- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344429239
感想・レビュー・書評
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今年の大河ドラマが明智光秀ということで、関連書籍も多く出版される中、敢えてこの1冊を私が選んだ理由は著者の波多野氏の経歴です。波多野氏は当初、国際金融の最前線で資産運用を担当したり、大手証券会社のファンドマネージャーを経て作家となった異色の経歴の持ち主です。
明智光秀が織田信長の家臣として取り立てられたのは、他の重臣よりも遅く、それにも関わらず猛烈なスピードで出世し、最後には秀吉と並ぶほどの地位を得ました。この特異ともいえる出世を現代に例えて波多野氏は”50歳前後で財閥企業に中途採用で課長待遇で入社して、3年後に筆頭取締役に昇進するようなもの”と表現されています。
信長が極めて合理主義的な人物であっただけに、光秀の出世の速さには、合理主義者信長を満足させる要素があったはずという観点で、光秀の行動を顧客満足、危機管理、情報管理、組織における個人の振る舞い方、等々の現代の会社組織で重要とされるような視点から描いておられます。
明智光秀と言えば、信長に背いて、すぐに秀吉に殺されるというヒールのようなイメージしかありませんでした。しかし本書を読む限り、武芸だけでなく茶道や和歌を嗜み、まさに文武両道でかつ主君の思いを汲み取って行動できる極めて優秀な武将であったことが分かります。その光秀が何故、信長に背くことを決意したのか。その合理的な裏付けが本書の後半部分で描かれています。
大河ドラマの予習として、大変参考なりました。余談ですが、著者の波多野氏は大阪教育大学付属高等学校平野校舎卒業です。母校が輩出した作家、というだけでも興味がそそられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読む前からおそらく内容が予想できるけどねえ、と、わかりつつ、ついつい手に取ってしまった本。いろいろな著者によるこの手の本を読むことで、例えば明智光秀について自分が抱いてるイメージが、思い通りに補強されて、頭は快感を感じることになる、そういう読書だとわかってはいる。
無駄な読書というわけではない。ただ時間あたり付加価値の効率という点では自省する。
それでも、千利休、天海和尚と続けて読みたい。それくらい面白い。 -
明智光秀
史上人物で好きな人
ちょいちょい現代社会に置き換えるところに、読みやすさを感じる。 -
織田信長社長のところに中堅キャリア官僚の明智光秀が志願・出向して活躍しているような見方で語られているのが入り込みやすい。日付がキッチリ書かれているのでスピード感がわかりやすく、季節・気候がイメージできる。本能寺の変の動機が、よく言われるような恨みつらみ要素を一切排除して、天皇家の存続と、それがなければ成り立たない平和な社会と茶の湯の美の追求というところに置かれているのが新しい。本能寺の変の後のエピローグは「そういう考え方が成り立つのか?」と思考の回転数が一気に上がった。本当にそうであったらいいな、と思わせる。
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史実と筆者の創作が入り混じってる。
また人物像も史実に基づかない古いイメージのまま。
信長の話をしていたらいきなり顕如の話に移ったり。
自己啓発本のような解説に入ったり。
いきなり現代に置き換えたり。
全てが中途半端。
本能寺の変に至る動機についても自分としてはほとんど共感できなかった。
最後の利休の話もかなりガッカリした。
また中央精版印刷(株)の本の作り方はかなり雑だと感じた。 -
みんなが救われるようなエピローグだと思った。
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全体的にはイマイチだけど最後のひとヒネリで星二つに