虹 (幻冬舎文庫 よ 2-9 世界の旅 4)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344406520

感想・レビュー・書評

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  • 20ページくらい読んだら一度読んでる事に気づいた。
    ばななさんの作品はレストランと南の島が多数登場するので頭の中でごっちゃになってしまう。

    読めば面白いけれど、『虹』は結構スピリチュアルな面が押し出されていてちょっともやる。

    自分の生き方に自信を持つのは大いに良い事なんですが、作品にしてたっぷりの自信をみせつけられるとちょっと辟易とする。

    ラストも、え、このタイミングで受け入れるの?都合よすぎって思ってしまった。

    ばななさんの文章は好きだし、そうそう、そうだよねって思うことも多いんですが、ばななさんみたいな人がそばに居たらきっと友達にはならないだろう。

    この作品で一番印象に残っているのはレモン色の鮫だし、きっとその事をばななさんは喜んでくれると思う。

    タヒチ行ってみたい✨原マスミさんのカバーイラストがほんとに素敵だし、それ以外にも作品が載っていてとても良いです。

  • 久しぶりの吉本ばなな。
    メンタルがやられてて、ビジネス本がちょっとしんどいときに読むと良い。
    と感じながら読んでたら、同じような感想の人が多くて嬉しくなった。いろんな人の精神安定剤になってる。
    ラストはいまいちだったけど、キッチンやってNPなんかを読み返してみたいと思った。

  • 《自分以外の人がお湯を沸かす蒸気が部屋に満ちていくのも 、あたたかい感じがした 。》とか《サラダ油の下にしいてある広告の紙さえ 、その折り方に母のたたずまいを感じさせた 。》とか 彼女の文章は「日常の優しい感じ」を発見するヒントに溢れている そして発作的に後戻りできない行動を起こし決意を宣言する 《私の目に涙がにじみ 、もうなにがどうでもいいのだと思った 。真実が将来を切り開くだろう》という風に  

  • 吉本ばななでしか摂取できない栄養素がある。確実に。
    なぜ最近離れていたのか…


    最終的に不倫の話になってしまったのは残念。
    内容というより表現が麻薬的。
    2ページ目から「色の濃いはちみつのようにとろりとした楽しい感じ。」と出できて撃ち抜かれてしまった。

    アムリタだったかで出てきた「グレープフルーツのシャーベットみたいな輝きを持って近づいてくるのを感じる。」的な表現、いまだに衝撃だもんな。また読みたい。

    毎回メンタルが落ち込んでいるときの回復薬になってる。マリカの永い夜、もまた読みたいな。

  • これは好みの問題ですが、表紙以外はいつも心からだいすき。

    上下も関係も複雑な男女
    でも、だからこそ惹かれあったんじゃないかなぁ、と思います。主人公の思春期のような気持ちの伝えようにやきもきしました
    どんな形であれ幸せになれるといいな、猫と植物と。

  • 吉本ばななの作品は、最近のものになるほど前向きになってくるのだろうか。
    アムリタの時ほど、作者もどん底ではなかったんだろうな、どん底からもいつかは這い上がれるものなんだろうな、となんか、安心した。
    もっと最近のも読んでみたいなぁ。
    タヒチみたいなところにも行ってみたい。

  • 海外旅行が縁遠くなって早2年、こういう旅がテーマの小説が身に染みる…
    タヒチの美しい情景と瑛子の揺れ動く心情が繊細に描かれる、吉本ばななワールド。南の島にめちゃくちゃ行きたくなる。私もラグナリウムしてみたい。檸檬色の鮫見てみたい。
    とても好きだったので、同シリーズでドゥマゴ文学賞とった「不倫と南米」も購入!読むのが楽しみ。

  • 面白いけどあまり記憶に残らないかも



  • 異国が出てくるから、というのは関係なく、ばななさんのおはなしは海外に旅をしているような時間の流れを感じさせてくれる。

    舞台はタヒチと日本にあるタヒチレストラン『虹』。





    そう、また来るといいわよ。縁がある土地って、どんどん好きになっていくからね。私も主人がいなくなってもやっぱりまだ来てしまうもの。

    こういう時にふと現れてなんとなく人生に光を与えてくれる存在を、私は天使のようだと思う。よく知らない人なのに縁があってなぜかちょっとだけの時間を深く共有する存在と、たまに出会うことがある。そういう人たちは、何かしら、その時の生き方に関わるヒントを持っている。

    人は旅先ではしょっちゅう子供に戻ってしまう。
    肉体的な疲れでもなく、現実的な疲れでもなく、余裕のある疲れ方をすると独特の感覚が芽生える。それは、世界が今まで思っていたものとまるで違って見えるということだった。すると子供に戻ってあらためて体験するしかなくなる。

  • 読み終わってすぐにまた読み返したくなりました。そして読み返しました。

    飲食店に勤務している主人公は、よしもとばなな氏の他の作品と同様、ちょっぴり変わったバックグラウンドを持っていて、それでもって物事を観察するやり方が少しばかり人と異なる。そんな彼女の目を通して語られる色々な描写が、雑事で疲れ切っている私の心にしんみりと沁みました。

    主人公の、少しだけのろまなんだけど、それを悪しとせずにポジティブに変換していく力に、いくばくかの勇気をもらいました。現実はこんな風にはキレイにならないかもしれないけど、私もこうして自分の決断に胸を張れたらと思いました。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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