- Amazon.co.jp ・マンガ (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344801981
感想・レビュー・書評
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最終話の効力が絶大で、あのまま終わるよりかなしいよね。
こいつのせいで丸三日くらい骨抜きになった。
きっと計算ずくで最終話を加筆したんだとかいって恨んだりもした。
汚いなさすが冬目景きたない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
セリフもモノローグも巻数もぜんぶこの半分でいい。何もかも言葉で説明してしまっていて、魅力も半減。これを言うのは野暮だけど、この設定ならもっとうまく生きていけるでしょう。作品世界に全く広がりや余白がないのもなあ。
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実際に読んでみると、電子書籍サイトの「立ち読み」で抱いていたイメージよりもずっと中身はエンタメ寄りで、物語展開もよく練られており、読みやすかった。吸血鬼伝説をサナトリウム的な現代病(精神病)に解釈していたり、というか近親相姦ばりばりだったり……な重苦しいトーンの中で、静謐に、『生きていてはいけない』ものとの戦いを描いていた。精神病の先生が読んだら卒倒しちゃいそうな「間違った」道へと、互いに寄り添いながら気持ちよさそうに堕ちてゆく様子が、衝撃的で、でもどこか共感できるものがあった。
というより、この、たった二人が二人で作り出した悲劇の世界に、溺れ、飲み込まれてゆくような世界観が、もう心地良すぎて……。読んでいるこちらまでカッパ淵に引き摺り込まれるというか……。もっとウツだった頃に読んでたら、あぶなかったな。最終回ひとつ前の見開きページの、戦慄するような美しさは、他には得難いほどの漫画体験だと思う。
ラストは確かに、中途半端かもしれない。 -
読み始めたのは途中からですが、連載で追いかけていました。完結してからかなりの時間が経ちましたが今でもたまに読み返しますし、感動します。
終わり方についてはこれが最善であったと思います。
ストーリーを理解すればするほど、最終回の八重樫さんのセリフに涙するはず。
余談ですが、この漫画を読み始める前、書店人だった僕は職場でこの作品について多くのお問い合わせを受けたことがあります。まだスコラ社が健在で、三巻が出たばかりのころでした。
その時は(まだマイナーすぎて)全然わからず、タイトルと出版社を調べて取り寄せ可否を確認する程度の対応でしたが、後にソニー・マガジンズから発行されていた時期にはこの「羊のうた」を始めとした冬目景作品のフェアをしかけ、まあまあの成功を収めました。 いろいろな意味で思い出深い漫画です。 -
突然冬目景マラソンしたくなって取り出してきたので登録。そうか,こんな終わり方たったか。よ,葉,か,かわっ。吸血鬼みたいに犬歯(牙)があって噛むのならわかるけど,普通の人の歯で首噛んだら血出そうにも吸おうにも,結構な傷跡になるのでは?というか,首筋と決まってるもんなのか。しかし,なんだか親友の木ノ下がかわいそうだなあ……
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漫画なのに小説を読んでいるような雰囲気だった。
キャラクターの表情が細かく出てて、しかもその表情がどういう心情なのかを説明してくれる辺りがとても読みやすかった。
八重樫さん可愛い! -
ようやく全巻揃えることが出来たので、早速一気に読みました。
精神的に社会から隔離された空間における自我の形成、それでも、人間と同じでした。例えそれが羊の皮を被った"何か"であろうとも、彼女らは人間らしいと感じました。
それと、この巻でのラストシーン手前までの千砂の表情が堪らない。いや、他の人物でもそうだが、描き分けと言うか、沢山の感情を見て取れるのが良かった。
読み終わってみると、「美しかった」と呟いていた自分がいました。作品における設定など、個人的には好けない部分もありましたが、非常に楽しめた作品でした。 -
羊の群れに 紛れた狼は さみしい牙で 己の身を裂く (一巻冒頭を引用)
”人”としての中身が剥き出しに晒され、哀しくも寄り添い、繋がる。
と思った。
…自分でもよくわからない感想。
何回か読み返したらわかるようになるかも。 -
アニメ化したほどの作品。
結構好きです。 -
僕はこういう漫画を読んでます。設定は設定というだけでいいのです。むやみに知ろうとしないことです。
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和で吸血鬼で病的で着物少女で姉弟愛な感じで退廃的。
なんともなキーワード。
話は暗いけど、雰囲気がすごくすてきです。
冬目景さんの和服の女の子はとっても魅力的 -
冬目さんが大好きになった
切ない。凄く切ない。救えない。 -
