- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344827929
作品紹介・あらすじ
大阪地検に異動した検事・野々宮は大学の先輩・伊能と七年ぶりに再会した。亡き友に縛られ自らを苛み続ける伊能を救おうと手を伸ばす野々宮。やがて伊能は心を許し、穏やかな時間がふたりの間に流れ始める。一方、ありふれた保険金詐欺事件の裏に蠢く影を感じた野々宮は、刑事の協力を得てある人物と接触するが!?「いのせんと・わーるど」新装版。
感想・レビュー・書評
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同性愛に逡巡している間に、愛する男を亡くした伊能。過去を引きずる伊能が気になる野々宮。二人が近づいていく様子が淡々とだけどゆるやかに描写されていて、大人同士の恋愛物としてとても好ましい作り。ただ、くっついてからは野々宮が関わる事件がメインになっており、その辺のところに興味がある人は楽しめるが、苦手な人は苦痛に感じられるかも。頻繁に変わる視点も事件を語る上では有効だが、恋愛物としてはちょっと。検察とか暴力組織が出てくる物語が好きな人は楽しめる、かなあ。
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硬質な社会派小説にBLなメロドラマが少し加わった感じ?淡々と話が進むのでいわゆるBL的な萌えやロマンチックさを求めて読むと肩透かし喰らうかも。検察庁が舞台でこれから事件がどう関わってくるのか気になるところ。麻々原さんの描く伊能が同性愛に悩む聖職者のように美しい。
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上下巻の上巻にあたります。検察を舞台にした話で、二人のキャラクタの掘り下げ、恋愛に至るまでを丁寧に描いています。メインキャラの描写が少し矛盾するところがあり掴みづらいかもしれません。キャラが多いですが魅力的で面白いです。
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かわいさんのガッツリかたい系のお話は地に足がついていて浮つくことがないので好きです。
今回は特に社会派ミステリー要素もあって続きが気になる! -
これがずーっと完結してなかったって……旧版で読んでた人は生殺し状態じゃん。本当に本当に待ち焦がれすぎてつらかっただろうなぁ
思いと事件とその奥にひっかかっている『何か』……これが全て明らかになった時、この二人はどうなるんだろう。
次の巻が読めるのをドキドキして待ってる。今度は最後まで読めるのよね?w
蛇足ですが、タイトルは新装版の方がいいですねw -
ストイックな麻々原さんの表紙。
社会派を描写するときの宮部みゆきを連想する、常より硬質なかわいさんの文章。
「大阪駅のホームの端が見えてくる。
野々宮の生まれ育った街はすぐそこだった。」
‥‥もう、ここから何が始まるのか、楽しみでたまらない!上質のミステリを読むような喜びにBL要素(かなり控えめ)が加わるという、珠玉の作品でした。しかもまだ前編。未完だった旧版をもしタイムリーに読んでいたら、どれほど今回の完結を待ちわびていたことか。感謝しながら次巻へ。 -
サスペンス? 要素が強いかな。確かに昨今ではあまり見ない朝チュンぶり。