学校の事件 (幻冬舎文庫 く 2-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408739

作品紹介・あらすじ

県立吹上高校は教頭も校長もその息子の新任教師も、可愛い女生徒とつきあう体育教師も、事故死した熱心な社会科教師とその妻も、軟式野球部員と監督も、PTAも、生徒会長も、ついでに町の小説教室講師(売れない作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、怪しい輩だった。そんな学校に大量殺人事件が発生!裏には、とんでもない真相が…。

感想・レビュー・書評

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  • 田舎の面白さを書かせたときに、倉阪さんの右に出る人はいないのではないだろうか。田舎の人間の適当さ、身の程知らずからくる謎の自信…でも素直であるがゆえに憎めない。殺人事件の話なのに、どれも犯人に同情を禁じ得ない、人間味あふれる作品だと思う。
    彼の作品を読むにつけ、人とは1人で思考を深めていくと、とんでもない方向に走ってしまうものだと気付かされる。

  • 青山県吹上市。
    この架空の町の学校関係の人々におこった恐ろしい事件の数々を、
    読みやすい文体と表現力で書いた連作短編集でした。

    学校の行事になぞり、
    1学期から3学期までと夏休み、冬休み、春休みの間におこった
    6つの事件がリアルに描かれていました。

    引きこもり教師の起こした殺人事件、
    林間学校を襲撃した40人殺人事件、
    連鎖的におこった殺人事件に町の人は震えあがりますが、
    それが引き金となって、
    次々と人の心の奥底に潜む悪魔が目を覚まします。
    まじめで型物なお面をかぶった教師たちの
    裏の顔があらわれ、第3、第4の事件や殺意へと繋がっていったのです。

    「うつ病」や「ひきこもり」など
    心の病気も学校の先生に多いようですね。
    それだけ職場で御苦労もされているのだと思います。
    でも、そこから、殺意へと発展するのは、
    少し狂っているとしかいえないでしょう・・・

    そんな人間の心の弱さを
    架空の町の1年に凝縮した、こわい、こわい物語でした。

  • 登場人物は色々と繋がってるね。
    舞台は関西?
    表紙が怖い。

    作品の紹介
    県立吹上高校は教頭も校長もその息子の新任教師も、可愛い女生徒とつきあう体育教師も、事故死した熱心な社会科教師とその妻も、軟式野球部員と監督も、PTAも、生徒会長も、ついでに町の小説教室講師(売れない作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、怪しい輩だった。そんな学校に大量殺人事件が発生!裏には、とんでもない真相が…。

  • 上野などを舞台とした作品です。

  • その年の吹上市は普通ではなかった。
    何人もの先生が発狂し、大量殺人事件が起こる。
    最後に向けていろいろ繋がったのはいいけれど
    どうもしっくりこないというか生理的に駄目だというか…

  • 一年間の間に、異常な事件の相次いだ、ある田舎町。
    その年を調べてみると、実は……。

    あなたの故郷は大丈夫(笑)??

  • 田舎の事件に続く、筆者独特の陰湿かつホラーチックな
    田舎の学校を舞台に起こる事件。
    一見バラバラに起こった事件かと思いきや、連作形式により
    その隠していた背景が浮き上がってきた時の嫌悪感には
    ちょっと「ゾッ」としました。怖いです。

    なんとなく厭な感情や、肌触りの悪いタオルで顔を拭くような
    嫌悪感を抱かせてくれますw。

  • 表紙とタイトル、そして学校にまつわる短編集と言うのに惹かれました。

    が、しかし私好みではなかったです。。
    ストーリーは面白いんだけど猟奇事件が起きたんなら、乙一さんみたいにそこを詳しく描写して欲しかったなぁと。

    『なんかむごい感じで発見されたぞ〜』って話が終わっちゃうのが私的には残念(^。^;)コンセプトは共感できるんだけど。

  • 表紙イラストの何だかほのぼのとした「おじさん」に「読んでみようか・・」という気になった。この作家は初めて読んだのだけれど、ホラー作品が多いのかな。内容は・・ちょっとがっかり。とある町のとある学校の周りで起こる幾つかの殺人事件が短編になっているのだけれど、気持ち悪い・・。特に「夏休み 吹上四十人殺し」という作品はグロテスクで最低。猟奇的な殺人を犯す主人公。母親を惨殺し、何の恨みもない林間学校を襲い多くの中学生を皆殺しにする・・池田小事件の犯人を思い出してしまった。影響されやすい人が読まないことを祈るのみ。

  • 県立吹上高校は教頭も校長もその息子の新任教師も、可愛い女生徒とつきあう体育教師も、事故死した熱心な社会科教師とその妻も、軟式野球部員と監督も、PTAも、生徒会長も、ついでに町の小説教室講師(売れない作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、怪しい輩だった。そんな学校に大量殺人事件が発生!裏には、とんでもない真相が…。

  • かくして真相は闇にとざされた

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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