本人の意思とは関係無しに、吸血鬼のような病を身の内に買う事になってしまった青年と、その姉の哀しき生き方を描いた、冬目景先生の作品です。単調なリズムで流れていくストーリーは余すところ無く暗いですが、それでもこのセンスと質感には独特の空気を味わう事に飽きさせない力があります。
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不思議な余韻が残る作品。タイトルから村上春樹と関連しているのかと思いましたが、違うようで。
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小栗旬さんが映画で演じた事がきっかけ。
とても切なく悲しい結末です。 -
完結。
微妙な「救い」は私的にはいらなかったと思う… -
冬目景の傑作。
穏やかなエンディングだが、誰も救われない。 -
(1〜7巻について)
ジャンル分けが難しい作品です。ホラーでもあり、ラブストーリーでもあり…といった感じで、作者独特の世界観、雰囲気が全体に滲んでいます。話に大きな起伏はありませんが最終的にとてつもない感動に襲われます。読むなら最終話の前で少し休憩を入れる事を勧めます。小生が1番お勧めする漫画です。 -
ラストがすごい悲しかった。
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重い話です。ヘビーな話です。
千砂、一砂の姉弟の未来には絶望しか残されていなかったのは最初から分かっていたこと。なのに泣けます。第46話のラストシーンは泣けます。最終話の第47話も良いです。でも第46話で終わっても良かったかもしれません。第46話のラストは悲しいけれど、その反面、良かったね…と思いました。いずれにせよ、この終わり方あってこそ、羊のうたが話題作にまで登り詰めたのかもしれません。
また、この漫画のタイトルが何故"羊のうた"なのか。
多分、全話を通じて唯一、羊という言葉が出てくるのは第43話の千砂の台詞。
「わたし達は……羊の群れに潜む狼なんかじゃない
牙を持って生まれた羊なのよ」
ここから来ているのでしょう。これも重い言葉です。
是非最初から読んできた上でこの台詞を噛み締めてください。
痛いほどにこの言葉が心に沁みるはずです。
この物語の結末は人によってはひょっとすると予想の範疇かもしれません。でも別に奇をてらったわけじゃないからそれでいいんだと思います。大切なのは、避けることのできない絶望を見据えてなお、どうやって、どのように生きるのかということだと思います。高城の家に生まれてきたという不幸を背負ったこの姉弟ですが、きっと"最後"は幸福だったのでは…と感じずには居られません。
重い話がダメな人にはお勧めしませんが、そうじゃないなら漫喫、古本などで一度読んでみてはいかが?
http://diarynote.jp/d/59319/20051015.html -
とてつもなく地味で、とてつもなく切ない
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個人的には救いようのないラストでもこの作品の場合はよかったんじゃないかと思うのですが、少し救われたようなラストです。切ないけれど、それが寂しいので星はひとつマイナス。
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近親好きな方はぜひ読んで下さいっ
切なくてちょっと歪んだ愛が萌えますw -
このお話は泣けます。
友人には少し不評だったけど、冬目先生の世界観が存分に現れていると思います。 -
終わり方が何とも言えない。救いが無い、とそれだけでなく、とても完成された作品。
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せつない
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傑作
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神!
というか、千砂を忘れるな一砂。 -
どう終るのかとはやる気持ちを抑えて読み耽ったわけですが。やっぱり死んでしまいましたか……。一砂が死ねなかったのは、本当千砂の思いの力のような気がして心がくっとします。最初あんなに警戒心を露わにしていた二人だったのに、愛とかいう言葉では表せられない絆と思いで結ばれているのが、ひしひしと伝わります。母親の真実については、驚きましたが、今までを思い出せばそうなってもおかしくないかと思いました。ずっと疑問だった父親の千砂に対する思いや扱いが今回やっと明らかとなり、疑念を抱いていた気持ちが全部流れました。本当に愛していたっていうのがちゃんと伝わったから。終わり方としてはやっぱりちょっと納得できない部分があるし、ずるい終り方だとは思いますが、今後一砂が全てを思い出すであろうことを考えると、これほど登場人物達に過酷な使命を与えた終り方も他に無かったかなと思いました。