燃えつきるまで (幻冬舎文庫 ゆ 1-9)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 257
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344406513

感想・レビュー・書評

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  • ある書店でかわいいブックカバーが欲しくてタイトルも内容も誰が書いたかも知らずに購入。
    久しぶりにどっぷり恋愛小説を読んで、しかもなかなか重い、けど怖いもの見たさで?気になって読み進めてしまった。
    恋愛が日常を多くを占めたことがある人は共感できるけど、今恋愛真っ只中のひとはきっとしんどくなるから、そんなこともあったなと客観的に読める主人公より少し大人の人におすすめです。

  • 「別れないか。」の一文で始まり、
    それを受けて恋人関係解消となった女性の葛藤を延々と描く。

    たったこれだけなのにもかかわらず、約300ページを一切退屈することなく一気に読ませてしまう本作に驚愕。

    本作は主人公(女性)の目線でのみ描かれており、
    最初から最後まで完全に彼女の主観によるものとなっている。
    つまり、相手の男性側の心情部分などは一切描かれず、あくまで「彼女から見た相手の言動」のみとなる。

    そのような点もあり、
    読者が男or女でそれぞれ感想が割れるポイントとなると思う。

    恋人との仲が破局になった時に一般的には、
    男性はズルズル引きずり、
    女性は最初こそドン底に落ちるが比較的早く立ち直りスッパリと次に向かう、、、などと言われるが、
    本作は上記には当てはまらずに、
    男性は早い段階で次に向かい、
    女性は全く立ち直れずに長いどん底状態が続くと言った状態となる。
    (女性がフラれた側なので当然と言えば当然かもしれないが)

    そんな状態の彼女の心情や行動は時として一定のラインを越え、自分よがりな言動や危険な行為にまで及ぶが、
    その様を見て、
    「わかるわかる」
    「自分も一歩踏み間違えればそうなるかも」
    といように理解できる点もあれば、
    「身勝手すぎる」
    「別れた相手に何かを求めるなよ」
    というような考えになるポイントも多々あった。

    本作はそういった「理解できる点」「理解できない点」をリズムよく繰り返し、読者を夢中にさせる構成となっている。

    本作を読んだ後、
    恐らく男女間で感想が割れるであろうことから、
    同性同士/異性同士で感想を聞き合うのも面白いと思う。

  • 最初はめちゃめちゃ共感で泣けたけど、途中からホラー要素強めで着いていけなくなった。
    でも、最後はやっぱり共感で泣けた。

    私の何がダメだったんだろうとかなんであんな事言っちゃったんだろうとか考えてしまうのめちゃめちゃわかる。

    別れる理由とか耕一郎が言うセリフとか、全てが重なり合ってて、自分が言われたセリフって一般的によくあることなんだって知れて良かった。

    新たに好きな人ができて幸せになりましたという様な綺麗事では無く、ちゃんと現実的な終わり方で読んでいてすっきりした。

    ・人生はこんなはずじゃなかったとの戦い
    ・恋の終わりなんて、所詮はどちらかの理不尽な押し付け。結局、背を向ける者と向けられる者が決まれば、それで全てが終わる。
    ・決して間違えたのではない。出会うべき人にちゃんと出会い、恋すべき人にちゃんと恋した。
    ・たとえ別れてしまっても、出会わなかったことより確かな意味がある

  • 別れから始まる小説。
    失恋と戦う女の人の話。
    なかなか読みがいがあった!
    失恋したら読む。

  • 「良い面もそうでない面も影響を及ぼす」

    恋愛から失恋、取り巻く人間や何より種々の感情が渦巻いている小説

    浮き足恋愛真っ只中!のような場合は
    読んでも何も得られないと思うが、
    多少でもそうでない場合は控えめに読むことを
    進めたい。保証はしないけれど

    今回もまた、残る言葉が多く出てきてしまったなぁ…

  • 淡々と読めるけれど、内容はどろどろ。
    そこまでやるか、そこまでボロボロになるか、と冷ややかな視点で読みつつも、それほどまで愛せる人に出会えたことが羨ましかった。

  • 「別れないか。」
    結婚を約束した、5年越しの彼から、
    不意にそう告げられるところから始まる
    失恋小説。

    読むのが辛くなった。
    でも、投げ出さないでよかった。

    燃えつきるまで
    ちゃんと苦しむ。ちゃんと傷つく。
    法を犯さない程度に
    とことん あがけば、
    きっときっと オンナは上がる⤴︎

    ラストの数行も、凄くいい。
    清々しい気持ちで、本を閉じることができました。

  • 婚約者に振られた。
    理由を聞いても嫌いになったとかではないただもう一緒にはいられないと言う。
    納得はできないでももう彼は決めてしまったことだからもうどうにもできない。
    なんで?なんでそんなに急に気持ちってかわるんだ??
    2年くらい?前に急に振られたことあるけど何が悪いの?って聞いてもなんでもないって言って別れたときの意味不明さとにてた。
    でも私はここまでおかしくなれなかったしそっかぁ〜で終わってしまったので本当の恋愛かと言われたらそうでもなかったのかもしれない。
    ちゃんと結ばれたから正解の恋愛だったとか別れたから偽物の恋愛だったとかはなくてその時付き合ってた時に本当に好きだったらきっと別れてしまっていてもどんな結末になってしまっても恋愛は恋愛なんだろうな。

  • 冒頭20ページで、心を鷲掴みされた。
    久しぶりに一気読みした。
    端的に言うと五年付き合ったカップル別れ話の全貌を女の人が語り手で語ってる小説。
    ちなみに振ったのは男から。
    言葉は違うけど、"私が明日を考える時は、どんなに仕事で失敗しても友達と揉めても貴方がいた”って言葉が、一番刺さった。
    私自身だーって思った。
    明日を考える時必ず側にいる人から、突然別れ話を切り出される。
    その人がいなくなった途端、明日ごとなくなる感覚。容易に想像できた。
    男が言った、"嫌いになったわけじゃない。ただ、グラスに少しずつ水が溜まってそれが溢れたんだ"って、それでしか男女の別れは成り立たないんじゃないかってぐらいしっくりくる。

    今恋人がいる人、失恋した人、仕事に没頭している人、結婚してる人、婚約してる人、いや、全ての生きとし生けるもの、読んで損なし!だと思う!

    はい、ここまでが2019年7月の私の感想でございます。

  • 「決して間違えたのではない。出会うべき人にちゃんと出会い、恋すべき人にちゃんと恋をした。たとえ別れてしまっても、出会わなかったことより確かな意味がある。あんなに耕一郎が好きだったことを覚えていよう。それだけはずっと忘れずにいよう。」
    自分と重なる部分がたくさんあった、報われた気がした。自分はそうならないと思っても、恋をしているときは重くなるし嫉妬深くなる。怜子の行動も怜子が前を向くために必要だったと思う。自分が全てやり切ったと思ったら前に進めるのかな。

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