- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344430792
作品紹介・あらすじ
マネ、ドガ、ルノワール。誰もが知る「印象派」だが、モネの《印象―日の出》が「印象のままに描いた落書き」と酷評されたのがはじまりだ。風景の一部を切り取る構図、筆跡を残す絵筆の使い方、モチーフの極端な抽象化など、まったく新しい画法で美術界に旋風を巻き起こしたモネ。その波乱に満ちた人生を、アート小説の旗手が徹底解説。
感想・レビュー・書評
-
こちらも素敵なカバー絵、クロード・モネの『舟遊び』
今開催中の彼の作品に会いに行く前に、より一層楽しめる様に予備知識を蓄える為読んでいます
この作品は、印象派の遷移、モネの生涯、モネの作品に出会える国内の美術館・フランスの美術館、マハさんの小説『ジヴェルニーの食卓』等の紹介がされています
印象派の遷移は、絵が時折載っていてわかりやすく説明されています
風景画の役割が時代によって変化しており、時代時代で絵画に求めるものが変わっており、私達に提供されたものでも共有出来るものと出来ないものがある事が窺えます
またモネの生涯の紹介では、彼の度量の大きさを知らされます
モネの庭と料理好きの話も紹介されていますが、特に料理のレシピ集があるのには驚きました
モネがどんな食事を好み、どんな料理を作っていたのか、興味津々です
-
コロナ禍のパリ。
突然のロックダウンで自宅に閉じ込められた原田マハさん。
あとがきにあったのは、つい一年前のパリの様子。
そして、今年の2月。
原田マハさんは蓼科からモネの睡蓮に思いを寄せていました。
この本では、モネの生い立ちや作品を中心に、当時のヨーロッパ社会情勢など
様々なことが語られ、とても興味深いです。
モネの生きた19世紀末、パリでは都市文化が大きく花開きました。
産業革命後の交通網の発達で、世界が大きく変化したのです。
写真が登場し、裕福な人々の注文を受けて制作する画家の需要が減少します。
印象派と呼ばれる画家たちが台頭したのは必然だったのだと納得しました。
また、日本でも 江戸から明治へと大きく時代の舵がきられた時期でもあります。
パリ万博では、ヨーロッパに初めて登場した日本の美術品が注目されました。
『たゆたえども沈まず』で大活躍した実在の人物、林忠正。
パリで日本の美術品を売りさばいて、大プロモーションを展開しました。
モネは300点近い浮世絵を所蔵していたそうです。
エピローグの「私たちがモネに惹かれる理由」が秀逸でした。
モネが日本美術に大きな影響受けていることがその理由の一つ。
そして、西洋と日本では、そもそも人と自然との関係についての
考え方が違うのではないかという問いかけ。
西洋では、自然は神がつくったものでありコントロールする対象。
しかし日本では、自然は「神の宿る」崇拝の対象でもある。
さらに、日本人にとって蓮の花には 仏さまが座っているイメージがあります。
モネの睡蓮画に神々しさや命の宿りを感じるという、
固有の感性を持って楽しむことが出来るのが、私たち日本人ではないかと。
とても興味深く、鋭い視点だと思いました。
国内でモネの睡蓮画を見ることが出来る美術館もいくつか紹介されています。
今ではもう、とても手に入らないようなモネの作品たち。
数多くコレクションしてくださった先人たちに感謝しなくては。 -
モネ展に向けて!
原田マハによるモネの解説、良すぎました...
マハさんといっしよに絵を見てる気分。幸せすぎる。
ジヴェルニーの食卓の裏話もたくさん聞けて嬉しかった。
すごく読みやすいし、美術愛に溢れていてとても面白い。
モネにますます惹かれました。ジヴェルニーも行きたいなあ
印象派の変遷も分かりやすく纏められていて、勉強になりました!
あしあとシリーズもっと出して欲しいなあ、凄くいい。
モネ展がよりいっそう楽しめそうです! -
この本を持って、フランスに行きたいと思った。
そして、日本国内にこんなにもモネの絵があると知らなかった。東京や京都に行った際にはモネにも会いに行きたい!
