逃げるな新人外科医 泣くな研修医2 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429697

作品紹介・あらすじ

雨野隆治は27歳、研修医生活を終えたばかり
の新人外科医。二人のがん患者の主治医とな
り、後輩に振り回され、食事をする間もない。
責任ある仕事を任されるようになった分だけ、
自分の「できなさ」も身に染みる。
そんなある日、鹿児島の実家から父が緊急入院
したという電話が……。現役外科医が、生と
死の現場をリアルに描く、シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 前作「泣くな研修医」の続編。
    研修医生活を終え、外科医となった主人公の奮闘記。

    著者が現役外科医であるゆえ、兎角臨場感が増し増しで伝わってきて、前作を上回る読了感だった。

    医者として「死」に慣れてきた自分と葛藤する主人公。

    純粋過ぎるが故、戸惑い、迷い、誤り、正当化し、結果自己を責める主人公にモヤモヤしつつ、それでも少しずつ成長していく姿は、やはり微笑ましかった。

    その一方で、救えなかった命も描かれている。
    医師とは患者の死をもってまた成長する側面もあるのだろうな。

    ただし患者はその家族は切に生かしてほしいと願い、医師に命を託す。頼む、助けてくれと。

    別段、わたくしごとで恐縮。
    つい先日、とても親しかった職場仲間が急逝した。
    当日の午前中までは元気な様子だったが、午後に容態が急変、そのまま逝去した。

    彼女は乳がんを発症。懸命な治療の末、一時は回復するも再発。入退院を繰り返しながら休職はせず、在宅勤務で働くことで、生きるエネルギーを培えようと、彼女は歩みを止めなかった。

    それどころか、自分よりも他人を心配し、励まし、私にさえもエールを贈ってくれた。

    亡くなる10日前に、彼女は私の自宅へ大きな大きなスイカを送ってくれた。「毎年買っている千葉のスイカ、家族のみんなで召し上がれ!」とメッセージを添えて。

    私はスイカを見て喜ぶ子供の写真を添えて、彼女にお礼のメッセージを送った。それが最期の連絡となった。

    時の流れが前にしか進まないのと同じく、命の消費期限も刻一刻と刻まれていく。

    私も本作の主人公のように、どうやら逞しくない部類に入るタチであろう。

    しかしながら、命の尊さを身をもって教えてくれた彼女への敬意を胸に、精一杯生きたい。言葉にすると薄っぺらくなるのがくやしいが、知らん。そう思ったものは思ったものなのだ。

    だから主人公・雨野。
    お前は他の誰でもなくお前だ。
    そのまま突き進め。当たって砕けてまた立ち上がれ。


    嗚呼、またもや取り止めのない、徒然なるままの感想となってしまったことをお許し願いたい。

    • akodamさん
      hiromida2さん

      こんばんは。
      あたたかいコメントありがとうございます。

      彼女が逝去してまもなく49日。
      悲しいかな、このご時世も...
      hiromida2さん

      こんばんは。
      あたたかいコメントありがとうございます。

      彼女が逝去してまもなく49日。
      悲しいかな、このご時世もあって未だにお線香もあげにいけておりません。

      hiromida2さんが仰ってくださったように、彼女は生き抜いたのだと私も思っております。ありがとうございます。

      本作品の私のレビューは、自身の体験と重ね、偏ったものになってはおりますが、少しずつ成長していく主人公に、感情を揺さぶられるのではないかと感じております。
      2021/07/11
    • hiromida2さん
      akodamさん、

      ありがとうございます。
      こちらこそ、心温まる返信嬉しかったです。

      彼女の生きた軌跡は自分に重なるものもあり感慨深くレ...
      akodamさん、

      ありがとうございます。
      こちらこそ、心温まる返信嬉しかったです。

      彼女の生きた軌跡は自分に重なるものもあり感慨深くレビューを拝見しました。
      一緒に病気に向き合う医師の成長物語は、
      きっと、心揺さぶられる気がします
      (だからこそ、少し避けてたのかも…でも、本当はとても興味があり、akodamさんのレビューを拝見して読んでみようと思いました(^.^)

