- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344431843
作品紹介・あらすじ
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感想・レビュー・書評
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櫛木理宇『残酷依存症』幻冬舎文庫。
『殺人依存症』の続編。何故か読み逃していた。続編の『監禁依存症』が来月刊行されるのを知り、慌てて購入した。
書下ろし作。前作にも増して過激で残酷な事件が描かれる。監禁事件の不運な被害者と思われた3人の大学生の本性が少しずつ明らかにされていくプロセスと思いも寄らない事件の真相、結末が凄い。
そして、一連の事件にはあのサイコパス女の浜真千代が再び関わっていたという驚きの事実。恐らく次作の『監禁依存症』では浜真千代がメインて暴れるのではないかと思われる。
大学のイベントサークル『FESTA』に所属する乾渉太は、同じサークルの瀬尾航平、阿久津匠と3人は夏のイベント用に借りている海辺の借家を下見に行く。乾渉太が買い物から戻ると何者かにスタンガンで襲われ、頭を殴打され、気を失う。
乾渉太が目覚めると、そこは浴槽で後ろ手に縛られた上に、信じらないことに両足の親指と小指を切断されていた。風呂場に置かれているノートパソコンのモニターには瀬尾航平と阿久津匠も同じように監禁されている姿が映し出され、監禁者は3人の中の1人を選び、爪を剥がせと命ずる。次は歯を抜け、目玉を抉れと次第にエスカレートしていく監禁者の要求……
一方、警察は全身を激しく殴打されて、殺害された女子大生の木戸紗綾の事件を捜査していた。捜査を続けるうちに被害者の木戸紗綾の素顔が明らかになり、監禁された3人の男子大学生とのつながりが見えてくる。
本体価格750円
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依存症第二弾の一冊。
うわ…これは中世ヨーロッパの拷問かというぐらいの残虐な行為にヘロヘロ。
鎮痛剤アレルギーの自分にはとても無理な世界だ。
なぜにこんな残酷で残虐な行いが繰り広げられるのか…次第に明らかになる彼らの過去の悪行に反吐しか出ない。
連帯感なんて綺麗ごとを言っている世にもおぞましい鬼畜たち。
傷つけられた側は心まで破壊され、治癒不可能なのに傷つけた側は単なるゲーム感覚。
ならば目には目を、納得の処刑だ。
最後、老女の耳元で囁いた彼女の姿がとても印象に残った。まだまだ彼女の内面を深く見たい気分にさせられる。 -
グロテスクな描写が多かったが、それを勧善懲悪、自業自得といった背景で読み進められる。
そういう描写が苦手じゃない人にはお勧めできると思う。
結局刑事のパートはそこまで意味を成さなかった様に思える。 -
頼りなく意識が浮遊している。ゼリー状だ。震えて、揺れている。意識だけではなく、自分そのものが、だった。ミルクのように濃い霧の中を、かたちのないなにかになって漂っていた。(P.22)
鎮痛剤の眠気がもたらす、とろりと濃い乳白色の夢だった。(P.105) -
なにしろ痛々しい。やはり、残酷なことをすればそれだけの報復はあるのです…。それぞれの人格や人間関係が描かれていて、人間て深いな~と改めて思いました。これはとくに若い世代の人に読んでほしい。いちばん印象に残ったのは、その残酷な痛めつけかた。とにかく身体はぐちゃぐちゃになってひどいものでしたが…思っていたより冷静に読めました。誉田哲也さんの『ケモノの城』を思い出し、それを思えば…ですが…
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※
殺人依存症から始まり、残酷依存症へ続く
依存症シリーズ。
タイトルだけでも十分、登場人物の歪んだ
思考や行動への想像を掻き立てられるが、
読み始めて直ぐからの残酷な描写に
やっぱり顔を顰めてしまいます。
人間のエゴや身勝手さ、増幅した悪意を
これでもかという程、見せつけられて
負の感情を全力で拒否したくなります。
目を背けたくなるような場面が満載なのに、
どこかで起きているかもしれないという
嫌な現実味があり、同時に認めたくないけれど
絶対にカケラも抱かない感情かと問われると、
完全に否定できない醜さや弱さ、自分勝手さに
自分本位な人の業を思い知らされる。
どれだけ虐げられて歪んだとしても、
決して堕ちてはいけない最後の一線を
振り切るほどの絶望は、どれほどのものか
想像すると胸を焼くほどの息苦しい。
被害者、加害者、犯人を追う刑事の目線、
その全てに引き込まれるので、
ガッツリ読むと非常に体力がいります。
でも、読む手を止められないし、
やめられない一冊です。 -
サークル仲間の三人が監禁される。犯人は彼らの友情を試すかのような司令を次々と下す…
あらすじにはデスゲームとあるが今まで見たそういう系の本の中で一番グロくて読んでるだけで痛みが伝染する。