ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424982

作品紹介・あらすじ

第二次大戦中に天才料理人・直太朗が完成させた究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された、"最期の料理請負人"の佐々木。彼はそれを"再現"する過程で、そのレシピが恐ろしい陰謀を孕んでいたことに気づく。直太朗が料理に人生を懸ける裏で、歴史をも揺るがすある計画が動いていたのだ。美食に導かれ70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 死を目前にした人に、かつて食べたことのある最上の味を完璧に再現する最期の料理請負人、佐々木。
    彼には一度食べたことのある料理を再現することが出来る麒麟の舌があった。

    第二次世界大戦中、天才料理人、直太朗が完成させた究極のレシピを再現して欲しいという依頼を受ける。

    借金が嵩む佐々木は、胡散臭い依頼だが、受けざるを得ない状況に。。。

    物語は、現代と第二次大戦、両時代が交互に描かれる。

    天才料理人に何があったのか、レシピはどうなったのか?謎が氷解すると共に、感動の嵐が(ToT)


    ミステリ好きのおばさんには、なんだか退屈だなぁと思いながら、ゆっくりペースで読み進めた。

    物語も後半の、さらに後半に差し掛かった時、新事実が次から次へと。

    最期の数ページにすっかり泣かされてしまった。

  • ほんと面白かった。

    戦時下の満州なら、あり得たかもしれない。改めて戦争は絶対ダメだ。
    昔見た映画の「203高地」や 731部隊とか、同じ場所での出来事だという事が今更分かるとは、なんたる勉強不足。知らない事をこうやって本が教えてくれるんだと改めて本に感謝。

    現在と70余年前それぞれの登場人物の感情を少し押し殺したようなやり取りで、緊張感が続いていて…最終章で全てがぴたって収まった時のハァ〜って温かく脱力できた感じがたまらなかった。

  • ラストレシピ 田中経一 著

    知るひとぞ知る料理の鉄人のディレクターを務めた田中経一さん。

    天は、人に何ぶつも与えるのか?と感嘆してしまう。


    戦時中と現代。

    日本と中国。

    民間人と軍人。

    料理を愛した料理人と料理を武器とする料理人。

    こうした対立構造の中で物語は進展していく。

    ラストレシピ。

    これ、もっと読まれてほしいなあ、、、。
    物語の世界の奥行きや趣きが感じ取れる作品であるから、、、。

    ⭐️五こでは足りません。。。



  • 【ラストレシピ 麒麟の舌の記憶】 田中経一著

    初めましての作家さん。
    嵐のニノ主演映画の原作ということで手にした本。

    佐々木充のしごとは「最期の料理請負人」
    音楽でいうところの絶対音感みたいな”舌”の持ち主。
    食したものは何が入っているかがわかる。
    一度食したものを再現できる。
    そんな舌は”麒麟の舌”と呼ばれる。
    佐々木充はその”麒麟の舌”を持っていた。

    中国人の楊清明から依頼された最期の料理は『大日本帝国食菜全席』
    「春」「夏」「秋」「冬」から構成される料理はそれぞれ51品あり、合計204品にもなるらしい。
    佐々木がまるで知らないその料理は、第二次世界大戦中に満州で作られたものだという。
    そのレシピを手に入れ、料理を再現する。
    報酬は5000万円。

    どう考えても危険極まりないその依頼を受けた佐々木。
    そのレシピを追ううち、戦時中、麒麟の舌を持つ天才料理人と言われた山形直太朗にいきつくのだが…

    知らない作家さんだったし、何の予備知識もなく読み始めたら、これが面白い!
    著者の田中さんは90年代に一世を風靡した番組「料理の鉄人」のディレクターだった人。
    そうだったのかぁ…
    だからこの作品を書くことができたのか!

    巻末に『大日本帝国食菜全席』204品の料理リストが掲載されている。
    すべて田中さんが考えたものだそう。
    すごい!

