狂う (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 259
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420960

作品紹介・あらすじ

母校から届いた高校同窓会名簿。両親から莫大な遺産を受け継いだ鳴沢はすぐさま比奈岡奏絵の項を開いた。かつて札幌在住だった彼女の連絡先が今回は空欄だった。その瞬間、彼は強烈に憎悪し、連続殺人鬼と化した。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は何のためだったのか?青春の淡い想いが悲しくも愚かな愛の狂気へと変貌する傑作ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 資産家のドラ息子が、ある目的のため、女性たちを凌辱殺人を繰り返す。

    結構引き込まれました。
    最後、そんな理由で殺人を繰り返したのかと、
    もう一つ、高校の同級生女性の末路が面白かったです。

  •  同じ猟奇殺人にしても『デッドマン』河合莞爾著よりは怖い、不気味な人物、行為は薄気味悪さを感じさせてくれる。小説としてはコロンボみたいに犯人登場からのストーリーなわけだが、その違いは最後に殺人の動機が明かされることにある。なんだか狐につままれたような・・・それはないだろう(笑

  • 最後にダブルの正体が奏絵だとわかるところで全て持っていかれた。またこの気分にさせられるとは。
    凌辱シーンは読みたくなくなるような描写だけれども、それでも惹き寄せられる読み応え。
    奏絵はきっと鳴沢を大切な仲間だと思っていただろうに、下らない妄執でこの結末は悲しいし切ない。

  • あるサラリーマンへ恋人の誘拐と身代金要求の連絡が入る。誘拐の証拠はDVDを確認しろとの犯人の指示。その後身代金の受け渡し要求は行われず、数時間後に被害者女性が遺体で発見される。

    犯人側の行動や思考、交友関係は逐一記述されるのに、捜査側の警察は推理の場面しか記述されないのが特徴。メリハリを付ける為かと思っていたがフェアな情報開示を行う為に、除長部分は削ぎ落としたのかもしれない。

    ある人物の正体が判明した時は非常に驚いた。推定要素は充分という程散らばめられており、背が高い、男性の様な張りのあるヴォーカル、進路での葛藤、そして住所不定と記憶障害。所持していた年代物のウォークマン。友人の女装趣味ですらきちんと伏線になっていた。また、女子高生時代の話と加齢臭のするスキンヘッドのホームレス男性というのもミスリードに導かれた前提と思われる。

    読了後やられたという気持ちでいっぱいも、犯行内容でむやみに人にはおすすめ出来ず★4。人を選べば★5。気持ちよく騙された~

  • 氏の著書で、個人的にとりあえず気になってピックアップした作品は、これで一通り読破って感じ。本作は、比較的自分の好みに一致する方向性のもの。タイトルからして尖りまくっとるし。どんどん頁を繰らせる引き込まれ度は大きかったんだけど、ラストの強引さも含め、細かく気になった部分は少なからずあったので、総合的にはこの評価。

  • 倒叙でもあり、読者は犯人を知った上で読み進めるが、どうにも動機が判明しない。それどころか犯行においてのいくつかの不可解な行動も理由がわからない。 最後まで「理由」が謎である事が、読ませる小説になっている。そのミッシングリンクが明かされる瞬間が非常に気持ちがいい。 絶望としかいいようのない展開で、やはりこれもまた絶望を味わうためのミステリ。悲劇でしかない。ある意味では人間の深層の病理をかなり繊細に描いているようにも思える。

  • 読んだ事あった。
    初回の感想はおぼえてないけど、2回目読んでみるとちょっと都合が良いだろと思えるところが散見。
    でも、主人公の狙いと、結末。これはさすが西澤さんでした。

  • 引き込まれ方は良かった。 その証拠にサクサク読み終わった。 個々のキャラの心情とかもっと欲しかったな。 殺された人達サラッと流され過ぎ。結末がなんかね。

  • 2015年6月29日読了。
    2015年84冊目。

  • 150721

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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