ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2461
感想 : 217
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344428027

感想・レビュー・書評

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  • 前半の登場人物の中に犯人がいるパターンか、精神障害が鍵なのか、いろいろ予想しながら読みました。
    1つのヒントから物語が動き出してからは、続きが気になって一気に読んでしまいました。

    個人的には序盤に出てきた伏線を後から回収していく展開の話が好きなので、星4つです。

  • タイトルの語呂が悪い気がする
    「吐息」とか「香」の方が響きがいいような気がするのだが・・・
    余計なお世話か。

    2つの話が進行していき、それが1つになった時
    「そりゃそうだわな」と予想通りの展開。

    と思いきや、ある登場人物の家族構成が判明した時点から急展開。
    ラスト150ページくらいからページをめくる事が止められなくなった。
    一気に読ませる展開はすごい。

    だが、それが急展開過ぎ。駆け足過ぎる。
    拾ったATMの振込伝票からある事実に辿り着くのは、ちょっと都合よすぎる。

    あと、主人公刑事の妻の設定は必要だったのかなぁ、と。

    とにかくページ数のわりに一気に読ませる作品。

  • 面白くて、練り込んでよくできた物語でした。さすが柚月作品。でも、菜月が優等生過ぎて・・。

  • 初柚月さんでした
    あっと言う間に読んでしまった
    出来事が目の前で進んでいったかのよう…
    人の心って、儚い

  • 最近よく目にする作家さんだけど、読むのは初めて。がっつり推理ものも久々に読むような。
    設定がしっかりしたミステリは、先が気になるのもあって、あっという間に読めてしまう。

    30代後半の主婦・高村文絵は、学生の頃は美少女と囃し立てられていたが、今や太ってしまい見る影もなくなっていた。
    懸賞が趣味の文絵は、ある日懸賞で当たった有名歌手のディナーショーに1人で出かける。その帰り道、郷里の同級生だった加奈子に声をかけられ、後日加奈子の別荘で再会を果たすのだが、そこで加奈子からある「良い仕事」を持ちかけられる。
    初めは加奈子との関わりも仕事も乗り気ではなかった文絵だが、お金持ちになり豪華な暮らしをする加奈子に触発され、そして仕事のパートナーとして紹介された章吾と意気投合したのをきっかけに、その仕事を引き受ける。
    その仕事とは、加奈子が特別にライセンス契約を得た高級化粧品を紹介するセミナーの講師で、月給は50万という破格のものだったのだが…

    ほんの最初の部分のあらすじだけ書いても怪しさ満点(笑)なのだけど、人がまんまと騙されていく過程が見えると、他人事とも思えない。
    しかもその「騙す」というのが二重にも三重にもなっていて、最後の4分の1あたりは怒涛の展開すぎてやや混乱した。

    文絵と、とある殺人事件を追う刑事・秦の視点が交互に訪れながら物語は進み、そして最後とある人物の視点へ。
    文絵が過去の辛い出来事がきっかけで離人性障害を患っていることも、物語を予想外の方向へ向かわせる要素となっている。

    殺人事件、マルチ商法、詐欺、新興宗教など、単体でも充分1冊書けそうな要素が絡み合う。
    女性の、美への飽くなき探究心や執着が生んだ悲劇、みたいな要素もある。
    物語としても楽しめたし、甘い話に騙されないよう気をつけなければ(とくに心が弱っているときは…)などという自戒まで得られた小説でした。

  • 文絵と秦のそれぞれのパートが交互に出てきて、徐々に事件の全容が明らかになっていくスタイル。

    --ネタバレ--














    途中までは真相はなんだろう?!
    と引き込まれて夢中で読んだけど、なんともしょーもない真相でガッカリした。
    かなり後半になって急に出てきた、今までの登場人物の誰ともほぼ関係ない人が犯人だったなんて、推理ものとして反則だと思う。
    急にエピローグで生い立ちを語られても…。
    せめてこの人物が犯人なのであれば、最後は釈放されたあとの文絵のパートを少しでも書いて欲しかった。
    エピローグの手間までずっと読者として追い続けてきた文絵の物語はどこへ行った??と不完全燃焼すぎた。

  • 物語の謎が解けていくにつれてゾワゾワとした恐ろしさを覚え、とても面白かった。気味の悪さが癖になる。

  • 続きが気になってぐいぐい引き込まれ読了。
    文絵の話と事件の捜査が交互に書かれていて、どう繋がるのかハラハラしながら読んだ。

  • 知人がめくるページが止められないと言ってたので、ならば私は!といきこんだが、中盤から手がとまらず、今も深夜に読み終わり興奮した体を抱えて眠れるかしら?と不安になってしまいます。
    初めての作者さんで、元々ミステリー系は得意ではなかった自分です。
    解離についても結局はよくあるテンプレにしかみんな書けないんだからさーとか舐めてたら、二転三転の展開に手汗がとまらない。ミステリーなのにどこかしらホラーを感じて背筋が凍ったのは、作者さんの緻密な計算と単純な力量と思いました。
    読んでよかった、この感動を他の人にも伝えたい。
    時間をおいて二週目を読み、拾い集め、また味わおうと思います。

  • 犯人が主役の方がおもしろいな。

    柚希裕子さん、やはり読まずにはいられない。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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