      無神論者的な私ですが、こうしてレビューの中にも彼女の思い出が…お線香をあげるのも難しい、こんなご時世ですが、覚えていること、折に触れて思い出すこと、それが自体が本当の彼女への御供養だと思います。

      レビューを拝見しただけで涙腺がヤバくなる私にとって、この作品はやはり少しヤバいかもですσ(^_^;)
      2021/07/11
    • akodamさん
      hiromida2さん

      返信ありがとうございます。

      「覚えていること、折に触れて思い出すことが彼女への供養」

      hiromida2さんに...
      hiromida2さん

      返信ありがとうございます。

      「覚えていること、折に触れて思い出すことが彼女への供養」

      hiromida2さんにそう仰っていただき、少し気持ちが救われました。そうですよね。今は彼女を想うこと、彼女のためにも、自分のためにも、しっかり生きること。そんな1日を繋げていこうと思います。
      ありがとうございます。

      私は医療系の作品に手を伸ばす時は大抵、気持ちが落ち込んだり、弱っている時が多いかもしれません。

      どうかhiromida2さんさんのペースで、是非ご一読ください!
      2021/07/11
  • 「では、心臓マッサージも強心剤もすべてやるということでよろしいでしょうか」
    「‥‥‥‥」
    ーー急なのに、いきなりそんなこと決められないよな‥‥。
    隆治はそう思い、無言の時間を待った。


    研修医期間も終わり、新人外科医1年目の雨野隆治の日常を描いた第二弾。特別な事件が起きるわけでも、大変な病に向き合うわけでも、特別な才能が開花するわけでも、ない。

    けれど、本書を読みながら何度も、私はこの10数年の間に起きた今から考えれば「人生の節目」の瞬間のことを思い出していた。心の準備もないまま、病院の集中治療室(CTU)のそばにいて、「これにサインをください」と言われて、何人が直ぐに決断を下せるというのだろうか?でも、現代医療はそれを求めてくる。若い人には実感ないかもしれないが、一定年齢に達すると(ほぼ)必ずその瞬間がやってくる。私は長男でもないのに、この14年間に4度もそれに似た経験がやってきた。近くは去年経験した。

    蘇生措置。始めるにしても、止めるにしても、当の本人にとって、それがどんな意味があるのか?どれだけ痛いのか?「本人は痛みなんて感じていないはずですよ」説明を聞いても、結局わからない。それは本人にとって一生に一回のことだから。でも決めなくてはならない。その時、傍らにいて、お医者さんはたいていクールに佇んでいる。出来たら、その先生は雨野隆治のように「やさしいこころ」の人であるようにと願う。

    去年の医療崩壊を経験している私たちは、酸素飽和度が90%を切るという事がどういう意味を持つのか既に知っている(意識を失うレベル)。でも多分最初に見る人は、90%切るぐらいならいいじゃないと思うかもしれない。雨野は、主治医として患者の急変、息子としてお父さんの急変、ふたつに立ち会ってしまう。雨野は未だ急変の原因を的確に当てられない。でもこの病院は、深夜であろうとも20分で駆けつけてくれるベテラン医師もいる。患者としては、こういう病院であってほしいと願うばかりだ。

    雨野は未だ未熟だし、遠く離れた実家の父親への対応も決して褒められたものではなかった。でも彼は未だ逃げていない。

    「外科医は、時に人を殺すんだ。その自覚がないなら、外科医をやっちゃいけない」

    少し優しすぎる新人外科医の次のステージを、また見に行こうと思う。

  • 1作目から時間がかなり経ってしまったけど、やっと読めたシリーズ2作目。
    研修医2年目の雨野が奮闘、葛藤する様子がリアルで入り込んでしまった。
    研修医ならではの失敗もあったけど、その後の対応に雨野の人間性が出ていて好感が持てた。
    患者の病気と父親の病気、それぞれの立場での思いにも共感しながら読んだ。
    こういう経験が成長に繋がっていくんだろうなぁ。

