隣人を疑うなかれ

  • 幻冬舎
3.39
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本棚登録 : 675
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344041660

作品紹介・あらすじ

鮮烈デビューから作家生活10周年。『記憶屋』『花束は毒』の著者、最新本格ミステリー!連続殺人、かもしれない。羊の群れに狼が潜んでいるなら、気づいた誰かがどうにかしなければ、狩りは終わらない。死体はない、証拠もない。だけど不安が拭えない――。ご近所さんのこと、どれだけ知っていますか?「殺人犯が同じ建物内にいるってのはぞっとするけどな」今立晶(パート主婦)「模倣犯じゃなくて、本人って可能性もゼロじゃない」小崎涼太(事件ライター)「近くで起きた事件ですもんね。私も気になってました」土屋萌亜(マンガ家)「素人探偵の思い込みの推理を聞いている暇はないの」加納彩(主婦)「近所に怪しい奴がいるみたいな情報提供はときどきあるよ」加納行広(刑事)「ここは住人同士のトラブルはなく、かなり平和なほうだ」寺内嵩(マンション管理人)「プライベートには踏み込まないくらいがちょうどいい」幸田佐知子(シングルマザー)

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めてからすぐに、これは気になり過ぎてページを捲る手が止まらなくなるだろうと思っていた。

    漫画家の土屋が隣りに住むライターの小崎に回覧板を回し印鑑を貰って、隣りのマンションの管理人に届けるというところから始まるのだが…
    登場人物の誰が怪しいのだろうと考える間もなく、土屋が…。
    ただ彼女のつけていたピアスが食品サンプルのお店で買った餃子だというのが、特徴あったから記憶にも残り手掛かりのひとつとなったのかもしれない。
    どちらにしても犯人がマンション内にいるはずという…
    死体はないし、証拠もないなかどうやって…といったところになんで餃子ピアスがこの場所に?なのである。
    そこから過去の事件「スタイリスト」に関連していることが判明し今回の事件もすべて明らかになる。
    模倣犯と言えども彼の言葉を聞くことがなかったのは少し物足りなかった。


    読みやすいうえに推理しながら進めて楽しめた。
    しかし、隣人との付き合いって難しい。
    どこまでプライベートを見せられるのか、どこまで出入りを許せるのか…




  • 神奈川県の山中で死後一ヶ月ほど経過した女子高生の他殺死体が見つかった。

    フリーライターの小崎涼太は マンションの隣人で漫画家の土屋萌亜から「殺された女子高生が先月 隣のマンションへ入っていく姿を見たかもしれない」と打ち明けられる。

    土屋は、女子高生は神奈川県在住であり 小崎たちのマンションは千葉県であることと、見かけたのが夜中だった為 暗かったことから「見間違いかも」と警察への通報をためらっているという。

    向かいのマンションには小崎の姉・今立晶が住んでいて 同じ住民には姉の友達の警察官である加納も住んでいることから その日の防犯カメラを見せてもらおうと 二人は晶の家を訪ねる。

    しかし、晶が加納に相談している最中、土屋が姿を消してしまう。

    マンションの敷地内で見つけたある物から 晶と涼太は 「土屋は 女子高生を殺した犯人に拉致された」と確信し、また その犯人はマンションの住人ではないかと疑い始める。

    さらに調べを進めていくと、これは連続殺人なのではという証拠も出始め、しかも過去に未解決となっている連続殺人との共通点も見つかり……。

    【あなたの隣人は連続殺人犯かもしれない】

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    織守きょうやさん2冊目!
    以前読んだ『花束は毒』のどんでん返しを教訓に、とんでもない人が犯人だろう!ととんでもない人を予想して読みましたがハズレました笑

    いや途中で犯人わかっちゃうんだけど、それでも
    「いやいやいやいや、それだけじゃ終わらないでしょ!絶対コイツも何か絡んでるはず!」と最後の最後まで疑ってかかったんですが、、、。わたしが容疑者リストで二重丸していたソイツは全然関係なかった笑 わたしの予想はハズレましたが、ちゃんと犯人逮捕だけでは終わらないラストが待っています。


