海へ、山へ、森へ、町へ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420588

作品紹介・あらすじ

自然の恵みと人々の愛情によって、絶品料理が生まれる軌跡を辿ろう!美味しい出会いを求めた旅の滋味溢れるエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 生きることは食べること
    美味しいものは人を幸せにする
    小川糸さんの初エッセイ。
    この本が出てから十年以上の月日が経過しているから、七尾の醤油店など地震の影響を受けてしまったり、閉店してしまった店もあるだろう。
    でも、小川糸さんが訪れた時のあったかい空気感と時間は確かに存在し、色褪せることがない。
    蚕の話も天然氷の話も面白い。と同時に時代の流れや地球温暖化の影響を感じざるを得ない。
    モンゴルの山羊の解体の話は秀逸だ。肉があまり得意でない糸さんを唸らせたのは、モンゴルの伝統と大地の力か。
    「再びベルソーへ」
    亡くなったご主人の後を受けてみよこさんが厨房に立っていた。みよこさんの料理にご主人の魂が残っていることを感じた小川糸さんにうるっときた。

    このエッセイには食への感謝、大地への感謝、生き物への感謝、料理を通して繋がっている人への感謝がにじんでいる。

  • 本を開くと、2、3ページで綺麗に寝落ちしてしまった今週。そんなお疲れの方にオススメな本!

    この本は、小川さんが実際に訪れた場所の人達の話と、その人達が作る食べ物のエッセイ。食べ物の作り手の気持ち、人生が伝わってきて、疲れで凝り固まった気持ちがほぐれました。

    今まで小川さんのエッセイや小説を何冊か読んできたけれど、そのエッセンスがぎゅっと詰まっている本だなあ、と。あの話はここが原点なのね〜とか、あのエッセイではこのことを言っていたのね!とか。

    作った人の気持ちが見える料理って素敵ですね。

    ところで今日のうちの夕食は、ロールキャベツ。
    ロールですから巻きたかったんですけど、どうしても巻くのが面倒くさい。キャベツもお肉もそろそろ限界がくる...そうだ!「巻かない」ロールキャベツにしてみよう!

    ...さあ、この「面倒くさい」という作り手の気持ち、家族に透けて見えるか?どうだ!
    味はきっと美味しいよ、さあさあ、お食べ(違う)

    • へぶたんさん
      今帰ってきた娘に「今日は巻かないロールキャベツだよー」と伝えたら「え...賄い?何で?」と真顔で想像ナナメ上のご意見頂きましたー

      はい、う...
      今帰ってきた娘に「今日は巻かないロールキャベツだよー」と伝えたら「え...賄い?何で?」と真顔で想像ナナメ上のご意見頂きましたー

      はい、うちは全員天然ボケ家族ですm(_ _)m
      2024/03/10
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      へぶたんさま
      わあ〜、もしかして巻かない、賄いですか?笑
      もうどっちでもオッケー!!
      へぶたんさま
      わあ〜、もしかして巻かない、賄いですか?笑
      もうどっちでもオッケー!!
      2024/03/10
    • へぶたんさん
      もう楽しければ、何でもオッケーσ(^_^;)
      もう楽しければ、何でもオッケーσ(^_^;)
      2024/03/10
  • 自然と共に生きる人々、ごはん屋さんや、ぶどう農家さん、かき氷屋さん、モンゴルの遊牧民族などを取材されたエッセイです。読み終わって思いついた言葉は、「足るを知る」です。この本に出てくる人達は、自然の恵みに感謝し、お客さんのことを思って丁寧に料理をし、もてなします。ただそれだけで幸せになれる、そんな場所です。疲れている時に、癒してもらいたいなぁ、という場所が多かったです。また、モンゴルの遊牧民の厳しい生活、羊の解体の場面は、私たちは命を頂いているんだということを、改めて思いました。今あるものに、満足し、感謝し、丁寧に日々を過ごす。胸に留めておきたいです。

  • 小川さんの食に関するエッセイ本
    優しい文書と暖かい食べる事の大切さが伝わってくる

    松山が喫茶店の町とは知らなかった
    人の手には人の数だけ違う乳酸菌がいるから握った人の数だけおにぎりは味が違う話も素敵

  • 小川さんの本三冊目。

    モンゴルへホームステイしたときの感想がすごくよかった。なんでもあって便利な国日本。でもないからからこそ自然の偉大さを感じるモンゴル。時間の感じ方も全然違うんだろうな。
    あくせく東京で生きてる私、モンゴルに行ってみたらなにか人生観変わるかな??

