板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

著者 :
  • 幻冬舎
4.02
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本棚登録 : 1616
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344042391

感想・レビュー・書評

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  • 事実として知っていらっしゃる方も多いと思うので全部ネタバレで書きます。





    棟方志功の妻となったチヤ子が語る棟方志功の生涯。

    二人が出逢ったのは棟方とチヤの故郷の青森市。
    チヤは18歳で看護師を目指していました。

    棟方は17歳でゴッホの<ひまわり>を見てひと目で心を奪われ東京で青森の絵の仲間の家に居候しながら「日本のゴッホ」になりたいと言っていました。

    チヤと棟方は弘前のデパートで再会し、棟方がその後新聞で公開ラブレターを送ります。
    そして二人は結婚するのですが、東京へ戻った棟方はなかなか食べられず、チヤと長女のけようを呼び寄せてくれません。

    ところが棟方はとある偶然から、
    柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎の三人に認められ、太平洋戦争を経て「世界のムナカタ」になります。

    ヴェネチア・ビエンナーレのグランプリ国際版画大賞を受賞しました。

    日本のゴッホになる、とあの人は最初言いました。
    だけど結局、あの人はゴッホにならなかった。
    ゴッホを超えて、とうとう世界の「ムナカタ」になったんです。
    「私はひまわり、あの人は太陽」。

    棟方は四人の子どもたちとチヤ子のことをとても大切にしていた愛妻家でした。
    若い頃二人が離れ離れに暮らしたのも棟方が妻子を大切に思うからこそでした。

    チヤ子はチヤ子で棟方の為に、版画で使う墨を磨って、子どもたちに「お母さんは墨の匂い」と言われるほど。
    相思相愛の素敵なカップルでした。



    閑話休題

    この本は出る前から私はとても楽しみにしていました。
    というのも、私の母の実家に(母が産まれる前ですが)棟方は遊びにきたことがあるのです。
    母の実家は東京の阿佐ヶ谷に二軒家を持っていて、隣の一軒を青森出身の人に貸していたそうです。
    この本を読むと、その人物とは棟方の居候していた家の主人で、青森出身の松木満史ではないかと思われます。
    そして、棟方が日展(帝展)に初入選した日、二人が「隣の奥さん親切だから御馳走してもらうべ」と言って訪ねてきて母の母(私の祖母)が御馳走すると、「ワァは、世界のムナカタになる」と言い、「奥さん紙をください」と言って何枚も墨絵を描いて残していってくれました。
    そのうち何枚かは、私も家にあったので(母は上の姉二人を乳児の時に亡くした一人っ子です)実物を見たことがあります。
    でも、その絵もうちに置いておくより棟方の好きな方にお譲りした方がいいということで売ってしまいました。

    最後の一枚だったふくろうの墨絵の写真を私のXにポストしておきますのでよろしかったら御覧いただければ嬉しいです。(私のXには私の本棚からすぐ入れます)

  • 「我(わ)ぁ、日本のゴッホになる!」そう言って、美の世界に魅入られた青年を、一生支え続けた妻のチヤさんの視点から語られた棟方志功の物語。

    1930年代、棟方一家は、野草のお浸しや煮付けのみの食事に甘んじながら、精力的に製作活動をしていた。 

    1936「大和し美わし」で、棟方志功はバズる。単なる版画ではなく、佐藤一英の「詩」を、絵巻物として彫ったのである。文字も絵の一部だった。

    これを見つけて、柳宗悦は「(駒場の)日本民芸館を作る時に、これを買い上げたい。」と伝える。陶芸の濱田庄司、河井寛次郎らとも知り合う。日本の民芸にある「美」があると、彼らは棟方志功の版画の中に「手仕事の美」を見出したのである。

    その同じ思想の展示物が、実は岡山県倉敷市大原美術館の東洋館にある。まさにここには、濱田、河井、富本憲吉、バーナード・リーチと共に、棟方志功の展示コーナーがあるのである。民芸館を援助した大原孫三郎が彼らの作品を倉敷に持ち込んだのは当然だ。何故ここに棟方志功がいるのか、初めてわかった。

