家康<一> 信長との同盟 (幻冬舎時代小説文庫 あ 76-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 198
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344430006

作品紹介・あらすじ

桶狭間の敗戦を機に、松平元康(後の家康)
は葛藤の末、信長と同盟を結ぶ。先見性と経
済力を武器にのし上がる天才を目の当たりに
し、単なる領地争いの時代が終わったことを
身をもって知る元康。三河一国を領し、欣求
浄土の理想を掲げ、平安の世を目指す。信長
でも秀吉でもなく、なぜ家康が戦国最後の覇
者となれたのか。かつてない大河歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい一冊。

    家康を描いたバリバリの歴史小説は難しそうでいてそうでもない読みやすさ。

    なかなかの物言いの家康(元康)像はドラマとはまた違った味わい。

    桶狭間の敗戦から始まる随所での決断、そこに至るまでの心情描写が丁寧に綴られているからわかりやすく面白い。

    母 於大との再会、打ち砕かれたシーンが印象的。

    激昂する姿といいごく自然体の家康を味わえた。

    大樹寺での登誉上人との出会いと問答もこれがなければ歴史が変わっていたのかと思うと感慨深い。

    ラストの信長との背中の流し合いがぐっと天下への道に深みを添えてくれた気がする。

  • 2023年大河ドラマが『どうする家康』、しかもその家康を嵐の松本潤さんが演じるというので予習のために読み始めた。「鳴くまで待とうホトトギス」と棚ぼた式に天下をとったイメージの家康がこの本で変わった。まずは一巻目を読了。先が楽しみである。

  • 桶狭間の戦いから説き起こした家康物語。
    大概の歴史小説は会話もそれらしき言葉で綴られるが、本作は現代語で語られる会話が多く、歴史小説は初めてという読者には取り組みやすいか。一方、コアな歴史小説ファンにとっては、重みが感じられないか。
    家康も自分自身を「俺」と表現し、現代言葉が多用されている。年若い正義感の持ち主として、青年家康を象徴するひとつの手法か(途中から「わし」になるが)。
    この家康、「人はなぜ殺し合い、奪い合うのか。なぜ欲や敵意から離れられないのか」と、悩みながら闘いの日々を生きる。
    そんな家康であるが、やがて相手の人の良さを弱点と見做し、逆手にとって勝ちにつなげる冷静さを身につけてゆく。
    また、家康を取り巻く女性たちー母の於大の方や正室瀬名の方それに信長の妹お市ーそれぞれが、自己主張が強くたくましく描かれているのが、安部版家康の特徴か。
    史実的にはあり得ないが、お市が家康の寝所にもぐり込み同衾してしまう。小説としては面白いが(笑)。

  • これまでの家康小説とは違う観点で面白いです。

  • 2022年、2冊目です。

  • 徳川家康を主人公にした歴史小説。
    第1巻では桶狭間の戦いを皮切りに信長と繋がった家康の活躍と苦悩が描かれている。
    歴史小説初心者でも読みやすい。

  • 戦国時代初心者に優しく読みやすい。
    見開きに簡易な関係図があり、照らし合わせながら読み進めていった。
    これは如何にもフィクションやな〜と感じる部分があったりするが、どこまでがホントにあったことなんかな〜と想像しながら読むのがまた面白かった。

  • 安部龍太郎ファンなので期待して購入。それぞれの登場人物の描写に無理がなく、スムーズに理解できて好感触。まだ序盤なので今後に期待。ただ、この文庫本は活字が大きすぎて、読書しているという感じがしない。

  • 当時のヨーロッパに鉄砲と槍の連携戦術が既にあったかどうかについてボクは知らないけど、その戦術の情報を何故か信長だけが知っていて、信長だけが採用したという理屈は無理筋だと思う。
    さらにお市の方と家康に男女の関係があったという設定も相当に無理筋だと思う。そしてこれから先、この2人のありえない関係を軸に話が進むのだろうという予測ができる。
    そういう荒唐無稽設定が付加された歴史小説が好きかどうかで、この小説の好みがわかれると思う。

  • 随分と強烈な於大の方が登場。
    でも実際はこんなもんだったかも。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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