  • 読者に優しく、小難しい医療専門用語も解説し、主人公雨野隆治が語り部となって読み易い。
     研修医から新人外科医になった今も、泣き虫で先輩女性医師から怒られている雨野は頑張る医師として健在です。

    前回読んだ研修医一年生の頃の話は、BSC(Best Supportive Care)これ以上何もできないと診断した指導医に対し「まだやれることあるじゃんかよ!なんだよBSCって!」と心の中で暴言を吐いていたことを思い出しますが、新人ながら経験値が上がってくると、本当に何もしてあげられないことを思い知らされることになるのです。
    でも生死の境界線を完全に超えたわけではなく、死線を彷徨っている患者がいるうちは、院内のソファや、仮眠室生活が続きます。雨野医師だけではなく当直明け一・二時間睡眠は当り前の世界です。自然と頭が下がります。

     患者の背中にお絵描きをしている人であっても、医療の世界では平等で、主治医雨野の名前は最後まで覚えてもらえなかったことは残念だけれど、容態が急変し集中治療室に向かう前に終末期の苦しい中で、患者が主人公にかけた言葉は、

       「なあ…いい医者…なれよ…」でした。

     そんな雨野医師ですが、悪い事ばかりではありません。情け容赦がない厳しい立場で働いている彼を知る由もないのに、お付き合いできる彼女が出来ました。デートはすっぽかしてばかりだけど…理解してくれている。

     彼の医師としての理解度は、研修医には到底わからない領域に入りました。それが良い事か、そうでないかは、まだ彼には答えが出なくて泣くばかり…。

     “ココイチの五辛カレー”を食べる習慣がある先輩女性医師は健在です。

     読書は楽しい。次回作も楽しみです。

  • 新人研修医から3年目に入り、下に新人研修医が入ってきた。前作より進歩したかと思ったが、相変わらず手術で失敗したり、言わなく良いことまで家族に伝えてしまう。今どきの若いギャルと思った新人研修医が格段に力を付けて来ているし、同期の耳鼻科医もそれなりに出来ている。恋愛も奥手すぎる。父親の病気に付いても、専門医でありながら連絡もしていない。主人公だけ出来損ないなのか、それともそれが一般的な医者なのか考えてしまう。「泣くな研修医」ということで、非常に弱々しいキャラを設定したのかもしれないが、命を預ける患者という立場だったら不安だらけに思うのだが、どうだろう?

  • 物語を通して雨野さんの優しさが滲み出ています。
    まだ自分1人では手術も出来ないけれどその葛藤の中で一人一人の患者さんに寄り添う雨野さんが人としてとても優しい方だと感じました。
    常に全力を注ぐ姿に心打たれる作品です。
    続編も楽しみです☺️

  • あっという間に終わった。面白すぎです。いやそんな言い方は不謹慎かもしれないけど。
    少しクスッとして、ホッとできたのはCoCo壱が登場する場面。この病院ではスタッフの定番食だとか。愛知県民としてはムダに誇らしく思える瞬間(笑)
    食事も人を支えてるんだな、と改めて得心。

    とはいえ今回はヘビー。出来のいい後輩が入ってくる。1作目の「大丈夫です」を伏線とするように、急変してしまった患者のご家族から詰め寄られる。先輩には叱られる。お看取りの回数も増え、毎度やるせない。そこへさらに医療過誤を起こす。
    まさに逃げるな、だ。

    しかし、この主人公は逃げない。折れない。実家の父が倒れても働き続ける。たとえ挫けても立ち上がりが早い。悩むことと仕事を同時にこなしているからなのか。
    人間らしく、もっともっと悩んで立ち止まったっていいんだよ、とさえ思ってしまう。それでも読者をおいてけぼりにしない、なんだろうこれ。不思議な感覚。


