銀行籠城 (幻冬舎文庫 し 13-7)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410305

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めからスピード感があり、どんどん物語が進んでいく。

    犯行前の序盤で見せた犯人の優しさからは想像できないような残虐な犯行に『一体何故?』と思うも、次第に犯人の動機が明らかにされていく。

    他の読者の方の感想を読むと、動機が弱いとの感想が多かったが、確かに犯行の残虐さの割に動機が弱いと感じるところもある。

    いやでも、お話としてはとても面白く、ほぼノンストップで読み切ることが出来た。

    ぐいぐい話に引き込まれる話というのは、やっぱり面白い小説なのだろうと思う。

  • 「銀行籠城」というタイトルと、全裸の男女のカバーから、ずっと以前に起きた
    銀行籠城事件を思い出した。その事件のノンフィクションものかと思ったが、
    そうではなく、あの猟奇殺人銀行籠城事件の梅川事件を参考にしたフィクション物だった。
     あらためて、梅川事件をネットで検索すると、凄く詳しい内容が載っていた。
     作品中でも梅川事件のことを引き合いに出している。
     新堂冬樹の小説を読むのは、これが初めてだが、暗黒面の人間描写が凄まじかった。
     これが、「黒新堂」と言われるゆえんかと思った。最後に「白新堂」が現れてほっとした。
     

  •  お金目的でもなく政治目的でもなく人質を取り銀行に立てこもる。
     逃走する意思もないから、人質も容赦なく殺される。

     結末が気になって一気に読み進めた。
     でもラストが微妙。
     動機も今一つ薄かった。
     お母さんだけでなく、大切な人ができて幸せになると思った矢先にまた不幸になったくらいは欲しかった。
     結局、あれでは彼が陥った境遇のままの「やっぱりこんな奴だからこんな事件をおこせたんだろう」というレッテルを貼られるだろう。
     誰に復讐できたわけでなく、誰に理解されることもなく、不幸をまき散らしただけだ。
     それが目的だ、ということなのかな。

     ラストもあっけなく終わってしまったような気がする。
     刑事の後日談とかあればよかったと思う。

  • 人質を裸にするというところでエロスを感じたが、そこは大して関係なかった。しかし新堂冬樹のこうした小説は黒新堂と言われているらしいが、何か作者自身の欲望のはけ口のように感じてしまう。

  • 籠城事件を色々調べてしまった。
    勿論、梅川事件も。
    関わった人に人情があれば、誰か1人でも慮る人がいれば、こんな事にはならなかった。
    既成観念にとらわれず、感受性豊かに、周りの人の気持ちに寄り添っていきたい。

  • ー善良な市民以上の悪党はいないー

    黒新堂を堪能しようと思ってたらまさかの白新堂!?


    この終わり方は想像してませんでした。


    加害者の家族は虐げられなければいけないのか。


    罪を犯して本人ではないのに罰を受けなければいけないのか。

  • スピード感よし。

  • 本作品は、1979年三菱銀行北畠支店に、客と行員30人以上を人質にした銀行強盗、猟奇殺人事件を参考にして書かれた小説である。

    猟銃を手にした男は、その目的をあかさないことで、恐怖を更にあおる。彼の生い立ちが、少しづつ判明するにつれて、事件の動機へとせまるのだが・・・結局、彼は自身の目標を達することはできたのだろうか、読み手にその判断をゆだねたい。

  • 五十嵐順一(羽生田敏文)28歳がハイパワーの拳銃と弾丸150発を持って白昼銀行に籠城する物語。新堂冬樹 著「銀行籠城」、2007.10発行。死を覚悟した人間によって引き起こされる行員と客たちへの恐怖、警察の呼びかけにも一切応じない・・・。強盗犯でもなく、政治犯でもなく・・・。五十嵐の銀行籠城の真の目的は何か!ハイテンポのストーリー展開です。この物語の伏線(発端)にあるのは「警察は被害者の事ばかり、加害者の家族の人権はどうなるのか」にあるのかもしれません。五十嵐と対峙する鷲尾警視の存在に救われます!

  • P271

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著者プロフィール

1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』と続く“純恋小説”という新ジャンルを打ち立て、話題となる。著書に『動物記』『ブルーバレンタイン』など多数。近年、『虹の橋から来た犬』がスマッシュヒットとなる。

「2023年 『なごり雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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