- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344841475
感想・レビュー・書評
-
出身家・白羊公一族の没落により都を離れ、ヤエトの統べる黒狼公家の領地に身を寄せた尚書官・タナーギン。ヤエトの邸でタナーギンと邂逅した皇妹・ラキニーは、その態度に胡乱な気配を感じ、スーリヤに彼の身辺に侍るよう申し付ける。男はヤエトや皇妹に金の無心をし、不思議な香りに包まれた家で隠れるようにして暮らす。飄々としながらも、何がしかの意志を感じさせる彼の行動の目的とは・・・!?都の大乱の陰に存在したひとつの物語を中心に、様々な人物の想いを描き出す、5編のストーリー。
ヤエトはほとんど登場しないサブキャラたちの短編集。本編で見えなかった感情や見方が分かってファンなら垂涎ものです。書き下ろしの花冠の話は泣けた・・・スーリヤの成長も皇妹の思いも、やるせなさも、タナーギンの心情も切なくて、単なる脇役だったタナーギンのことが好きになってしまった。ヤエトがきっとまた肩を落としてしまう(自分に非はなくてもそうしてしまう人だろう)。ルシルがセルクのことをヤエト以上に思い出していてぐっときた。セルクの蒔いた種も確実に芽吹いているんだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本編で語られなかった、大乱のあたりで何が起きていたのかを読めてよかった。
-
シリーズの短編&中編集。先に読んだものもあったけど、実は忘れていたりとか。この一冊は、やはり皇妹様の威光がものすごい。まぶしい。皇妹様は今までにないキャラクターだ。ヤエトも負けてないけど、皇女は負けてる気がする(笑)。この威光は、とても「語り手」になってからといって少なくなるものではございません。まじで。ここまで出していただけでありがとうございました。次回作も楽しみにしております!
-
あの時、彼らは何をしていたか、な番外編。
話が終わって、その後何してますか? ではなく
あの時主人公以外は何をしていたか、が語られます。
なので主人公が、主人公の妹だったり、伝達官だったり
人質として行った場所にいた幼女だったり
押しかけてきていた自称・友人同僚だったり。
最後は皇妹で、なかなか豪華でしたし
この時何があったのか、を思い出しつつ読めました。
しかし寝たきり真の主人公。
結構な人数に、あのおかゆの改善の戦線離脱を
やられていたようです…w -
番外編短編集。
-
読み終えて、ちょっと物足りなさも。
ヤエトと皇女がほとんど出てこないから。
番外編2をぜひ出して欲しいです。
皇妹とその夫の故黒狼公とのやりとりなど、怖そうだけど読んでみたい。 -
この物語の世界が好きだーっ!ヤエトも皇女も出てこない脇の人の短編集番外編だけど充実してる。『君に捧ぐ、花の冠』には泣いた。本編ではパッとしない悪役系のタナ―ギンに、こうも泣かされるとは。そして皇妹も本編では腹に一物の人っぽいが、ムダに厳しい人じゃないんだな。十分に満たされた番外編だったけど、やっぱり鳥成分とヤエト成分が足りないぞ!是非とも第2弾の番外編を!