    余談ながら大腸がんからの腹膜転移、肺がんから間質性肺炎。両親の死因とまったく同じで突き刺さる。それは呼吸器を外す瞬間ピークになった。
    この主人公と私とでは、考えの深さがまるで違った。言葉にならないほどの後悔が襲ってくる。
    まだまだ。
    人生はまだだ。
    逃げるな、はるパパ。
    覚悟を決めて、もっとがんばるぞ。


  • 中山 祐次郎 著

    ブクログさんのレビューを拝見して、読んでみようと思った作品です。 

    ありがとうございます⁎ˇ◡ˇ⁎
    早速、少し勇気を出して(´∀`)読みました。

    ラストは唐突に終わってしまったという感じなので、続編を読まなきゃ…って思いました

    最初の読み初めは、そんなに深くなくて、
    前作はまだ読めていないのですが、研修医が研修期間を終えて、本物の外科医になったところから始まる本作
    雨野外科医の病院に於いての日常を取り上げており、彼の真面目な性格がゆえに、緊張を呼んだり、医師としての責任を果たす奮闘ぶりが窺える。

    尊敬する先輩外科医から、必死に学びながら、的確に判断出来る、そんな先輩医師に憧れつつ、自分の器量の乏しさに悩み、自分が目指す医者になれるだろうか?と揺れる心や精神的に追い詰められる様子を流石に著者本人も医者という立場から現場の空気をリアルに描いている 焦りや失敗は、まだまだ、新人外科医にとって大きな痛手になる

    しかしながら、普段の業務に忙殺されながら、緊急事態の対応にあたる医師という立場の苦悩や葛藤する思いも伝わってきて、真摯に向き合う新人外科医には医療を学びながら、患者の立場を思いやる人間らしさに、少し希望を見出せた気がするし、医師としてのあるべき姿に期待感を込めて読み進めることが出来た。

    私は医者ではなく患者という立場だが、
    研修医の如く、長く病気と向き合い闘い、
    ある意味病気について、色々勉強し、医師の診断に寄り添い考えてきた気がする。

    そんな中で、病気を抱えている者、体調に心配事を抱え不安になっている者には、相手を気遣うにしろ、自己満足にしろ、
    決して、安易に”大丈夫”って言葉を使ったり投げかけたりしてはいけないと思う。

    私は自身の経験上からも、病気で悩んでいる人や不安を感じている人に対して、その悩みを打ち明けられても、決して「大丈夫!」って言わないことにしている
    本書にもあったが、それは危険を伴う言葉だと思うから…。

    私自身、病気で不安に感じている症状の時に、相談ではないが、友人に不安な症状を話した時「大丈夫よ!」って何の根拠もなく言われ、返って気分が落ちた経験がある。

    普段、側にいて見ている家族の大丈夫という言葉の意味とは大きくそれており、家族の大丈夫は何があっても(悪い結果だとしても)一緒に乗り越える意味の覚悟の大丈夫という声がけの気がする。

    だから、医者なら尚更…根拠のない大丈夫ですというのはNGなんだと思う。

    医者の言葉は信頼性が高くて、信じ切って、その指示に従う場合が多い(それしか出来ないから…)しかし、大丈夫じゃない場合、裏切られた感覚に陥る危険性を孕んでいるから、かなりの慎重さが必要だと思うし、
    実際、「私、大丈夫でしょうか?」と聞いて「大丈夫です」と返答した医者は、これまでいなかったと記憶する。
    勿論、これを試してみていいかしら?このやり方で大丈夫かしら?といったような応えには…それでいいですよ、と言われた事はあるとは思うけれど…。

    得てして、症状が悪く、病状にかなりの不安を抱えている患者さんは、ベテラン医師に診てもらいたいという思いが往々にしてあると思う 経験こそ実績であり不安を解消したいのに、余計な不安を抱えるのは怖いからだ。