  • 第二次大戦中に天才料理人・直太朗が軍の命令により完成させた究極のレシピ「大日本帝国食菜全席」。
    およそ70年前に作られたレシピが、今、時を超え、伝えようとするものは何か?
    レシピを持っているのは誰か?「春」「夏」「秋」「冬」すべてのレシピが揃った時そこにあるのは、愛か憎しみか。

    レシピ作りに隠された恐ろしい陰謀がわかった時、悲しみと怒りがふつふつと湧いてきた。直太朗は本当の任務を誰にも言えずどれだけ辛かっただろう。
    それでも直太朗はレシピを書き続ける。悲惨な暮らしをしていても充実した日々だったと思う。なんて強い人なんだろう。

    彼らにとってレシピはラブレターのよう…想う人の好きな食材を使い、想う人の喜ぶ顔を想像しながら書く

    もっと夫婦愛が強いお話かと思ったけどわりと淡白だった。そこがちょっと残念。
    直太朗がなんとしても守ろうとしたものを知った時ホロリと泣けた。ミステリーとしても面白く映画がとても楽しみだ。

  • とても読みごたえがある小説で、とても面白かったです!
    壮大な歴史小説を読んでいるような気分でした。過去と現在が交互にくるので、頭の中で整理しながら読んでいました。
    どんどん真実が明かされていって、その真実を知るのがとても楽しみで。
    1番驚いて、何度も読み返したのが最後の場面でした。
    あ…そういう風に繋がるんだね。
    麒麟の舌はDNAなんだね。
    と納得でした。
    料理の話もちょうどいい具合に出てきたので、よかったです。
    家族の愛、友人の愛、色々な愛の形が
    この本の中にはでてきたように思います。
    愛があるから、人は嘘をつくときがあるし、
    愛があるから言えないこともある。
    それぞれの愛が最後、ひとつになったんだと思います。
    本当に素敵でした✨

  • ミステリーとしてはあっさり目でした。
    人生最期に、私だったら何を食べたいかなぁ。。

  • 評価は4

    内容(ブックデーターより)
    第二次大戦中に天才料理人・直太朗が完成させた究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された、“最期の料理請負人”の佐々木。彼はそれを“再現”する過程で、そのレシピが恐ろしい陰謀を孕んでいたことに気づく。直太朗が料理に人生を懸ける裏で、歴史をも揺るがすある計画が動いていたのだ。美食に導かれ70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー!

    うーんそういう最後だったか…。
    ミステリー要素は非常に低いが映画化もされたんだから面白いはず!と思いながら…結果あっという間に読了。最後にスッキリと真実が判明して分かりやすいが…そういう事だったのね。

  • 「ラストレシピ」

    最期の料理請負を仕事にしている主人公。
    人が亡くなる前にどうしても食べたい料理を再現してあげる仕事。
    ひょんなことから満州時代の壮大なレシピを探すことに。

    歴史の重みも加わり二転三転する!
    すごく面白かった!!

    料理におけるサスペンスというか、視点が面白かった!

  • 第二次大戦中に天才料理人・直太朗が完成させた究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された“最後の料理請負人”の佐々木。彼はそれを“再現”する過程で、そのレシピが恐ろしい陰謀を孕んでいたことに気づく。直太朗が料理に人生を懸ける裏で、歴史をも揺るがすある計画が動いていたのだ。美食に導かれ70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー!

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著者プロフィール

埼玉県出身。立教大学法学部卒。日本テレワークに入社し、「カノッサの屈辱」、「TVブックメーカー」など、フジテレビの深夜番組の演出で注目される。その後フリーの演出家として「料理の鉄人」や「とんねるずのハンマープライス」など、多くのテレビ番組を手掛ける。2014年、『麒麟の舌を持つ男』(後に『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』に改題)で小説家デビュー。同作は二宮和也主演で映画化される。他著作に『キッチンコロシアム』『龍宮の鍵』『歪んだ蝸牛』『生激撮!』などがある。

「2019年 『逆流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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