ニッポン47都道府県 正直観光案内 (幻冬舎文庫 み 10-11)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 248
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432123

作品紹介・あらすじ

スペクタクルな富山県、果てしなく遠い和歌山県、大分県は大魔境、何かとやりすぎな徳島県、青森県はSFの世界、愛知県の可能性は無限大、埼玉県がダサいと言われる本当の理由とは?へんてこ旅を愛する著者が、知名度や評判に惑わされず本気で「イイ!」と思った観光スポットのみを厳選。かつてなく愉快な、妥協なき47都道府県観光案内。

感想・レビュー・書評

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  • テキトーそうに見えて全国各地をしっかり訪れ、ばっちり分析されている。(普通に失礼…)

    紀行エッセイストの著者(兵庫県出身。旅行欲を抑えきれずに脱サラ、以降約20年「旅行しまくっている」)が正直にいいと思うスポットを47都道府県別に紹介。例えば…

    ・奈良県
    個人的に好きな県。一言で表すと「カサカサしている」らしい。(奈良に限らずどの項も紹介の仕方が赤裸々、というかボロカス)
    地味なのは否めないが、更に「カサカサの裏に独特の不気味さが隠されている」という。ルートも奈良市や飛鳥の他に天理が入っており、不思議な組み合わせでありながら奈良をトータルで楽しめるようになっている。

    ・東京都
    ただしイチオシのコースは全て島。埼玉県の項にて「関東平野は山がないから景色が空虚だ」と仰っていたのもあり、海に視点を移したっぽい。
    例えば八丈島は沖縄の海に匹敵する海の青さで、海洋生物にも気軽に会えるんだとか。島々へのアクセス手段は船だが意外にサクッと行ける。


    本書の狙い通りというか、有名なイメージとは別で新しい発見もちらほらあった。例えば…

    ・千葉県
    自分もTDR以外よく知らない勢。でも房総半島は週末のお出かけエリアとして聞くことが多く、ぼんやりとした憧れがあった。映えスポットも良いが、館山城敷地内にある『南総里見八犬伝』にちなんだ八犬伝博物館はにわかファン(おい…)でも行ってみたい。

    ・富山県
    黒部ダム!イメージするだけでも壮観で気になるし、観光用ではない現役のトロッコ列車に1時間45分も乗っていられるとは!保津川のそれすら乗った事がないけど、いきなり本格的に乗車デビューを飾っちゃうのもアリ⁉︎
    美術館好きとしては、水力発電所を改造したという森発電所美術館も見逃せない。

    ・佐賀県
    お祭り(見物専門)が好きなので、著者激推しの浜崎祇園山笠(唐津市)は気にならないはずがない。山笠の高さは15㍍、重さは5㌧、夜は電飾も施され(写真を見たが良い感じの配色にゴテゴテ感!)、全国規模で見ても最大級。にも拘らず知名度が低いと嘆いていらっしゃったが、自分としては全国からの人だかりを気にせずに鑑賞していたい笑



    内容としてはマニアック過ぎて、心の底から行きたいと思った場所に行けば良いと思った。
    でも有名処を見るだけ見て終わるような虚しい体験は自分にもあったから、真に楽しめるスポットを探したいという気持ちはよく分かる。
    せめて二度目以降に訪れる場所は、正直な気持ちに従って観光しよう。まぁそれが旅行本来の在り方なんだが…汗

    • koshoujiさん
      えー、ブクログ様から「YouTubeへの直リンクを張ったコメントは即刻削除せよ!!」との警告メールが届きましたので、前のコメントの指摘された...
      えー、ブクログ様から「YouTubeへの直リンクを張ったコメントは即刻削除せよ!!」との警告メールが届きましたので、前のコメントの指摘された部分を削除して書き直しました。ご了承ください。
      えー、ブクログ様から「youtubeに直リンクを張ったコメントは即刻削除せよ」とのメールが届きましたので、その部分を削除して書き直しました。ご了承ください。
      現在のブクログの担当者は、この10年間、私がどれほどブクログの普及に貢献してきたか知らないらしいです。
      まあ、makopapa77で検索すれば、私の真の姿が半分ほど分かりますが。

      初めまして。
      私のレビューに対して“いいね”ありがとうございました。
      私は数年前、ひらすらブクログにレビューを書き続ける毎日を送っていたのですが、仕事が忙しくなり、最近は殆ど本も読めず、レビューも書いていません。そのうち、また面白いレビューを書くつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします。
      2022/10/13
  • 著者は 思う存分旅がしたいから
    脱サラした方なので
    日本全国 舐めるように行きつくしてるなぁ
    という感じがします
    自分の地元や 義理実家のある県など
    良く知ってる県の案内を見ると
    思わずうなずきたくなるチョイス