    小川さんの書き方というか、感じ方ってすごくピュアな感じで素直な人なんだなぁ、飾らない人なんだなと思えて好感が持てた。

    まだまだオーディブルに本があってしばらくは小川さんを制覇する時期になりそう。

  • モンゴルの遊牧民、ハヤナーさん家でのホームステイはとても興味深かったです。なかなか知ることのできない遊牧民の生活が具体的に知れました。便利なもので埋め尽くされた日本の生活とは真逆の生活を2回も体験できた小川糸さんは贅沢。その体験を本にして伝えてくれてありがとう。

  • 小川糸さんのエッセイや小説を片っ端から読んでいる者です。こちらは取材先まとめ本のようなもの。
    国や地域の名前だけで、あのお話に活かされているのかな、と今まで読んできた本が浮かびます。
    小川さんの描くたべもののお話は、どうしてこうもあたたかいのだろうと思っていましたが、取材先で出会った人々やいのちと向き合っているからこその言葉が生まれるのだろうと感じる1冊でした。
    小川さんといえばベルリン!という方が多いと思いますが、わたしは湯島とモンゴルの描写も大好きです。

  • 私が行ったこともないところでもイメージができてしまうような、旅をしているのに旅ではなくてそこに生きているというような。ふんわり優しく、力強い部分もあり、懐かしさも感じました。
    最後まで読み終わり、少し涙も。
    どれも美味しそうな料理が出てきて、私もこの本に登場された方々のような気持ちで料理してみたい。

  • 著者の本を出版年順に読んでいて、内容を調べずに手に取ったら、先に読んだ「ようこそ、地球食堂へ」に少しだけプラスアルファしたものだったので、後ろの方の新たに加えられた部分のみ読んだ。
    おいしい料理、食材、お店の数々が載っている。普段特に心も込めることも意識せず、パパッと時短優先で料理していることが恥ずかしくなるような内容。

  • 小川さんは、季節やお料理を描写する文書がとても上手で、そんな言葉に触れる度にワールドへ引き込まれます。人生の愉しみ方を知った本です。

  • 美味しいもの探し。食べ物メインの旅ってしたことないけど楽しそう。でも好き嫌いあるとなんか相手に申し訳無くなりそう。

  • 糸さんのエッセイにハズレなし。

  • かき氷で有名な長瀞でどうやって天然水の氷が作られているか、カナダで生まれた川に戻ってきて命をかけて産卵する鮭、それぞれのお店で店主さんの個性とあたたかみを感じるカフェの街松山、などなど。
    食をさまざまな角度から取材して丁寧な視点で書かれた本です。

  • 各地のこだわりのある食堂や食のお店をめぐるエッセイ

    単なる美味しいもの案内ではなくて、小川糸さんと食の作り手さんたちの心と心の交流がとても素敵で心温まり、食や自然の本質を感じられました。

    モンゴルの大平原の中、ゲルに泊まってみたいな〜。
    西表島、石垣島、米原の食堂やレストラン、奈良のバウムクーヘンやさんや中津川の栗きんとん屋さんはいつか行ってみたいです。
    湯島はまたゆっくり歩いてみたいな。

  • 実家の近くのお店に糸さんが行かれて取材されたことが嬉しかった!
    印象に残ったのはレストラン「ベルソー」の話で松田シェフの言葉が心に刺さりました。

  • 2010年11月刊行『ようこそ、ちきゅう食堂へ』加筆・編集、改題。
    おいしいものと人との出会いがたっぷりつまったエッセイ。

    「鳥居醤油店」「月心寺」「町で暮らす」が、特に好き。

    ・丁寧に料理を作りたくなる
    ・おいしい紅茶を飲みながら読書したくなる
    ・小粋な居酒屋で日本酒を飲みたくなる
    …そんな欲求が生まれる本でした♪