    実際のところは、ベテラン医師がいい医者であるとも限らないし、失敗しないとも、正しい診断をしているとも言えない場合も多いのも現実であるけれど、、
    (高圧的な態度の苦手な医師もいたし…(・_・;)

    不安はあるものの、新人外科医には、病状の変化にも同じように敏感になったり、色んな苦労を極めても、医者になろうと決めた理由、医者になって多くの患者を治したいという当たり前でシンプルなポリシーを持って、医療に真摯に向き合う姿に、いいお医者さんになってほしいと期待を込めてしまう。

    一緒に歩んでるような気持ちになることすらある(おこがましいですが…)

    私自身は自分の病気に対して、常に客観的に冷静に病状を把握して、出来る限り、淡々と平静さを心掛ける事にしている。

    副作用による辛さや痛みは、人によって苦痛の差はあるものの、大体決まったような副作用があり、結局、誰にも手助けしてもらうことが出来ない、
    ひとりで痛みや苦悩を乗り切るしかない。
    正直その痛みから解放されたら、どんなにいいかと真剣に思うこともしばしばある、、だからこそ、クヨクヨせず、平静を装ってるのは不安と怖さでいっぱいで、そんな自分に負けないよう踏ん張ってるからかもしれない。

    本書を読み進めてゆく中で、
    それこそ、客観的に見れるはずの他人事に感じる作品に登場する患者の水辺さんに、水辺さんの主治医として、失敗を悔いながらも、必死に携わってゆく雨野医師の姿に、、何だろう、なんで何だ?
    その人の生き様に重なる一言、一言に、堰を切ったように涙が溢れて、涙が止まらなくなった。
    本の文字が霞んできて、
    不覚にも、号泣する自分は、他人事のはずなのに主観的に捉えているではないか?

    雨野医師もまた、外科医になって色んな患者の死を経験していても、悲しみに感情が揺さぶらされてしまう。それでいて、気がかりだった自身の父親のあっけない死に対して、妙に冷静になって、肉親の死を体験するというより、医者として、父親の死を見ているような自分に驚いている

    隆治(雨野医師)は父が死んだ、その計り知れないショックのはずの自分と一方でそのことを淡々と冷静に見ている自分が、まるで別人格の2人の自分がスイッチで切り替わるようにして現れることに、気づきながら、そのことを認めたくなかった。
    自分が医者的な人格を持つことがどうしても嫌なのかもしれないと感じる…という文面に唸った。
    医者も人間、そして人間って本来、二面性を持ちながら生きてるのではないだろうかと思う。

    その、隆治もラストには何かが吹っ切れたように、声を上げて泣いてしまうのだ、

    泣くのは嫌だ!泣いたら負けだ!って勝手に自分で理屈を捏ねて自分を繕っている。
    でも本当は自分を頑張り過ぎてるのかもしれない
    泣いてもいいんだ!いや、時に人は思いっきり、感情を露にして泣いた方がいいんだって思える。

    私自身、我慢していたことが何らかのきっかけで、タガが外れたようになってしまうことを、とても恐れているが、
    この作品を読んでいて、堪えていた気持ちが解放されたような気がした
    泣いたら、スッキリして、また少し前向いて歩いていけそうな気がする。

    医者もプレッシャーを抱えているんだって思う、
    患者にはプレッシャーはない
            あるのは不安だけ。

    如何にせん、医師は患者にとっての頼みの綱なんだろうと思う

    病気の悩みは医師にしか受け止めてもらえないのも本当のことだ
    家族も友人も心の支えになってるけど、個々の病気の内容や心情は図り知れないと思う。
    仕方ないと思う 
    誰しも与えられた時間の中で、自分に与えられたものの中で踏ん張るしかないんだから。

    病気にならなければ、したい事、出来たことは…いっぱいあったはず、、と思う
    しかし、本当にそうだろうか?