    バズったあと、棟方志功は全長10メートルの大作を思いつく。「面白いなあ!」と驚いてくれる仲間もいたが、柳宗悦は喜ばなかった。対象の本質に迫っていなかったためである。棟方は意気消沈する。柳宗悦は日本にゴッホを紹介した人物でもあり、棟方にとっては師であり父親だった。
    この作品ではないけど、倉敷国際ホテルにある大作を私は思った。コロナ特別割引で同ホテルに泊まった時に、ラウンジにあるこの作品に、私は驚愕した。「大世界の柵(坤) 人類より神々へ」だ。このホテルのために描いた棟方志功史上最大級の板画らしい。人類の生誕と死を、肯定的に受け止めて、人類の幸福と平和を願っている。悔しいけど、ホテルの中にあってこその板画だと思う。

    俳優朗読本の第3弾。最後の最後まで、まるでネイティブの津軽弁で語られる渡辺えり版の棟方志功伝(実際には彼女は山形出身なので、イントネーションには苦労したらしい)。昔気質(かたぎ)の夫婦愛物語だった。

    • ナオさん
      kumaさん、こんにちは
      いつも有難うございます。
      先日、東洋館に行ったばかりで、
      奥様の視点から語られた物語に心惹かれます。
      kumaさん、こんにちは
      いつも有難うございます。
      先日、東洋館に行ったばかりで、
      奥様の視点から語られた物語に心惹かれます。
      2024/04/14
    • kuma0504さん
      ナオさん、こんにちは(^^)。
      東洋館いったんですね。陶芸や棟方志功好きな人ならば、テンション上がりまくりだと思います。私はそれほどではない...
      ナオさん、こんにちは(^^)。
      東洋館いったんですね。陶芸や棟方志功好きな人ならば、テンション上がりまくりだと思います。私はそれほどではないのですが、それでも地元なので過去数回訪ねていますが、どうして陶芸館に棟方志功が居るのか、ずっと疑問だったんです。今回、やっとわかりました。

      ただこの前行った時に1番テンション上がってのは、その奥に中国の甲骨文字などの発掘遺物があったところだったんですけどね。
      2024/04/14
    • ナオさん
      東洋のゴッホに初めて会えました。
      色づかいも豊かで、また見てみたいです。
      大原美術館にはこんなに名画が揃っていたのかと、
      しかも観る者と絵と...
      東洋のゴッホに初めて会えました。
      色づかいも豊かで、また見てみたいです。
      大原美術館にはこんなに名画が揃っていたのかと、
      しかも観る者と絵との距離の近さに驚かされました。東洋館、民芸館合わせて素敵な時間を過ごすことが出来ました。
      2024/04/14
  • 行ってきました、大原美術館に ⁽⁽(◍˃͈꒵˂͈◍)⁾⁾⤴⤴
    原田マハさんの『楽園のカンヴァス』や『〈あの絵〉のまえで』に登場する倉敷美観地区の一角をなす、大原孫三郎さん設立、日本初の私立西洋美術館です
    蔦に覆われた外壁、その中にある古代ギリシャ・ローマ神殿を思わせる洋館の佇まいを見ただけでワクワクしました

    同館には今作の主人公、棟方志功の展示室が併設されているので、この機を逃す手はない!と、訪れる前に読んで予習しましたദ്ദി˙◡・)

    日本の自然な素材を生かした板画家、棟方志功の生涯を妻の視点で描いた原田マハさんのアート小説
    著者自身も子供の頃、ドラマで渥美清さんが扮した彼を好きになり、実際にお父様と同館で作品を見られたそうですね

    彼の才能と妻の大きな支え、そして柳宗悦らとの運命的な出会いが彼の人生を変えていきます
    「白樺」のゴッホのひまわりに憧れ、ゴッホを追いかけ、いつの日かゴッホの向こう側を目指し始めていた…
    ラストは、彼の行動に思わず微笑んでしまいました(*´˘`*)♡


    同美術館で棟方夫婦の苦楽や色々な思いを知った上で作品を鑑賞出来た時間は、格別でした。✧。・゚

    ああ、この作品も彼は顔を板すれすれにこすりつけ、這いつくばって全身で板にぶつかって描いたのだなあ
    ああこれが作中にも出て来る版画巻か、なるほど
    色付き版画は、墨の黒と明るい色彩のコントラストがねぶたの世界を想像させ、予想外に明るく綺麗なんだなあ

