花と流れ星 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418530

作品紹介・あらすじ

道尾秀介のホラーシリーズ、真備庄介霊現象探求所シリーズ『花と流れ星』が文庫化!
同シリーズの第1弾で、すでに文庫化されている『背の眼』はTVドラマ放映中。

感想・レビュー・書評

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  • 死んだ妻に会いたくて霊現象探究所を構える真備。その助手の凛。凛に想いを寄せる作家の道尾。

    彼らの元を訪れる物達とは?

    ・流れ星のつくり方
    ・モルグ街の奇術
    ・オディ&デコ
    ・箱の中の隼
    ・花と氷

    味わい深い5篇です。

  • シリーズ3作目とは知らず…でもいきなりでも、混乱することはありません。

    表紙、薄暗闇の中花を詰めた箱を手に笑う女児が怖い…。

    作者自身を投影させたような売れない作家(この手法、伊坂幸太郎さんや奥田英朗さんもよく使いますね)道尾、彼が密かに想いを寄せる凛、凛の姉と結婚するも彼女の急死により死者に会う方法を見つけるため霊現象探求所を構えた真備。

    両親を殺された少年、自らの右手を消したという手品師、仔猫の幽霊を見た少女、ものすごい美人のカルト信者、孫娘を事故死させてしまった老人。大切なものを失ってしまった人々と真備らの交流。少々謎解きは物足りないが他の作品も読んでみたい。

  • 未読のシリーズものの連作短編集でしたが、登場人物三人の距離感が心地良かったです。謎がどれも穏やかでその裏にひめられたものが優しくて良かったです。短編それぞれのタイトルも魅力的でした。前作も読んでいたら、それぞれの抱える複雑な心情を感じられてもっと良かったんでしょうね。そのうちに是非手に取りたいと思います。

  • 真備シリーズ短編集。どの話も最後にオチがあり
    ミステリまではいかないほんわか話。
    あまり誰も肝心なところまで救われない終わり方でイマイチ。
    人情味を出してくる話はどうしても他者作品の加賀恭一郎シリーズと比べてしまい胸に響くこともなくミステリー要素も少なくホラー要素は一切ないというと評価が低くなってしまう。
    道尾秀介さんは人情味を表出してる作品はイマイチが多いので
    ホラーミステリー重視や暗い話の方が良い。

  • 久しぶりの道尾秀介さん。特に最後のが気に入ったけど全部良かった。道尾、真備、凛…背の眼と同じく3人の関係もいいなぁ。

  • 今日は積読の中から道尾さんのミステリーを。
    実はこれ、真備シリーズの3冊目らしい。読みながら、あれ?と思い調べたらそういう事だった。でも、短編集だったのでそのまま読んだ。
    霊現象探求所を構える真備と、その助手の凜。そして友人の売れない小説家・道尾!が繰り広げるちょっとした推理。本当にちょっと過ぎて、若干物足りないと思いながら読んだが、最後の話はとても良かった。
    シリーズ1冊目2冊目を読んでみなければ…。

  • 5編からなる真備シリーズ初の短編集。
    トリックやロジックというよりも、心の動きや叙情性を噛みしめるような作品が多く、3人の内面も窺える。
    道尾秀介はやはり伏線回収が巧く、そしてミステリとしての謎‐解決が文学性と一体化しているところが大きな魅力。

    『花と流れ星』
    夜の海岸のどこか怪しげで、どこか儚げな雰囲気が、少年の不思議な語りとマッチしている。”流れ星のつくり方”というのは、少年は明るさは感じることができ、光がにじんで見えるから可能なのだろうか。自然と目が見えると思い込まされてしまうが、実は目が見えない伏線だったというのは見事。

    『箱の中の隼』
    コーヒー、咳、看護婦、太陽...相変わらず伏線回収巧いなぁ

    『花と氷』
    チラシの謳い文句に胸が痛む。
    「花と氷」という例えが美しい。

    ”花は綺麗だけど、氷だって大切な思い出の証だ。捨てずにゆっくり溶かしてやれば、だんだんと水に変わってくれる。
    その水で、花も咲く。”

  • 作家道尾と霊現象探求家の真備と助手・凛のシリーズ3作目
    こちらは短編集ということもあり1冊目の「背の眼」や「躯の爪」よりもずっと薄くて、文庫本といえどもそこそこの厚みを有する1、2作目に尻込みをしてしまう人はこの短編集で雰囲気掴んでからでもいいかもしれない
    ちょっとだけ1、2作めの話がでてくるけどネタバレにはならないし話がわからなくなるわけでもないから、支障はないと思う
    前作、前々作に引き続いて人のすれ違いやちょっとした陰りから起こした行動が予想外の事態を引き起こしていて、ままならなさとそれを受容していくしたたかさを描いている話だった

  • 3人の距離感が心地いい。
    付かず離れず。
    短編集なので、さくっと軽く読めた。

  • 「背の眼」から続く真備シリーズの短編集。作者の初期のシリーズものといえばこれ。道尾秀介というホラー作家が登場するミステリでもあって、法月綸太郎さんや辻村深月さん等と同じように作者が登場する。ホラーより自分の心の揺れ動きに焦点があてられた作品で、機微が感じられてとても良かった。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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