- Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411227
感想・レビュー・書評
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猫を殺し、腹を切り出すという異常行動をする11歳の男の子と母親が、カウンセラーの治療に訪れた。ロールシャッハ・テストにより少年の心の闇を見出したカウンセラーは、定岡療法と呼ばれる催眠療法により、その心の中にある狂気を凍結させ、心の奥底に沈めることに成功する。
その少年は、その後、問題なく大人になり、天才的なカウンセラーになるのだが…
個人的に好きな分野と言うこともあり、大変面白く、最後まで一気読みしました。現実にこんなカウンセラーがいたらなぁと思うと、ドキドキします。
フィクションの面白さがぎゅっと詰まっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
進学校で生徒が突然教師を射殺、事件の再発防止の為にスクールカウンセラーが置かれる。心の専門家は本当に生徒たちの心の問題を解決出来るのか。目からウロコというか、自分の欲望は本当に自分だけのものかっていう問題提起がコワイ。自分が今思っていることは、本当に誰の影響も受けずに自分が思ったことだと言い切れるのか。
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3.66/234
内容(「BOOK」データベースより)
『ある中高一貫の進学校で生徒が教師を射殺して自殺した。事件の再発防止と生徒の動揺を抑えるため招聘された心の専門家・比留間。彼は教師と生徒の個を失わせることで校内に平穏をもたらす。だがその比留間の奥には、かつて眠らされた邪心が存在し…。『嫌われ松子の一生』の著者が“心の救済”の意義とそこに隠された危険性を問う衝撃作。』
冒頭
『「あの子の心を、治してください」
その女性が、膝で両拳を握った。
三十八歳という年の割に、肌はきれいだった。プロポーションも悪くない。顎にも贅肉がなく、すっきりしている。
「わたし、もう、怖くて…」』
『聖者は海に還る』
著者:山田 宗樹(やまだ むねき)
出版社 : 幻冬舎
文庫 : 469ページ -
2018/4/26うむ。最後のほうが何となくまとまらず。★3
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三十三歳で片親で三歳児を抱える、射殺事件の起きた中高一貫校の養護教諭と、十一歳の時に猫殺しを繰り返し、その狂気を催眠療法で凍結したスクールカウンセラーの、学校での日々と恋と解放された狂気。精神に踏み込んだ描写や、師諸共不安定になり病んでいく描写に引き込まれた。病んでしまった人を拒まない目線が温かい。
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この著者の作品を何冊か読みましたが、やっぱり面白いです。長編でも最後まで飽きさせずにひきつけるパワーがあります。この作品も読み始めるとついつい最後までやめられずに一気に読んでしまいました。お気に入り作家認定ですね。
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面白かった。
初めて山田 宗樹さんの作品を読みました。
とても読みやすくて、ミステリー的な要素も少しありつつ。
大きなストーリーの流れはよかったです。
ただ、途中から恋愛を中心においた感情的な展開になっていったのがちょっと気になりました。
もう少しシリアスな展開にもっていっても良かったような。
まーでも良かったですね。
他の作品も読んでみようと思います。