▼あらすじ
箱根のオーベルジュで、シェフとして真摯に料理と向き合う周。ある日店が買収され、新オーナーの資産家・成宮がやってくるが…?
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★4.5
年明け最初に読んだBL小説。
宮本れん先生の作品を読むのは「飴色恋膳」に続いてこれで二冊目です。
小椋ムク先生の表紙絵に釣られて購入したきり忙しくてしばらく積んでいたのですが、ようやく読む事が出来ました。
表紙のイメージ通りの、あまあまで優しい雰囲気の作品でとても良かったです(^^)
「飴色恋膳」を読んだ時も思ったのですが、宮本先生はお料理やお食事の描写がとてもお上手で、読んでいてお腹が空きます。(夜中に読んでいたので尚更…笑)
前回は攻めが受けの胃袋を掴むお話でしたが、今回受けが攻めの胃袋を掴むお話で、個人的には今回のお話の方が好みで最後まで楽しく読む事が出来ました。
まず、受けの気持ちの変化が自然で良かったな、と思います。
オーナーがいきなり変わった事で最初は攻めに対して反発心を抱いていた受けが、攻めと関わって人となりを知っていくにつれて徐々に考えを改め、相手に惹かれていく様子が丁寧に描かれている為、感情移入しやすかったです。
少し子供っぽいところもありますが、料理に対してのひたむきな姿勢は読んでいて十分伝わって来ましたし、頑張り屋な受けが好きな自分には好感の持てるキャラでした。
攻めは攻めで最初こそ傲慢な男かと思いきや全然そんな事なく、寧ろ凄く紳士的で誠実なところがめちゃくちゃツボで、スパダリ好きには堪らないキャラでした。
実は過去に受けと出逢っていて、それから密かに受けに執着していたという設定も良かったです。(若干、ストーカー寄りですがそれもまた愛という事で…笑)
ストーリーについてはそれほど引っ掛かる点もなく最後までしっかり楽しめたのですが、唯一「ん?」と思った部分を挙げるとすれば受けが少々鈍過ぎるところくらいですかね(笑)
ゲイでない相手にキスまでされてるのに、その後の展開で「自分の料理にしか興味がないんだ」って誤解するのは少しどうなのかな、と…。;^_^A
いや、受けの事が好きだからキスしたに決まってるじゃん!と思ってしまいました(笑)
あとは当て馬キャラになるのかと思っていた高埜が意外にも最後まで大人しくて「あれ?」と思ったくらいで、取り立てて派手な事は起きないけれどその代わりストレスを感じる事なく読める甘いテイストの作品でした。
脇キャラ(特に轟さん)も個性的で良かったですし、新年最初に読んで正解でした。
小冊子のクリスマスネタも大変あまあまで、お腹いっぱいです。ご馳走さまでした♡