首都崩壊 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 311
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424005

作品紹介・あらすじ

国交省の森崎が研究者から渡された報告書。マグニチュード8の東京直下型地震が近く起き、損失は百兆以上に上るという。しかも「東京から人が消える」。森崎は内々に指示を受け対策を練るも地震は発生してしまう。ただ規模は予想未満で安堵する森崎。だが、これはさらなる巨大地震の引き金だった…我々の生活はこんなに危ういのか。戦慄の予言小説。

感想・レビュー・書評

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  • 首都崩壊 というよりも 首都移転計画。
    東京に直下型地震が起こる という設定で、
    国土交通省のわかき官僚 森崎が、
    アメリカ時代の同窓生 ロバートのサジェスチョンで 
    日本の危機を救うという 物語。
    若き官僚は、アメリカ留学の時に、
    首都移転、小さな政府というのがテーマだった。
    確かに、そんなことが 
    あり得るかもしれないという推定の上で、
    官僚、そして 政治家、そのまわりに集まる
    企業家、都市デザイナー。
    そこには 政治家の都合が 優先する。

    それでも 森崎は 
    アメリカのロバートの情報の提供や人脈のおかげで、
    必要なポジションにたつことができた。
    ここでは、村津のスケジュール力、実行力に目を見張る。
    前脇は 地震の専門家であるが、
    テラコンピュータをつかうと
    地震の予測が どうした 正確になるのかが 
    よくわからなかった。
    破局に至らなかった、中国の見えない勢力が、
    日本経済崩壊に手を出していたが
    その具体的な 方策や方法もあまり明らかでないのが残念。
    やはり、もっと 中国を 描かない限り、
    今後の日本の予測は困難と言える。

  • 普通です。

  • 迫りくる首都直下型地震。
    それは東日本大震災の比ではなく、首都が被災すれば政府機能が停止し、日本経済、日本そのものの崩壊、そして世界恐慌への連鎖に至る。
    日本国債の格付けは崩落、金融恐慌は目の前。
    そこにつけこむ悪辣ファンド、その背後に見え隠れする中国の陰謀。
    迫真に満ちた著者の筆力に圧倒され、読み手もその世界にはまり込む。
    現実味を帯びた危機、その時、日本を救う手立てはあるのか?

    著者は、首都移転に救いの道を見出す。
    同盟国アメリカの手を借り、国交省のキャリアが活躍し、日本は救われる。しかし、これはあくまでフィクションの世界。
    現実にはこのようにすんなりとはいかないだろう。
    けれども、首都直下、南海トラフの危機は、目の前にある。作家の警鐘に、政府はそして我々はどう答えるか。

  • ただ大地震で崩壊するのではなく、経済的な崩壊もある。大地震を止める事は出来ないが、経済的な崩壊はどうやって止めるのか!
    時の総理大臣が「歴史上の人物」になりたいと遷都を考えたのには笑ってしまいました。
    東京に代わる首都をどこにするのか⁈

  • 登場人物の上っ面だけの会話。森崎の一方的な情報収集。村津の予想外の平凡さ。何故、いつまでもメンバーに首都移転を明かさない?
    手垢のついた説に、小説内の人物は驚いたり、悩んだりしているが、読んでいる自分は何にも驚きも感動を喚起されなかった。

  • 実際に起こりうる話。
    読んでいて怖くなった。
    日本が抱えている爆弾がわかります。
    とても興味深い話でした。

  • 実際に崩壊するのかと思っていたが作中ではしない。
    が、そこに期待していた割には十分楽しめた。

  • 3.11の東日本大震災も踏まえ、首都圏直下地震が起きた事を想定して描かれた作品。

    ここまで上手くいきますかねぇ。確かに、東京への一極集中は、日本の最大のリスク。首都圏直下地震も、いつでも起きる可能性があると言われているので、何某かの対策は必要ですけどね。ここまで上手く行くかと・・・

    その辺りは差し引いても、日本存亡の危機に際して関係してくるのは、やっぱりアメリカと中国なんでしょうね。

    首都圏直下地震が起きるのは、もはや自明の理なので、それにいかに対処していくのかが問われますね。

  • 災害と情報戦。
    両方怖いよね。。
    とても面白かったが、
    どちらかに的を当てた方が。。。

  • 首都東京の一極集中は止まるところを知らない。東京の直下型地震が近いと言われて久しいが、東京は人を引きつけて止まず首都圏は広がるばかり・・・。首都圏での新型コロナウィルスの蔓延状況をみると、高嶋さんが描かれた首都移転は必然だと思う。それにしても高嶋さんのパニック小説には感服する。近未来の予言の書としか思えない。当分、高嶋さんから離れられそうにない。(o^^o)v

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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