少数精鋭の組織論 (幻冬舎新書 さ 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
3.11
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980280

感想・レビュー・書評

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  • ・・・ちょっとギブアップ。
    著者が料理人として体で覚えたことを、とつとつと話します。
    でも。
    「調理場という戦場」のように、時系列で氏の経験を読む方が何倍もわかりやすいと思います。

    素材はいいのに殺し合い みたいな本。
    「調理場〜」が好きなだけに残念。

  • 長年レストランでシェフとして活躍している著者が書いた組織論。というより、自分の意アマまでを振り返り、そこで得たことを書き綴っている。内容は参考になる部分もあるものの、構成が雑で何を言っているかわからない部分が多い。

  • とても素晴らしい。スタイリッシュではないが、血の通った文体で説得力がある。

    方針は自分で決めるもの。納得できていれば良い。
    従順な便利屋で終わるより、ゴツゴツした自分というものを認めさせるべき。

    毎日素材が変わる以上、同じ行動では同じ結果は出ない。こちらが変わらねば良い結果は得られない。→製造業でも同じ!

    満たせれていない、不遇な時は一番いい状態。道の途中ということ。

    技術は前例の後追いではなく、攻撃的で主体性をもった独特なもの。技術者は企業からすると替えのいない、気楽に消費できない相手。→このような技術者にならなければ。


    金がないのは言い訳。行動が先。行動を起こさないと金は着いてこない。

    想像や反省を重ねる孤独な時間が料理人をつくる。
    普通の人でなくなる(客観視できなくなる)と判断を見失う

    失敗を叱るのは傷口に塩を塗るだけ。こちらの感情をなだめてからの方が相手の意識に残る。

    底力は崩壊寸前の現場を乗りきることで身に付く。その通り。

    ◎仕事の核心は掃除。煩わしさの克服法や見て見ぬふりをしない意識の変化をもたらす。不便がいい。結果、便利なものを、使うより意識して掃除するのできれいになる。
    非効率が仕事の塩梅を良くする。

    教えたことを紙に残してもらい、確認する。伝わっていないことが良く分かる。

    職場の空気を維持するにはイエスマンばかりにしないこと。上意下達で終わることが嫌。→これが目標になっていないか注意!!

    競札させるが、業者もこちらを推し測っている。結果メリットを得られているのか。。。

    大切な人とはお金の関係にしない。
    ベルナール「まさおは必要だから、お金はたくさん払えない。」p173


  • 料理人の世界の話。
    習慣は第二の天性。
    想像力の奥行は、一人の時間にモノを思う分量、に比例する。

  • 2023.07.19 品川読書会オフで紹介を受ける。
    2023.07.31 読書開始

  •  著者は、フレンチを知る人はよく知っている三田の名店「コート・ドール」のオーナーシェフだ。私は仕事絡みで2度ほど行っただけだが、やはりとても印象深い店だった。地味に美味しく、メインはちゃんと旨いのだ(コースの一品一品それぞれに抑揚がある、とでも言おうか)。そして、私達の真後ろで会話や表情を見ながら作っているんではないか、と思う程、すべてがぴったりしている店なのだ。
     「あそこは鴨が旨いよ」とか、そういう言葉で良い店は伝えられるが、「コート・ドール」に、それはあて嵌まらない。そう、「すべてが」、なのだ。
     この本に書かれている事は、良くも悪くも平凡な事である。しかし、レストランの世界、特に裏方(キッチン)では、平凡で地味な作業の繰り返しが殆どなのだ。その尊さを斉須シェフは誰よりも理解しているのだと思う。そして、前線指揮官(「調理場という戦場」という本も上梓されている)としてのシェフの守るべき節度と原則を枉げない心・・・。この本からは、そういう「たおやかな男気」が漂ってくる。
    ---
    ぼくは、社会にはじめて出た時の理不尽さや悔しさが、ものを考える下敷きになっているところがあるので、何としてでも、自分のお店では自分の正義を実現させていたいなと考えています。方針は単純です。外圧にめげずに自分の足で立って、自分の手で作って、それで暮らしをまかなっていく。そういう当然のことが実現できる職場で働きたかったのです。
    斉須政雄著「少数精鋭の組織論」より抜粋
    ---
     なんという勁さだろう。そして、それを支える感性の、なんとたおやかなことか。
     単にレストラン関係の人だけでなく、掛け値なしに「少数精鋭の組織論」として成立する実のある一冊だ。
     又、行きたいなと思う。

