- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344405158
作品紹介・あらすじ
都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、"本当の自分"を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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最後の章まで読むと、え?ってなる。
他人の事は理解できても自分の事はよくわからなかったりする。
自分ってこんな人間です。ってほんとは違ったり…
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オチは全く知らずに読み始める。
シェアハウスの人間関係ってこんな感じかー自分の寮時代とは違うけどこういう生活もアリだなー思いながら最終章に入る。
結局、他人の知ってる部分は一部だし、自分のことも自分で分からないのかもしれない。 -
出張中の仙台で読了。
こんな結末なのか?と思いつつ、解説を読むと、もう一回読んだ方が良さそうだ。、 -
読み返したいと思った初の小説。
「パレード」というタイトルから漂う、楽しいだけではない、どこか暗く、不気味で、ヤケクソな感じが良い。 -
今時な若者の群像劇かと思いきや、最終章こわっ。
え?なにこんな話だったっけ?
時系列・・・。
いや、このつかず離れず感こわいね。 -
描かれたのは、現代版の酒池肉林だ。
シェアハウスという薄くもなく濃くもないうわべだけのつながりの中でふわっと無責任という優しさに包まれて生きていく5人の物語。読者は否応なしに6人目の同居者として、ここに参加させられる。
居心地の良さと悪さを短いスパンで交互に感じる空間だったな。
だがこれも一つの癒しの形なのだろうか?何を持って「癒し」とするのか、「癒し」を定義することの難しさがここにある。
シェアハウスでの私の姿(役割)を押し通し続けることで成立する集団としての黙過。黙過とは、バランスのために必要な機能なのだろう。共創造される黙過はどこか優しい。見て見ぬふりをすることで襲われる自身への責任追求が分散されるからだろうか?無責任さを対価に他者と溶け合い融合することの心地よさ…
ただ、この優しさはやはり毒だと思う。例えどんなに苦しく、生きるのに必要だったとしても。温かく優しい毒は、精神の骨の髄まで溶かしきる。その先にあるのは考えることを放棄したブヨブヨの肉塊だ。どうあがいても好きにはなれない。これは現代版の酒池肉林だ。
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1回目読んだ時は怖さは感じずに逆に他人に深く踏み込まない優しさを感じたが、2回目は少しだけ怖さを感じた。自分の領域を侵されない限り犯罪者にも他人に寛容的な現代の若者を描いた作品。登場人物が皆キャラが良かった。良介は世之助に似ていて好きな人物だった。
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おもしろすぎて2日で完読。しかしこわーい!涙 まさに『悪人』を執筆した吉田修一の本という印象。ありふれる日常の中の、見えにくい人間の本質を暴いているようで面白かった
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最後、怖っ!
えっ?そういう話だった?
相手に合わせて自分を演じるのは、彼らにとって無理のない、割と自然なことなんだろうな。
いやー。知ってるけど知らないフリでいいの?ってレベルだと思うんだけど。表面的で平穏な毎日を続けることが大事なんだろうね。