    病気をして気付けたものは、多くあったけど、病気になって何もいいことなんてない

    姉は私の事をかわいそうだと言った…
    でも、小林麻央さんじゃないけれど、
    病気が、私の人生の全てではないし、自分の人生の代表する出来事でもないのだ。

    ただ、命の重さを感じるとき

    甲斐のある生き方って何だろう…
        私は今を生きてゆくだけだ! 

    死を間近に悟った時、水辺のように…
    人は生きてゆく者に託したいと思う

    重い病気を経験してない人も、健康であることの有り難さを感じて大切に生きてほしい

    病気を背負って亡くなった人の分、自分を大切に生き抜いてほしいと願う。
    「何を言ってるんだか…
          でもそういうことなんだ」

    患者がいて医師は存在する
    そして、医師がいるから頑張ろうとする患者もいる。
    見離さないで…と思ってる患者の存在も事実です。

    頑張れ新人外科医 雨野隆治!次回作も隆治の奮闘ぶりを楽しみにしている
    私は、何とかまだ、しぶとく生きなきゃならないからねᕦ(ò_óˇ)ᕤ


    • akodamさん
      hiromida2さん

      レビュー拝読しました。
      その後ご体調はいかがでしょうか。

      hiromida2さんが綴られておられたよう...
      hiromida2さん

      レビュー拝読しました。
      その後ご体調はいかがでしょうか。

      hiromida2さんが綴られておられたように【大丈夫】は諸刃の言葉だと思っています。

      発する側の【大丈夫】は、話の内容を加味して励まし、エールを込めることもあれば、ただただ戸惑い、相槌になっていることもあるでしょう。ただし、そこに悪意はなく。

      一方で受け取る側の【大丈夫】は安心できて前を向ける時と、逆に不安になり落ち込んでしまう時もありますよね。そこに根拠があれば心も晴れるのかもしれません。

      特に医師という立場の言葉は患者からすれば一言一句が重い。私も長らく患者の身なので、通院のたびに一喜一憂しながら、最後は自分の中で自問自答して折り合いをつけています。

      私は本作を読んでいて、医師である主人公が時折患者に感じてしまう場面がありました。患者の言葉で一喜一憂しながら、自問自答して折り合いをつけているような。

      私も主人公・雨宮の成長を今後も楽しみにしつつ、私自身もまだまだ、しぶとく生きなきゃならんのだと!

      長文失礼しましたm(__)m
      2021/07/22
  • 医者になって3年目。
    研修医から外科医となった、雨野隆治の話。

    作中でも本人が気づいているけれど、主人公の印象が変わった。
    前作にあった危うさが解消され、普通の医者らしくなったというか、すこしドライな感じ。

    西桜寺凛子が優秀な研修医すぎた。
    彼女のキャラクター自体は、痛快で好み。

    スーパードクターでなんでも都合よく治ってしまわないのが、現実的な医療小説。

  • いい医者ってなんだろう?
    うーん、基準が分からないよねぁ。

    シリーズ二冊目、手に取った時は
    前回よりも分厚く読み切れるか心配でした
    そんな心配は、よそにスラスラ読めちゃいました。

    主人公が泣きそうになるシーン。
    私なら涙堪えず泣いちゃうだろーな。
    涙腺が毎回崩壊してたら、お医者さんになんかなれないよなぁ。
    患者さんの前で泣いたら、患者さんが心配しちゃうだろーし。
    自分が病院行って、先生に「うん?とかうーん」なんて言われたら不安で仕方ないし。

    お医者さんじゃない仕事だって、なかなか休み取れなかったりするのに
    お医者さんは、もっと大変だよな。

    第三シリーズも待ってます!

    佐藤先生目線の話も読んでみたいなぁ

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著者プロフィール

1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。現在は湘南東部総合病院外科勤務。著書に『泣くな研修医』シリーズなどがある。最新作は『やめるな外科医 泣くな研修医4』(幻冬舎文庫) 。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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