償い (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403772

感想・レビュー・書評

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  • 12年前に命を救った子供が連続殺人の犯人なのか?
    過去に医者としてエリートだった主人公が家族を失いホームレスとして彷徨っていた時に出くわした連続殺人の犯人を、真実を探す感動のミステリー、、、、 個人の感想としてわ、エピローグをもっとしっかり書いて欲しかったなぁ〜(-_-)

  •  子どもの病死、妻の自殺、自身の仕事上の過ちにより絶望し、ホームレスになった医師が探偵役となり、ある郊外の街の連続殺人事件を追う。ところが、かつて主人公が命を救った少年が犯人ではないかとの疑惑が強まり……。
     書店発のベストセラーとして、すでに数十万部を売り上げているそうだ。「感動の長編ミステリ」と惹句にはあるが……自分としてはどうにもノレなかった。いや、もとより「感動の長編ミステリ」というのが自分向きとは思えないのだが。
     うーん、トラウマからの回復がテーマとなるのだが、その使い方が陳腐というか、なんだか「よくある話」を脱していない気がする。

    <同類をそんなふうに無惨に殺せる生き物はヒトだけだ。ヒトの遺伝子には、「遊び」とともに「邪悪」という文字も刻みこまれているのだろうか。>
    <「人の肉体を殺したら罰せられるけれど、人の心を殺しても罰せられないんだとしたら、あまりに不公平です」>
    <「心に受けた傷がいつか癒えるなんて、どうして断言できるんです。心だって、致命傷を受ければ、死にます。死んでしまったら、決して蘇りません。肉体も心も同じ材料でできてるんじゃありませんか。」>
    <僕は、ヒトという動物がどうして余分なものをいろいろいろいろ身につけてしまったのか、不思議でならないんです。(身につけたものによってヒトは)なにを得たんでしょう。失うことへの不安、得られないことへの不満。仏陀はヒトの苦を誕生、老い、病、死に分けたけれど、それもこれもヒトが人になったために生じたことでしょう。ボノボやチンパンジーのように、ヒトも適当なところで知性の発達をとめて、生まれ故郷から出てこなければよかったんです。>

     というあたりに共感できるかどうかが、この物語に「感動」できるかどうかを分けると思う。
     自分としては、チンパンジーのボスが交代したとき、新ボスは旧ボスの子どもを、母親から奪って地面にたたきつけて殺すという話を思い出す。動物や子どもは純粋で、ヒトや大人は不純だというのは「神話」だと思っている。それに、「心の傷というのは他人から見てわからない」とは本文にもあるが、人はとりわけ「自分の」心の傷を過大に評価するし、ささいな傷であってもどんどん自分でむしって傷口を広げたがる人もいるよなぁ。オレがこういう人間だから、あんまりノレなかったのかなぁと。

     好きな人は一定数いると思うし、「感動の」なんて惹句がつく話はそもそもオレの守備範囲じゃないし。この小説のできそのものをどーこーというより、これがベストセラーになる構図のほうが興味深い、と思う。
    (2008年09月20日 )

  • 主人公の36歳の医師は、子供の病死、妻の自殺、患者の死を全て自分の責任と思い、私財を投売りホームレスになる。
    ホームレスとなり町を転々とする内、彼は一人の少年と出会う。
    彼はかつて主人公が偶然出くわした幼児誘拐犯から救った少年。

    やがて、その町で連続殺人事件が起こり、主人公は少年が犯人ではないかと疑う。
    なぜなら被害者は皆少年となんらかの形で接触していて、少年は心が悲しんでいる人は死んだ方がいいのだという自分なりの考えを彼に語っていたから。
    事件の目撃者である主人公は、その事件の容疑者として警察に連行され、そこで親しくなった刑事に、事件の真相を探って欲しいと依頼される。

    元医師のホームレス、かつて誘拐された少年、弱者ばかりを狙う連続殺人事件と興味をそそる内容で、面白そうと思って買ったのですが・・・。
    これは読むのにすごく時間がかかりました。
    ちょっと読んだらすぐ寝てしまうからです。

    作者が言いたいことは早くから分かったのですが、どうも話の設定に無理があるので読んでいてしらけてしまいました。
    責任を感じて医師がホームレスになるという設定も、犯人の動機もイマイチ納得できず、少年の心情も細かく書かれていない。

    私のこの本を読んでの感想は、心が傷ついてもそれが目に見えないのが恐いという事です。

  • ・あらすじ
    たぶん償う。
    ・かんそう
    これ、俺にはあわん。途中リタイア

  • なんのヒネリもない推理モノ。実家から持ってきて、通学時にちょこちょこ読んで、ラスト1/3を斜め読み。

  • 妻と子供を失った絶望から
    ホームレスになった36歳の男が
    流れ着いた街で殺人事件に
    巻き込まれる。

    感想
    ホームレスが“きれい”すぎます。
    内容もまあ、ありきたり。
    どうしてもヒマな方、オススメです。

  • [あらすじ]
    ホームレスが探偵きどりで事件を解決していくお話。
    どんどん巻き込まれていくが、かつて命を救った15歳の少年に出会う。
    その少年が犯人だと疑い始めるが・・・。
    [感想]
    「人の肉体を殺したら罰せられるけれども、人の心を殺しても罰せられないんだとしたら不公平だ」 
    「他者の心を傷つけた人間は、どうやって裁かれるべきなのだろう」

    この本で一番言いたいことはこんな感じでしょうか。
    言っていることは重い言葉なのに、ぜんぜん響かない。
    作中に出てくる人たちは皆、不幸な人ばっかりで、メリハリがない。

  • 一人のホームレス。自分がホームレスとなった原因を心から追い出し、名前の無い、ただの男として生活しようとしている。
    身の回りで起こるいくつかの殺人事件。偶然出会った少年は、男が過去に命を救った赤ん坊だった。少年に対して親のような心境になり始めた男。
    だが、少年と親しくなればなるほど、疑いも生まれてくる。。。

    話がとっ散らかりすぎる気がしました。何をもって「償い」と冠したのか、消化不良です。

  • 最後が中途半端で伏線放置しまくりだし主人公がうじうじするのにページ使いすぎだし美少年(笑)は薄っぺらいキャラだし、はっきり言って駄作でした。そもそも最後に遺書で全部解決はミステリーとしてもひどい。がっかり。

  • んー
    何が償いなんかあんまよーわからんかた。

    あの少年もあんま好きと違う。

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