    目の前にある作品と本の世界の間を行ったり来たりしていたので、誰よりも長く展示室に居座っていました(๑´ڡ`๑)Շ^✩


    今作を読まずに見学していたら、ここまで満喫出来なかったのは言うまでもありません
    『美しき愚かなものたちのタブロー』と同様、今回も二度美味しい思いをさせて頂き、マハさんに感謝です(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾ᵖᵉᵏᵒ

    因みに海外のお目当ての作品ଘ(。•ө•。)ଓ⁾⁾も、貸出中ではなく見れたので良かったです
    ずっと行ってみたかった大原美術館
    念願叶って充実した時間を過ごせました♡

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      1Qさん、ごめんなさい、笑ってしまいました
      (ノ*>∀<)ノ♡
      いやいや、そうなんですよ、場所がメインの川沿いであまりのど真ん中過ぎて、まさ...
      1Qさん、ごめんなさい、笑ってしまいました
      (ノ*>∀<)ノ♡
      いやいや、そうなんですよ、場所がメインの川沿いであまりのど真ん中過ぎて、まさかまさかで私もビックリでしたよ
      洋館なのですが、建物の割に門が民家と変わらず小さく、表札?も目立たなくて蔦の葉で少々隠れていたし…
      意識していなかったら、気付かないと思いますよ^^;
      2024/05/16
    • kuma0504さん
      K村さん、
      ようこそ大原美術館へ。
      GWなので、どこまでゆっくり観れたかは疑問ですが、西洋画は真ん中の椅子に座ってうたた寝しながらゆっくり観...
      K村さん、
      ようこそ大原美術館へ。
      GWなので、どこまでゆっくり観れたかは疑問ですが、西洋画は真ん中の椅子に座ってうたた寝しながらゆっくり観るのがお勧めです(←私だけだ!)。

      常設展示なので、十数年に一度訪れて、時が止まった絵の前で、時が過ぎた自分を振り返るのもまたおつですよ♪
      2024/05/18
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      kumaさん、地元ですよね〜
      いいな、いいなあ(*´˘`*)♡
      G.Wを外して平日行ったので、ゆっくり見れましたよ
      西洋画の真ん中の椅子!
      ...
      kumaさん、地元ですよね〜
      いいな、いいなあ(*´˘`*)♡
      G.Wを外して平日行ったので、ゆっくり見れましたよ
      西洋画の真ん中の椅子!
      あれは良いですよねദ്ദി˙◡・)色々な意味で
      私すぐ座ってしまいます笑
      うたた寝もしてみたいです゚°(ㅎωㅎ )ウトウト
      もしまた倉敷に行けたら、kumaさんのレビューにあった倉敷国際ホテルの板画も見てみたいです
      2024/05/18
  • 待ちに待ったマハさんのアート小説、マハ作品累計35作品(36冊)目の読了です♪

    3年振りの長編アート小説、マハさんが選んだのは世界に誇る日本の版画家「棟方志功」!!
    いやぁ~シブイ( ー̀֊ー́ )

    「風神雷神」の俵屋宗達以来の日本人。
    しかも、絵画ではなく版画です。

    版画→浮世絵→ゴッホ→ひまわり→棟方志功

    この繋がりは( ๑"・・)ヤバイ...

    で、そんな棟方志功を主人公としてド真ん中に置かないのがやはりマハさん。

    本作では棟方の妻であるチヨの視点で描かれていますが、昭和の肝っ玉母ちゃんって感じではなく、けなげなんです。
    でも、しっかり芯は通ってる。

    まさに感動作(*´ω`*)

    昨年、訪れた青森。
    日程的に棟方志功記念館へ足をのばせなかったのが悔やまれます(> <)

    <棟方志功>
    日本の版画家であり、1903年に青森県で生まれ、1975年に東京で亡くなりました。彼は特に木版画の分野で知られており、その作品は日本の伝統的な美を現代的な感覚で表現したものとして高く評価されています。棟方志功は、版画を「板画」と称し、木版の特性を生かした作品を多く残しました。また、墨書や「倭画」と名付けた肉筆画も制作しています。

    彼の代表作には「二菩薩釈迦十大弟子」や「湧然する女者達々」などがあり、1956年にはヴェネツィア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞しています。棟方志功の芸術性と人生は、多くの人々に影響を与え、今もなお語り継がれています。彼の作品や生涯を紹介する棟方志功記念館が青森にあり、彼の文化勲章受章を讃えて設立されました。





    原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に!


