- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344041349
作品紹介・あらすじ
二人が出会った時、Jは85歳。作家であり尼僧。人生最後の恋の相手は、母袋晃平(もたいこうへい)、IT企業を経営する37才。 Jは二十代で夫と娘を捨て出弄。男性作家と浮き名を流し、次々と問題作を発表。五十歳をすぎて仏門に入るも創作活動はより勢いを増した。老いてこそ身体(からだ)も心も業火のごとく燃える愛の軌跡。かつてない〈老いの自由〉を描き切った痛切な純愛小説!「母袋(もたい)はJのことをよほど誰かに話したかったのだろう。私は仰天し、痺れながらも手帖を取り出した。贅沢な恋愛をさせてくれたJと別れ、ただの男になりさがって家庭に戻り、かつての恋人の死を知った母袋の声はしとしと降る小雨のように寂しげだった」老いらく恋の豊穣な息遣いが聞こえてくる……
感想・レビュー・書評
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表紙がとてもきれいなので ☆+1
早く読めると思い読みはじめたところ
何度も止めようかと本を置いてしまい
なかなか進まず
やっと読了。
とは言え
心に残る表現もいくつかあり、
ある意味、心の片隅に残る作品でした。
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高名な尼僧にして小説家であるJと、ベンチャー企業経営者である母袋晃平との48歳差の「純愛」を綴る、事実をベースにしたとされる小説。
伏字にはなっているが、読めばJが誰かはすぐにわかる。頭にすっと浮かぶあの姿のあの人がそんな年齢でこんなことをしていたとはにわかには信じられないが、母袋晃平のモデルと思しき人物も調べればすぐにわかるので、事実の一端は示しているのだろう。Jの凄まじい生(性)のエネルギーを感じたし、滅茶苦茶な人生ではあったがやはり魅力のある人物だったのだろうと思う。一方で、晩年はあんなに慈愛あふれる感じではあったが、意外にも、人間らしいというか、俗っぽいところが出家してからも色濃く残っていたのだなと感じた。
純愛小説という触れ込みだったが、果たしてこれは「純愛」なのだろうかとは思った。また、妻子がいても平気で不倫をするJや母袋の感覚は、やはり自分には理解し難たかった。
好奇心を抑えられず読んでしまった自分が言うのもなんだが、この小説というか企画には、純粋に年齢を超えた恋愛を描くというよりも、センセーショナルな話題で人々の野次馬根性をくすぐる商魂たくましさを感じてしまった。
あと、難点として、性描写がしつこく感じたし、かっこつけたような文体も苦手だった。とりわけ、著者が女優と性交渉するくだりはいらなかったと思う。 -
亡くなったJとの出会いから別れだけでなく、それまでを小説から引用して物語に。でもなんだか軽い感じで短く終わってしまった。
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私小説は合わない,私小説の作者は碌でもない人たちだ。
Jは最低な女だということが分かっただけ。
ラジオでこの本を知って図書館に予約,かなり待って借用したのだが,読む必要のない本,読まない方が良い本だった。 -
事実に基づくなら驚く。でも瀬戸内寂聴さんなら頷ける。
夫が死んで悲しい、と言う相談に「思い出すということは、ご主人があなたのそばにいるということ、寂しくて泣き続けるのはよくない。明るく楽しく生きて安心させてあげて。」腑に落ちた