- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344042636
感想・レビュー・書評
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ミステリーなのだが、謎解きよりも女政治家というテーマで心に突き刺さるお話だった。この国が一番先に変わらなければならないのは、こういうところなのでは。
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男と女。同じ土俵に上がれなくても、同じ舞台に立とうとする意地と根性と気迫に満ちた作品でした。かと思いきや同じ土俵なんてまっぴらごめんとばかりにしなやかさとしたたかさで突き進んでゆく軽やかさもあり、グイグイ読めます。
男だからとか女だからとかいうものを取り払えない忸怩たる思いを引きずって、それでも這い進んでいこうとするどうしようもなさがしんどくもあります。でも根底にある誰かのためでなく自分が知りたい、納得したい、変えたいという情熱、「憤慨して」いるのだ、怒っているのだと声を上げるエネルギーに元気をもらいました。高月さんにバシッと背中を叩いてもらいたい!
国会のマドンナ"お嬢"の死の真相を軸に謎に迫っていくミステリ要素にもあぁっ、というラストが待っており大満足の一冊でした。
#プルーフ -
多作の新川帆立さんの中でも、代表作になるのではないかという一冊。ミステリーでありつつも、ジェンダーや政治参画、格差社会といった様々なテーマが内包されている。
物語は主に4人の女性の視点から進められていく。野党国会議員の高月、その新米秘書の沢村、新聞記者の和田山、地方議員の間橋という、立場も住む場所も違う女性たちが緩やかに連帯していく。そのきっかけとなるのは、「お嬢」と呼ばれる与党マドンナ議員の不可解な死からだ。
国会議員、政策秘書、新聞記者、地方議員、、と、政治を取り巻く職業はすべからく男性中心社会である。とくに高齢男性による年功序列が徹底されているため、現状維持や異分子排除といったバイアスが働き、結果として衆議院では女性議員が10%以下、地方議会でも15%程度とマイノリティになっている。
出色なのは間橋が国会議員への出馬を決意するシーン。それまでは地方議員で目の届く範囲でゆったり暮らしながら身近な地域を良くしていきたいと考えていたが、お嬢の遺志を知ってそれを自分事として捉えはじめ、選挙に挑んでいく姿は圧巻である。そういえば裏垢の伏線は回収されなかったな。 -
ブクログピックアップで「統合失調症の一族」という題名に目が留まり、その流れでこちらの本にも。
前者は海外のノンフィクションの話らしく大体のあらましは理解したものの、細かい内容と最後に少し読み取れるという救いを感じる結末というのが気になって読もうかどうかと迷い中。でも直訳調&暗い内容で読むのが大変そう、、、、実際興味本位で読みだしたことを途中後悔したという人の感想もある(笑)
迷いの中で目にしたこちらは、エッセイか揶揄した小説かと思いきや、まさかのミステリ×政治モノらしい。そういう意味では多少重かったとしてもこちらの方が気兼ねなく楽しめるのかな、、、
そう迷う中で目に留まった「同志少女よ敵を撃て」は大分前にその存在を知って一旦は借りたものの時間のなさから読めずに返した本だったな。
とりあえず三冊くらい候補があれば、一冊くらいは実際に読破する、、、かも? -
永田町では本当にこのような世界が繰り広げられているのではないかと思うほどリアルであった。法案なんて国民というよりも自分のため、本音なんか言ったら負け、自分には勤まらないだろうなと思いながら読んだ。テンポの良さ、先が気になる感は新川さんのいつも通りの作風で楽しく読めた。まさかのラストには、いつも以上にびっくりした。
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政治家や新聞記者といった男社会で働く女性が主役の話し
女性視点の様々な奮闘があるが何より男性女性に関わりなく仕事に向かう姿勢に共感でき自分も頑張ろうと思える本だった。
結末の意外性もあってかなり楽しめた。 -
男性社会の中で、仕事を頑張っている女性たちを主役に描く。
さすが新川帆立さん
面白くて一気に読みました。
議員、政策担当秘書、記者。
女であるだけで、男より苦労が多いと思う。
豊田真由子さんがあんな言動するようになったのも
なるほど、こういう世界だから
負けないようになのかな、と思いました。
現在活動されている皆さん
頑張ってください!