    そうか!プロローグでずっと気にかけてた人物。
    ほぼほぼ出てくる男達を容疑者リストに入れていたのに笑 なんで最後まで引っかかってこなかったのか。読み返してみたら ヒントたくさんあったじゃないかー。
    推理小説 大好きな人には結末がすぐにわかっちゃうのかなー。

    わたしの推理はダメダメでしたが、「これも伏線だったのかー」って読み返しの作業が楽しかった笑
    元ヤン設定の晶の暴走っぷりもツボで面白く読めました笑

    わたしが一番あやしいと思っていたアイツは
    最後の最後まで ただただ本当に「抜けてる」だけで、あまりのおマヌケさにその人の職業を心配してしまったのでした。

    『隣人を疑うなかれ』

    ……
    同じマンションに殺人犯いるって思ったら 誰も彼も疑うわ!
    あなたのお隣さんは大丈夫?
    こんなマンション住みたくない!笑

    • みんみんさん
      見張った方が良いかしら(^◇^;)
      見張った方が良いかしら(^◇^;)
      2023/11/07
    • 1Q84O1さん
      任せますw
      任せますw
      2023/11/07
    • ゆーき本さん
      あ、隣人さんあやしい系の方なのね。
      みんみんさんのダンナ様 警察官だから
      これ以上 安心なことってないよね!

      次男のお土産の八ツ橋 食べて...
      あ、隣人さんあやしい系の方なのね。
      みんみんさんのダンナ様 警察官だから
      これ以上 安心なことってないよね!

      次男のお土産の八ツ橋 食べてました
      ウマ(('ڡ'))ψウマ♡♡
      2023/11/07
  • 図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    私が読む織守きょうや氏作品の(アンソロジーを除き)5冊目。


    【ネタバレあり】





    5章の内、早くも2章目で私は犯人がわかってしまったし、3章目ではプロローグのある人物についての言及が無かったことがおかしいとも思った。
    プロローグのあの人物はどうなったのだろう?と。

    4章で、犯人は2章で私の考えた通りであったが、ずっと気になっていたある人物について明かされるのも真相が明らかになるのも5章にて…ではあった。
    が、なんだかあまり「やられた感」が無い。

    織守きょうや氏の自分のレビューを振り返ると、全作品において、早い段階で犯人や真相に気付いてしまっている。(もちろん全てではないが)
    これは著者がわざとそういう書き方をしているのか?
    でも帯や作品紹介では、「見事に騙される」というように煽っていたり、現に「騙された〜」というレビューも多い。

    どうなんだろう?
    私だけではなく、沢山の小説(特にミステリー)を読み慣れている読者なら、ある程度のところまでは早い段階で見抜けると思うんだけどなぁ、この方の作品は。

    それから本書では、炒飯や饅頭などの飲食をする場面でちょいちょい食べる動作を詳細に差し挟むのが気になったので、こんな部分まで事件に関わるのかもと思って深読みしてしまったが、全くの無意味であった。

  • サラサラ…お茶漬けのように読める隣人ミステリの一冊。

    同じマンション、生活圏内に殺人者がいるかもしれない。 
    羊の皮を被った狼は誰?
    猜疑心&緊迫感溢れるストーリー。

    もちろん誰もが怪しさいっぱい。
    警察ではなく住人が調査する形式が日常の一部分という感覚で良かったな。

    途中で放棄は不可能、ラストまで一気に…はまるでお茶漬けのようにひたすらサラサラ食すような味わい。

    探偵役の元ヤン姉と卵料理の服を愛する弟の小気味よさもサラサラ感のポイント。

    ご近所の深夜の車の音はもしかして…こういう作品を読むと一瞬でも不安感じるのが面白い。

  • お気に入りの作家さん。

    土屋萌亜(マンガ家)が主人公だとばかり思っていたら、
    小崎涼太(事件ライター)が途中から出てきて、
    どんどん登場人物が増えていくたび、
    誰もかれも、怪しく見え始めた。
    姉の晶と刑事の加納が友人だったのは、ちょっと出来過ぎ感があるけれど、構成上必要なんだろう。