  • 定期的に旅行したい欲が出てきて、ブグ友さんの本棚で見つけてお取り寄せ。
    観光とは何か、すごい観光地とは、旅慣れた人が巡る傾向などに触れ、「誰が見ても来てよかったと思える、手ごたえの感じられる場所を観光したい」という想いを基に、著者の正直にいいと思うところが厳選され都道県別にギュッと紹介されている。
    潔い独断さが心地よい。行ったところに対してはなるほど、そういう紹介の仕方があるのかと思える。まだ行ったことのない場所については、「突然ですが、大阪城からまっすぐに北上したとします。するとやがて日本海に出るわけですが、そこは何県になるでしょう。」、「全国都道府県魅力度ランキングで、常にワーストワンを独走する〇〇県」などと導入で紹介されていたが、見どころ満載で訪れたくなった。

  • 先日、夫の友人一家と家族ぐるみの旅行へ。施設でガイドブックを取る取らない、チェックアウトの行動など「人によって旅に対する感性が違うねえ」と帰宅後に夫としみじみ語りあった。そうやってぐるぐる考えながら本棚を漁っていたら、ぴったりな一冊を発見。宮田珠己さんの珍道中なら間違いなく面白い。
    47都道府県、全部に対して宮田さんが観光案内してくれるなんて、楽しいに決まっている。個人の主観バキバキなのが、たまらなく良い。著名な観光地をスルーしたり、関東平野は平らすぎて観光資源に乏しいとか、中国山地を西日本大味ベルトと表現したりとか、結構ズバズバと切り捨てていく。一方で異界感やファンタジー要素には感度が高く「へえ〜〜そんなのあったんだ」と随所で思わせてくれるのだ。
    20代の頃から「疲れたときには宮田さんのエッセイ」と決めている。頭を空っぽにしてゲラゲラ笑えるのが本当に気持ちが良いんです。そう…………私は心底疲れていたのだ。アウェイ感のあるお付き合い旅行に仕事での落ち込み事案……色々と疲れていた、認める。だからだろうな、宮田さんのエッセイに吸い寄せられたのは。今後も氏の作品は本棚にさしておこうと思う。心のサプリメントなので。

  • 文体いつもとちょっと違っておさえ気味。

  • 著者曰く、観光とは「凄いもの、奇妙なものを見ること」 そしてこの本のコンセプトが「マニアでなくても専門知識がなくても楽しめる観光スポットの中からいいと思う場所だけを紹介」
    とにかくわかりやすくて、断言しているのが気持ちいい! 私が特に惹かれたのが 熊本県。 阿蘇など本当に素晴らしい景色だと思う。 だいぶ前に仕事で行ったことがあるけど観光できなくて残念でした。 行けるといいな。

  • タマキングによる正直な47都道府県の感想。
    下手に褒め称えるわけではなく、読んでてこれこそ正直な感想だよなあって思った。でも「見どころなし!」なんて切り捨てるんではなく、筆者の好みに従っておすすめ名所を教えてくれるので興味深かった。自分の県も何にもないと思ってたけど、それなりに見る所はあるのかも…とちょっと見直そうと思った。

  • 岩手 妖精のところ、宮沢賢治、おしらさま、金色堂など異界とのつながり、リアス式海岸=穴、洞窟のメッカ

  • 2022/07/16
    宮田さんのゆるくユーモアのある視点で紹介される47都道府県の魅力についてまとめられた本。
    全国色々なところに出かけたことがあるからこそ至る旅の局地に到達している宮田さんだからこそ表現できる旅の視点で全ての都道府県が余すことなく網羅されているからすごいです。
    しかも、この都道府県といえばここ!という大多数の人が思い浮かべるところではないというのもこの本の魅力の一つです。
    宮田さんのした旅をなぞることができる感覚になれる旅の本が大好きで津々うりゃうりゃとか私の旅に何をするとか、いい感じの石ころを拾いにとか宮田さんの旅に関する本をたくさん読みましたが、短編で(47個)て構成されているこの本には全国の一風変わったコアな観光スポットがたくさん詰まっているように思います。
    どこか旅行を考えている際には、ガイドブックの他にもこの本を読んでいくといいのではないでしょうか!?

  • あまりメジャーではないところの紹介があって良い。
    いったらちょっと寄ってみようかなって思う。

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著者プロフィール

旅と散歩と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。主な著書は『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『東京近郊スペクタクル散歩』(新潮社)、『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など。

「2023年 『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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