  • 書かれていること何一つ無駄がない。
    現場は手放したくない。
    安定を求めると停滞する。
    想像力。
    行動を起こさないとカネはついてこない。

  • 見えない世界に目を向けるという方針。全て基本は掃除。理屈から評価まで持っていかなければ知らないのと同じ。技術は想像を形にすることだから、想像力が鍛えられられれば、飛躍できるし、楽しくなる。はじめからは出られない。まわりからやられる。避けかたを覚える。やられながら反撃する。この繰り返しです。

  • 物事に実直に、誠実に取り組む姿勢が一番ということ。私利私欲に走るべからず。

  • ”異業種から学べ”というのはよく言われます。
    業界での常識にとらわれることなく
    新しいヒントが得られる可能性があるからです。

    本日ご紹介する本は、

    一流フレンチレストランのオーナーシェフが、
    チームで結果を出すための秘訣を示した1冊。

    料理業界と我々のような業界でも
    参考になることはたくさんあります。

    ポイントは
    「基本、想像力、自主性」

    少数精鋭といっても、
    組織論的なことではなく
    少数チームで結果を出すための
    考え方が書かれています。


    「掃除」

    掃除の習慣は何か行動しなければいけない時に
    「めんどうくさい」というような
    わずらわしさの克服や、見て見ぬふりをしないような
    意識の変化をもたらします。

    行動力や気づきをアップさせる効果があります。


    「想像力」

    想像力が料理を作り上げます。
    そして、独自のアイデアを提供できることが、
    小さな規模のレストランの醍醐味だそうです。

    我々のような中小企業でも、
    その気になれば、自分のアイデアで
    新しい商品を作ることを仕事にできます。

    今無いものを想像する力は
    どんな仕事でも重要です。


    「自主性」

    与えられた状況で自分の創意工夫によって
    人のやっていないことができれば仕事が楽しくなります。

    我々のような技術者も、元々は自分で何かを作り出したい
    という思いがあって、技術者になったんだと思います。

    それを楽しめるような仕事が出来れば
    幸せだと思いました。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    夢は手放さない。基本は外さない=これが出来る人は強い
    ありそうでなかった料理を発見し、違和感のない形でなりたたせ、発想を製品化し、営業をなりたたせる
    カネがないはいいわけ。行動が先。行動を起こさないとカネはついてこない。
    組織の問題を解決するには、現場で従業員と併走していなければならない
    掃除は=わずらわしさの克服や、見て見ぬふりをしない意識の変化をもたらす
    与えられた状況で自分の創意工夫で人のやっていないことをたのしむ
    ぼくの欲しいものは、手入れのいきとどいたお店、新しい料理
    日本人はハード面にはお金をかけるが、人の意識はハード面ほど高くない場合がほとんど。
    頂点を欲しがるなら、頂点にたどり着くまでの過程も欲しがること
    チームの過不足のためには、こういうところを補ってほしいという希望を伝えるのが、僕のできること
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 大組織では自立ができない?
    第2章 大成功を求めるとあぶない
    第3章 飽きられないサービスとは
    第4章 小組織だからできることは
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image01.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/6c0174ccd2023350.png
     

  • 今2周目。

  • ピンときた言葉。数字はページ。

    4 仕事の許容範囲は、頭で考えるだけでなく衝突や行動を通して確かめてみないといけません。

  •  料理人がレストラン経営の経験から語る組織論。まっとうなことが書いてあるし、フランス修業時代の経験は貴重だと思う。でも、この人じゃなくても書けるんじゃないかなと思ってしまった。
     余分なことかも知れないけど、一枚ぐらい料理の写真があると良かったかな。見れば楽しいし、料理を作る過程から学んだことも書いてあるんだから、写真がある方が分かりやすい。

  • [ 内容 ]
    味、価格、サービス、雰囲気…レストランはいくつもの尺度で客から裁かれる。
    不満を抱いた客は、二度と訪れない。
    彼らを満足させるためにやるべきことは山ほどあるが、無駄な人員を抱える余裕はない。最少人数のスタッフが一丸となってサービスを提供できなければ店が潰れてしまう。
    そんなシビアな世界で二十年の長きにわたって営業を続けてきた一流フレンチレストランのオーナーシェフが、チームで結果を出す秘訣を明かす。