    マンションはプライベートが守られているようで、
    隣人の情報がわからない怖さがある。
    まして、管理人がどんな人なのかも・・・・

    涼太と晶のやり取りが楽しく、殺人事件の恐怖を和らげてくれた。

  • たぶん怪しいよなー。
    ついて行かない方がいいんじゃないか?
    あー、やっぱりほらー。

    向かいのマンションに入って行った女の子が後の殺人事件の被害者である事を知った土屋。
    土屋と同じマンションの隣に住むライター涼太と、事件のあったマンションに住む涼太の姉である晶と調査を始めたところ、突然土屋の姿が消えた。
    もしかして殺人犯にバレたのか?

    殺人犯は同じマンションの住人か。
    誰もが怪しいと思えるし、なんなら主要人物の夫などももしかしたらと考えながら読む。

    よくある推理小説での探偵や警察ではなく、一般人のしかも主婦達が一生懸命に犯人を探すシーンはなかなか面白いし、それが反対にハラハラもする。
    また危ない目にあうんじゃないかと。

    怪しいと思っていた容疑者は次々とシロになっていく。
    誰なのか。

    そしてギリギリで最後の連続殺人事件は阻止できた!かと思いきや、ライターの涼太は何か気になる点があるようで。

    そこからの話がこの作品のメインディッシュ。

    【隣人を疑うなかれ】
    隣人を疑ってはいけない。

    信じたためにすぐに犯人が捕まるはずだった事件が24年も迷宮のままで、そしてそのせいで模倣犯までが出てくるなんて。

    二度読みすると、chapter1にはこの家族はこの人達の事だなと改めて納得したり、あちこち伏線がちらばっていることに気づく。

    文章は警察用語などがでてくることもなく、堅苦しい感じもなくてミステリーとしてはとても読みやすかった。

  • フリーライターの小崎涼太が注目している殺人事件の被害者に似た人物を目撃したという隣人が姿を消す。涼太は不審を覚えるが、そのくらいでは警察は取り合ってくれない。そこで、涼太は被害者らしき人物が入っていったというマンションに住む姉・晶とその友人である刑事の妻・彩の協力を得て調べ始める。

    みんな疑わしく見える。犯人には割と早い段階で気づけるが、そうきたか。無駄のないストーリー展開でうまい。彩と晶はいいキャラ。冒頭はちょっと……だったが、読後感は悪くない。

  • 殺人事件の被害者を近くで見たかもしれないと言っていた隣人が行方不明に。同じマンションに犯人が住んでいるかもしれないという不安にかられながらも、謎解きを始める主人公姉弟。連続殺人の様相を呈してきたこの事件、犯人は果たして誰なのか。
    読み始めて思ったことは、これはどんでん返し系(というものがあれば)か?ということ。
    犯人が判明し、ミスリードに騙された感もなく、割とあっさりかなと思ったところで、まだページ数は結構ある。
    どんでん返しというより、いい意味で裏切られました。
    読み返してみれば、ちゃんと伏線でした。

  • ブランチだっかなー?TVで紹介されてて興味を持ったので買いました!普通にエンターテイメントとして楽しい読書時間でした!


  • 会えば挨拶をして地域や周囲についての
    情報共有はするが、それ以上プライベートに
    踏み込むことのない距離感の隣人同士。

    適度に無関心な関係にあった隣人と近隣で
    起こった殺人事件について話したことから、
    次第に怪しい出来事に巻き込まれていく。

    誰もが少しずつ怪しく感じられて
    平和だった日常に影が差して心配が募り、
    身近の知り合いですら疑わしく思えて
    精神的に不安を感じる。

    あっと驚かされた終盤だったけれど、
    一方ではやっぱりと感じさせる伏線が
    始まりからあって納得のラストでした。

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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