    丁寧に料理を作ることができる=心に余裕がある時、なんだよなぁ。
    心に余裕、欲しいものです。。
    糸さんみたいな生活に憧れるけど、なかなか難しい。

    ★2020.4再読したけど、、最後まで読めなかった。
    なんだか今の自分に合わなくて、憧れる気持ちも起こらず。

  • 良くも悪くも平凡な文章

  • 著者が旅先で出会った食堂やレストランのことが書かれたエッセイ。読んでいる私の心がひねくれているだけなのだけど、少し人間に都合の良いような解釈が気になってしまって、素直に「うんうん」と頷けなかった。例えば「動物や植物も嬉しそうにしているみたい」という話、「障がい者の人たちも楽しそう」という話。確かにそういう面目あるかもしれないけれど、本当にそうなのかな?と一瞬でも思ってしまうと、後の話も心に染み込まなかった。
    多分、障がい者の方の言葉がリアルに書かれていなかったからなのか。読む時期が違っていたら、もっと素直に読めると思う。自分に余裕がない時期に読む本じゃなかったな…。

  • 食べることを大切にしている人って生きることを大切にしてる感じがして、ほっとする
    そういう人になりたいなあ、でもいつも、なりたいで終わる私は、少しでもこの本でそんな気分を味わえたような気がします

  • 世界中、日本中のお料理や食材が出てきます。
    印象に残ったのは、なんと言ってもモンゴルの遊牧民のお母さん。働く=体を動かす。執着のない暮らし。モンゴルの大自然の中での暮らしは、大変そうだけど、私たちの抱えているストレスや悩みとかとは次元が違う感じで、なんというか、ちょっと羨ましいです。やってみろって言われてもできない生き方暮らし方ですけどね。
    あとは、こころみ学園とか、地産地消の話も印象に残りました。私も、地元で採れた野菜とかたくさんいただく機会あるので、作者みたいな感性と丁寧さをもって食材に向かい合えたら、日々の暮らしがもっと豊かで、色々なものに感謝できる幸せなものになるのかも。

  • 「ようこそちきゅう食堂へ」を読み終えた直後に、新たな原稿を足して刊行されたと知らずに読んでしまいました。
    なので、半分は飛ばして読ませてもらいました。
    知っていればもう少し間隔を空けてまた最初から楽しく読めたのに。失敗失敗。

  • 小川糸さんの食べ物と旅のエッセイ。
    コロナで旅がしづらいいま、旅にでるかわりに。

  • 旅が好きな人

  • 石垣島旅行のお供に。
    残念ながら途中で断念!

  • おいしいごはんはすべて、
    「料理の神様」の贈り物。

    おいしい出会いを求める旅です。

    特に印象的だったのは、
    滋賀県大津市 月心寺(げつしんじ)の精進料理です。
    胡麻豆腐、ぜひ食べてみたいです。

  • 「いただきます」「おいしい」「ごちそうさま」 今日もあちらこちらで奇跡の出会いを喜ぶ声が。きっとそこには、料理の神様の愛弟子たちがいる…。石垣島からモンゴルまで、おいしい出会いを求めて「食堂」を巡った旅の記録。

    好き嫌いが多くて,きっと食べには行けないところばかりだけど,どこも美味しそうで,素敵なところばかり。

  • 手間を惜しまず、ひとつひとつ丁寧に。

    美味しい料理を作るのは、愛し大切に想う人の命を支えるため。美味しい料理をいただくのは、今日も無事にそして幸せに生きているということを噛み締めるため。

    食べること、生きることの根っこにある大事なことに気付かせてくれるエッセイでした。

  • 美味しい出会いを求めた旅のエッセイ

  • タイトルの通り、
    海へ、山へ、森へ、町へ
    最上級の地球の恵みと、
    素敵な人びとのもとへ訪れた記録エッセイ集。

  • 2015 11/23

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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