モネについて、ご自身の考察、小説に書きたかったこと等がこの本にギュッと詰まっていた。『ジヴェルニーの食卓』をまた読みたくなった。
-
印象派の画家として有名なモネの生涯と作品が紹介してある、モネの入門書的作品である。読了すると、多くの人を多幸感に導く絵に会いに美術館へ足を運びたくなる。
-
印象派の巨匠クロード・モネの軌跡をたどる本。原田マハさんの小説以外の本を読むのは初めて。とても読み易い上、新しく知ることも多く勉強になった。絵画や貴重な当時の写真(モネとモネの家族などの写真も!)、街の風景などを交えて説明してくれている。マハさんの印象派や絵画、モネへの熱い思いが伝わってくるせいなのか、1冊を通じてマハさんと共にモネの足跡をリアルにたどっている感覚になった。未だ緊急事態宣言などで自由に動けない日々が続くが、しばし時代、国を超え豊かな文化に没頭できた。小説『ジヴェルニーの食卓』の生まれた背景なども書いてある。
-
帯は、
-------------------------
見る者を没入させる魔術を
モネはいかにして
手に入れたのか。
不屈の革命児の謎に迫る。
-------------------------
原田さんのアートに対する愛や、
優しい言葉を読みたかったのと、
シヴェルニーの食卓でモネを好きになり、
さらに知りたくなり手に取りました。
ずっと読みたかった一冊です。
モネの何が好きかというと、
絵画に漂う空気や光も好きですし、
原田さんがきっかけで知った、
オシュデ家との関係、
そしてなんと言っても、
ふっくらした体形と、もじゃもじゃのヒゲです…!
(なんと一番は見た目。苦笑)
なんですかね、
ジブリの宮崎監督もそうなんですけど、
作者の世界の中に
本人も登場してそう…という感じです。苦笑
外見も、描く絵も、モネが経験したことも、
全てが作品にぎゅっと詰まっているというか。
鋭さや影を表現するものに惹かれがちなのですが、
モネの絵は柔らかくて優しくてブレない感じがします。
その強さというか、自然が魅力と言いますか。
アートのすばらしさ、
作者の魅力を教えてくれる原田マハさんには感謝しかないです。 -
オランジュリー美術館に行って以来、すっかりモネの魅力にはまってしまったので。
同著者の「ジヴェルニーの食卓」を読んでから読むと、より楽しめる。
この本を片手に、フランスでモネの軌跡をたどる旅も出来るようになっているし、日本の美術館でモネが見られるところも載っていてよかった。(国立西洋美術館、ポーラ美術館、ブリヂストン美術館、大原美術館、ひろしま美術館、サントリー美術館、松岡美術館、笠間日動美術館、東京富士美術館、アサヒビール大山崎山荘美術館、DIC川村記念美術館、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館、横浜美術館など。※常設とは限らないので要事前チェック)
アートも色々掲載されているけれども、モノクロなので「カラーで見たい!」と思ってしまう。画集を買いたい! -
「私にとって絵を見ることは、アーティストと会話することです」と述べる著者の、モネ解説本。
モネの生きた時代の画壇の説明から、モネの画風や彼の生涯まで、その足跡を辿りながら解説する。
モネの絵が展示されている美術館も紹介し、その辿る順序も明かし、一種の旅のガイドブックともなっている。
日本国内にも数多くのモネ作品があるようで、著者のモネ愛が伝わってきて、それらの美術館を訪ねてみたい思いに駆られる。コロナ禍が一段落したら・・・
頑張る時と頑張らない時の波もあります
レシピ集の内容は記載されていなかったので、ちょっと調べ...
頑張る時と頑張らない時の波もあります
レシピ集の内容は記載されていなかったので、ちょっと調べたら、庭で摘んだハーブや畑で採れた野菜を使った素朴な家庭料理だそうです
本3さんはお料理好きですか?
御家族の事、ちゃんと考えて作っていらっしゃるので、えらいと思います