    「ワぁ、ゴッホになるッ!」
    1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
    しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
    そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。

    墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
    感涙のアート小説。

    著者について

    1962年東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。12年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。17年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。著書に『暗幕のゲルニカ』『サロメ』『たゆたえども沈まず』『美しき愚かものたちのタブロー』『風神雷神 Juppiter, Aeolus』『〈あの絵〉のまえで』『リボルバー』など。

  • ゴッホの「ひまわり」に魅せられた青森の青年が、日本のゴッホになる事を夢見て、、やがて「世界のムナカタ」と呼ばれる芸術家になるまでの物語。

    無知で恥ずかしいけど、棟方志功さん、知らなかった〜…///(> <⸝⸝⸝)
    有名な版画家さんなんですね。
    検索して棟方さんの作品を見てみると、知ってるような、知らないような。
    なぜか懐かしさを感じる、温かくてダイナミックな、めっちゃ味のある作品だった。

    棟方の妻であるチヤの目線で語られる物語。
    今回はミステリーの要素はなく、とても温かみのある内容だった。

    芸術家や学者さんて、一心不乱に一つの事に没頭し突き詰める方が多い印象。
    棟方もそんな一人で、純粋で、向こう見ず。
    どうしても、家庭は二の次になってしまう棟方に振り回されながらも、墨をすり、彼を支えぬいたチヤがほんとに素晴らしかった✩︎⡱
    まあ私なら発狂ものだな笑

    とてもいいお話でした♪
    朝ドラでやってほしいな〜!
    やっぱりマハさんのアート小説は面白い♡♡










    • mihiroさん
      あいちゃ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      私なんて名前すら知らなかったよ〜笑笑

      いやいや、あいちゃんは全然ズボラじゃないと思うよ♡家族思いだ...
      あいちゃ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      私なんて名前すら知らなかったよ〜笑笑

      いやいや、あいちゃんは全然ズボラじゃないと思うよ♡家族思いだもん♡
      昔は旦那さんに尽くす奥さんが多かったんだろうな〜!これ読んで尊敬しちゃったよ。。
      でも私は尽くされたいな〜〜ゞ(≧ε≦*) 爆笑

      私も久々のマハさんだったけど、とっても良かったよ(*^^*)
      あいちゃんもぜひぜひ♡♡
      2024/04/25
    • mihiroさん
      一休さ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      おぉ〜♪そうなんですね〜♪
      久々のマハさんのアート小説でしたが、とってもあったかい気持ちになれましたよ...
      一休さ〜ん٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °
      おぉ〜♪そうなんですね〜♪
      久々のマハさんのアート小説でしたが、とってもあったかい気持ちになれましたよ〜♡
      また読まれたら、感想楽しみにしてまーす\♡︎/
      2024/04/25
    • 1Q84O1さん
      久々のアート作品なんですね!
      ((o(´∀`)o))ワクワク
      了解しましたー!
      久々のアート作品なんですね!
      ((o(´∀`)o))ワクワク
      了解しましたー!
      2024/04/25
  • 子どもの頃、渥美清さんが扮する棟方志功さんのドラマを観た。十朱幸代さんが共演して。特に忘れられないのは、棟方志功さんがふすまに絵を描く場面。大人がこんなことするんだとビックリしたのかもしれない。
    そのドラマ『おかしな夫婦』を小学生だった原田マハさんも観ていたという。『男はつらいよ』が好きなところもおんなじで嬉しくなる。

    この小説、『板上に咲く』は妻チヤの視点で書かれている。棟方志功さんが全身全霊で絵師、彫師、摺師の全部を行う姿を見守っている。ほれぼれしながら。

    絵巻物の「大和し美し」が、認められる場面、絵の大家が棟方志功さんの家を訪ねた場面が面白い。妻チヤの機転、ユーモアに思わず笑ってしまう。圧巻は、京都にゴッホの絵に会いにいった時に起こった出来事。熱いものが込み上げる。