    [ 目次 ]
    第1章 大組織では自立ができない?(固定したら、組織も個人も終わりです 優秀な個人を集めてもうまくいかない ほか)
    第2章 大成功を求めるとあぶない(内部よりも外部が先に理解してくれる 見えない世界に目を向けるという方針 ほか)
    第3章 飽きられないサービスとは(有名店も、持ちあげられると崩壊する 経験は遠慮なく冒険をするためにある ほか)
    第4章 小組織だからできることは(お客さんの信頼を獲得するということ 「苦労したくない人材」もやってくる ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 誰でも体は1つ、頭は1つ、腕と足は2つずつ。違うのはやるかやらないかだけ。

  • 神楽坂ルクロモンマルトルはいつものように

    JRの飯田橋の駅を出ると、ひんやりとした花冷えのような黄昏が広がった。カナルカフェのある濠のまわりの外堀通り沿いの桜が満開で、そぞろ歩きの人の数も多い。もともと人気のある場所だった、神楽坂が、ついこないだ最終回を迎えた倉本聡の人気テレビ番組の影響もあって、休日とはいえ、観光客でにぎわっている。

    千葉の病院に入院している母親を、義理の妹たち(つまりぼくの叔母たち)が見舞った帰りに、皆で、神楽坂へ戻ってきて、いつものようにルクロモンマルトルで夕食をした。

    予約の時間には少々はやめだったので、カナルカフェの周辺の桜を見たり、神楽坂沿いの、小間物屋や、手作り靴の店や、お香の店などを皆でぶらぶらして、時間をつぶした。

    春といっても、夕方となると、まだまだ風は冷たい。

    神楽坂を下って、コンビニの角を曲がり、パチンコ屋の前を通って、路地を折れたところにルクロはある。もう何年になるだろう。週末に散策していて、偶然入り、その気の置けない雰囲気が気に入り、足繁く通っている。繊細というよりは、味の輪郭のはっきりとした料理のよさもあるが、日本の大手ホテルの元ソムリエだったらしい、フランス人のオーナーの過度に踏みこまない、何気ない接客が好きだ。家族だけではなく、仕事仲間も連れてくるようになったが、皆、雰囲気や料理を喜んでくれる。

    オーナーはいつもどおり、表情をあまり変えるでもなく、歓待の意を呈している。

    夕方最初の客なので、まだ、店内はまばらだ。食前酒のシャンパンを飲んでいると、予約なしのお客が何組かやってきたが、さすがに土曜だけあって、予約で一杯のようだ。前から週末は当日の予約は難しくなっている。

    オーナーが、カスレは今週で最後だよと声をかけてくる。カスレというのは、豆や、ソーセージや肉のたっぷりと入った田舎風シチューで、中くらいの壷のような器に入っている。最初に、食べたときに、気に入って、何度か注文したら、カスレ好きの客ということになったようで、オーナーも、店の人からも、そろそろ、カスレの季節ですよとか、もうすぐ、カスレは終りですよと言われるようになった。

    いきつけで、メニューもほぼすべて試してはいるが、今日は、格別、カスレという気分でもなかったが、今年の秋までないとなれば、ということで、結局、カスレを注文した。アントレは、鶏砂肝のコンフィのサラダ。叔母たちや、ぼくの家族たちも、おもいおもいのお気に入りを注文している。子供たちは、この店のキッシュが好物だ。叔母たちはマグロのタルタルサラダやレンズ豆のサラダ。メインは鯛のポワレ、ホタテのソテー、鶏、牛とさまざまである。

    赤ワインは、おじさん(家では、この店、ひそかにフランスおじさんの店と呼んでいる)に、何がいいといつものように聞く。まったくワイン通ではなく、飲んだワインを記憶するという習慣もないので、毎回、赤でしっかりとしたのとか、きわめて、大雑把に注文し、おじさんも、それだったらこれときわめて断定的に決めてくれる。それがいい。

    以前、ワイン通らしい、若い仕事仲間を連れてきたとき、彼が選んだ高めのワインに、おじさんは、それだったら、この値段のワインで十分だよと、すすめたこともある。そんな、商売っ気のあるのかないのかわからないところが好きで通っている。長期戦略的には、きわめて賢明な戦略なのかもしれない。

