それぞれと1対1を装って付き合う方がずっといい気がする。

    絹香も最終的に、会いたい人に会う生き方を選ぶかどうかって話になってたけど、選んだとしていつかはその人への気持ちも色褪せるかもしれないし、別にこっそり会えばいいだけなんじゃないのか…

    ありえないなと思えることばっかりだったんだけど、まあ他人の恋愛って全部そうかも。

  • 様々な愛の形が描かれる。

    高校生の娘・千夏と、三人の恋人と共に五人で一つ屋根の下で暮らすポリアモリーの伊麻。
    束縛彼氏に不快感を感じながらも、交際を断ち切れない千夏。
    伊麻の友人で主婦の絹香は、浮気+モラハラ夫との結婚生活に嫌気が差している。

    多様性の時代、誰がどんな愛の形を選択しようと本人達の自由だと思うけれど、自分に置き換えるとどれも違和感しか感じなかった。

    相互に等しい愛情があれば良いが、相手が束縛と感じその恋愛に苦痛を感じた時点で愛情の天秤は激しく傾いてしまう。

    楽しいだけじゃない。

    愛って本当にままならない。

  • テレビのコメンテーターの発言が薄っぺらい感じがするのは、物差しが、コメンテーター自身のものではないからなのか。

    自分自身の物差しで喋るようにしようっと。
    話し相手が、他者の違いを許容する人でありますように。

    そういう人に囲まれている人生は幸せだよね

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著者プロフィール

1979年福岡県生まれ。東京都立大学卒。2016年「西国疾走少女」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2018年、受賞作を収録した『1ミリの後悔もない、はずがない』(新潮文庫)でデビュー。他の著書に『愛を知らない』『全部ゆるせたらいいのに』『9月9日9時9分』がある。

「2022年 『悪と無垢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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