    1941年太平洋戦争。棟方志功さんは富山に疎開している。東京を離れた棟方家も東京大空襲を避けることは出来なかった。

    クライマックスはさらにいい。

    いつもはノンフィクション1割、フィクション9割のマハさんが、今回は逆らしい。

    芸術に対して熱い棟方志功さん。子どものように濁りのない澄んだ目をもつ棟方志功さん。彼は、父としても夫としても人としても熱い。限りなく魅力的な人だ。

    もしもの分かれ道で最善の道を選ぶ。

    久しぶりのマハさん、やっぱり素敵だ。

    • yyさん
      まいけるさん、こんにちは。
      マイケルさんのレビュー、素敵です☆彡
      今回はノンフィクション9割なんだ。
      ゴッホに比べたら、生前の情報が集まりや...
      まいけるさん、こんにちは。
      マイケルさんのレビュー、素敵です☆彡
      今回はノンフィクション9割なんだ。
      ゴッホに比べたら、生前の情報が集まりやすいですよね。

      ところで、渥美清さんと十朱幸代さんのドラマがあったんですね。
      渥美清さんなら雰囲気があっていいかも…。
      観たかったなぁ♪
      2024/04/24
    • まいけるさん
      ありがとうございます。
      私のレビューにふれてくださり、恐縮です。
      めったにないことなので素直に嬉しいです。

      かなりむかしのドラマだし
      当時...
      ありがとうございます。
      私のレビューにふれてくださり、恐縮です。
      めったにないことなので素直に嬉しいです。

      かなりむかしのドラマだし
      当時子どもだったのに
      覚えているということは
      渥美清さん十朱さんの演技力だけでなく
      棟方志功さんの強烈な個性のせいかもしれません。
      わたしももう一度観たいです!
      2024/04/24
  •  原田マハさんのアート作品を読む度に、文字表現の絵を実際に観たい、美術館に行きたいと思わせてくれますね。そこがマハさんの筆致の素晴らしさであり、大きな魅力なんですね。
     本作は、版画を芸術の域へ高めた棟方志功の半生を、妻・チヨの視点で描いたアート小説です。

     全編を通じて、棟方志功が真っ直ぐで優しく、誰にも気さくな人物として、生き生きと描かれています。貧困や苦労の連続だったのですが、登場する周りの人は皆いい人で、周囲に愛された志功‥。最後まで清々しいまま読了できました。

     結局マハにハマり(ん?意図せず回文ダジャレ)、スマホ片手に画像検索しながら読むハメになりました。欲をいうと、途中に図録があってもいいのでは?などと思ってしまいました。尚更か、やっぱり現物を観たい!と強く思わせてくれます。

     スマホ検索で驚愕! 「棟方志功記念館が本年3月31日で閉館!49年間に感謝」の一文が‥
     何ですとー! どういうタイミング? ガックシ。
    でも、「所蔵全作品と資料を青森県立美術館へ移し、引き続き展示。展示面積が記念館の約2倍で、7月6日からの常設コレクション展でリニューアルオープン予定」とのこと。やっぱり行ってみたい!

     漠然としか知らない棟方志功作品も、その背景や込められた思いを知ると、やはり全然印象が変わります。原田マハさんの作品への愛情・棟方志功への想いがあふれた作品でした。

  • 強烈な津軽弁と生活苦の内容が暗すぎて、前半は中々読み進めが出来なかったが、柳宗悦先生達に認められて上向いてからは一気に読めて行った。
    棟方志功の妻チヤの視点からの物語だが、棟方志功の版画に掛ける情熱が迸り、チヤが霞むほど。
    序章と終章のみ昭和62年だが、本編は戦中の昭和20年で終わっている。戦後に世界で認められた棟方志功をもっと読んで見たかった。

    • yyさん
      浩太さん、こんにちは。

      この本、発売日に図書館にリクエスト予約を入れて待っているところです。
      まだ図書館のHPで購入になっていないの...
      浩太さん、こんにちは。