    以前「調理場という戦場」というベストセラーを書いた、三田のコートドールのオーナーシェフの斉須政雄さんが、幻冬舎新書の新刊で「少数精鋭の組織論」という本を出した。早速、読んでみた。自立するには、近道はないし、知らない方がいいという彼の持論がまた繰り返されている。

    http://ameblo.jp/whatawondefulworld/entry-10002437200.html


    (2005年6月22日「斉須政雄 調理場という戦場」)

    器用な人間には続かないのが、料理人だという考え方である。

    「近道があると、人はかならず近道を選んでしまいます。しかし、器用に修得した能力だけが能力ではないのです。まわり道をした人だけが宿している何かがあり、それこそが生き抜く術になるのです。(中略)

    (料理の世界は)、実際にやることは地味な作業の蓄積です。朝から晩まで手仕事で、誤解を招くかもしれませんが多くの富を得られるような職業ではありません。だからぼくは「食っていければそれでいい」と思います。 

    儲けに邁進するとギズギズしますし、非効率的だから価値を生み出せる職業です。」

    成功すると、すぐ他店舗展開というようなビジネスの論理と、料理の論理とは必ずどこかで乖離が生じるというのは、ビジネスの勉強をしなくても、注意深いお客ならばすぐにでも気づくことである。斉須さんの、生き延びてきた料理人の友人たちを語るこんな部分に、料理というものの、レストランというものの生理がよく説明されている。

    「慢心もない。商魂もない。表裏もない。これは自立して15年20年と最前線にいる友人たちの共通点です。友人たちは、信じている価値を、身ひとつでしぼりだしているような生き方でお店を続けています。開店や解雇の修羅場も、恵まれない時もくぐりぬけて満身創痍ですから、それぞれその人にしかにない変な持ち味を宿しているのです。理屈や上手下手ではない、生理がこめられた、また食べたくなる料理が出てくる。」

    そんなに食通でもないし、食通という存在に対する、心理的反発もどこかであるので、そんな見方でレストランに対してきたことはないが、少なくとも、自分がくりかえし行く店にはまぎれもない共通点がある。お客の側から見たら、いきつけになるレストランというのはシンプルなものである。切れ味の良い料理だけが残っていくのではない。

    「性格、野心、交友関係・・・料理人が転ぶ要素はいくらでもあります。バランスのよくない生き方は危険です。「強い個性」を出すのは簡単ですが、なぜそれが続かないかを考えなければ・・・そこに生き残る理由があるのだし。大事なことは、愛される料理であるかどうかで、お客さんに愛されていない料理は埋もれて飽きられて消えてゆく。それが大半の料理の運命です。」

    料理も他の仕事にも共通することがある。最後は、その人間のすべてが問われるということだ。だからこそ、奇策に走る必要もなく、自分のリズムで自分のやり方で近道をあえて選ばないという「無様でありのままの生き方」でいいのだ。


    定番のデザート、ガトーショコラ、チーズケーキなどをそれぞれが楽しげに選ぶのを観ながら、そんなことを考えていた。

  • 料理店で展開される、チーム一丸となった仕事場。フロントとバックに分かれたオペーレーションは、通常の会社業務にも参考になる点がある。

  • 組織論でも何でもない!回想録みたいな・・・面白くないし。。

  • コート・ドールのオーナーシェフ斉須さんの著書。

    以前「調理場という戦場」という自身の料理人としての生い立ちを語った本は、フランスでの生々しい体験と、料理への熱い想いに満ちた良書。

    オーナーシェフになっても若手と並走し、一生現場主義の著書の生き様から生まれるであろう、この本で綴られる言葉も熱く、そして気持ちを前向きにさせてくれます。
    が、ちょっと体系的にはなっていないので「論」というには少し難しいかな。

  • タイトルにはいい意味で裏切られた。たしかに "組織" が語られているのだけれど、半分期待していたような "少数精鋭" に紐づくシンボリックな言葉はあまり無い。

    異国でのレストラン修行、早起き、厳しい教えのシェフ、同僚と本音を言い合うケンカ、すみずみまで行き届いた重曹での掃除、、人間臭さ満載の苦労話。そこで得られた達成感、カタルシスが「!」つきで周期的に語られる。

    読み終えてみると、成長したいという気持ちや、(いい意味で)周りは頼れない自立心など、そんな組織での大事な心構えが詰まっているように感じる。(実際あまり読んだことはないけれど)哲学書を読み込んだような心持ち。

  • 料理をしていない人にも生き方をストレートに書いて共感できたり学べる一冊です

  • コート・ドールで食いたくなった。

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