      この本、発売日に図書館にリクエスト予約を入れて待っているところです。
      まだ図書館のHPで購入になっていないのと、私の前に一人、素早くリクエストを入れた人がいて、手もとに届くのは先になりそうです。
      原田マハさんの新刊というので楽しみにしているのですが、ちょっと暗くて読みにくそう…ですね。
      棟方志功さんの生い立ちを考えると、明るくルンルンではないと思うけど。
      浩太さんのレビューのお陰で、心構えを持って読めそうです。
      2024/03/30
    • 浩太さん
      yyさん いつもありがとうございます。
      近所のコミュニティハウスに偶々置いてありました。借りるのは二番目でした。予約が出来ないので、何度も行...
      yyさん いつもありがとうございます。
      近所のコミュニティハウスに偶々置いてありました。借りるのは二番目でした。予約が出来ないので、何度も行かないといけないのが難点です。
      内容は、最初は暗いです。棟方志功が友達の家に居候を続けるのですが、奥さんと乳飲み子が待ちきれずに青森から出てきて3人で居候。それでまた妊娠して•••。芸術家は売れるまでが大変ですね。

      2024/03/30
  • 原田マハさんの久しぶりの芸術家シリーズ。
    かつてのモネやゴッホを描いた作品が彷彿とさせられます。

    貧しく、先の見通しが立たない過去。
    地を這うような苦労をした棟方夫妻ですが、一貫して、先の光を信じて疑わない ゆるぎない強さを感じました。

    まだ誰の目にも止まらない版画家だった棟方志功さん。
    彼の才能を見いだす人物に出逢うのは、ちょっとした偶然でした。
    団体美術展 出展準備の仕事を請け負った時のこと。
    稼がなくてはならなくて引き受けた仕事でしたが、その場で偶然廊下を通りかかった人物との出会いが 彼の作品を世に出すきっかけになります。
    生きているうちに才能を認められる芸術家は本当に幸せです。
    東京大空襲の時も、ほんの少しの時間のいたずらが妻のチヤと彼の作品を救います。
    そして何より、故郷の青森で、チヤという最大の理解者となる妻と偶然出会ったことは、棟方志功さんの何よりの幸運だったと思われます。
    最初と最後を飾るのが、棟方志功の妻、チヤの語り。
    志功さんへの尊敬の念と愛情があふれています。

    ゴッホに憧れていた棟方志功さん。
    油絵より格下と思われていた版画で「世界のムナカタ」と評価されるまでになり、ゴッホを越えていきます。
    唯一無二の存在として他の追随を許さない棟方志功の存在そのものに、日本人として誇らしいものを感じます。

    読む前は壮絶な内容かと想像していたのですが、読んでいて温かい気持ちになりました。
    努力を惜しまない才能には、神さまが救いの手を差し伸べるのですね、きっと。
    そして、いつだったかテレビのドキュメンタリーで観た 棟方志功さんの子どものような屈託のない笑顔がふわっと浮かびました。
    ああ、マハさんだ!と思わせる素敵な作品でした。

    • yyさん
      ハッピーさん、こんばんは☆。.:*・゜
      ちょっとね、こわごわ 読み始めたんだけど、最後はほっこりしましたよ。

      大原美術館に行かれるのね。
      ...
      ハッピーさん、こんばんは☆。.:*・゜
      ちょっとね、こわごわ 読み始めたんだけど、最後はほっこりしましたよ。

      大原美術館に行かれるのね。
      いいですね
      2024/04/27
    • yyさん
      楽しんできてくださいね
      ♡°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
      楽しんできてくださいね
      ♡°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
      2024/04/27
    • yyさん
      楽しんできてくださいね
      ♡°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
      楽しんできてくださいね
      ♡°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
      2024/04/27
  • 〈 「ワぁ、ゴッホになるッ!」
    1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
    墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。〉

    原田マハさんのアート小説はやはりすごい
    引きこまれて一気読み

    昔、倉敷の大原美術館で壁面に並んだ版画に圧倒されたことをありありと思い出した
    弱視のため板に覆いかぶさって彫る志功の映像を見たこともある

    表紙カバーをめくると現れるお釈迦様のお弟子たち
    ユニークで今にも動き出しそうだ

    妻チヤの目線で描き切られたストーリーが何んとも切なく、力強く、そして愛しい

    ゴッホをこえて「世界のムナカタ」がうまれた

    その過程を堪能させていただきました

    ≪ 板上に いなづまのごと 血の花を ≫

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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