生きる哲学トヨタ生産方式: 大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書 い 7-1)
- 幻冬舎 (2010年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981621
感想・レビュー・書評
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トヨタ生産方式がどのようにして導入されていったのかが実体験から書かれているため、理論だけでなくバックグラウンドまで理解できる一冊。
トヨタ生産方式の思想まで知ることができ、製造業の奥深さを実感できる内容でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間尊重
ムダの徹底的排除
品質が第一 -
「トヨタ生産方式の生みの親」と呼ばれた大野耐一氏の薫陶を受け、自らもトヨタの役員から子会社・デンソーの副社長となった著者による「生きる哲学」。企業の生産部門で働く人なら必ず知っている「かんばん方式」や「ジャストインタイム」の生い立ちからその知恵を、エピソードや思い出話を交えて紹介する内容は興味深い。ただ徹底的なムダの排除とコストダウンを追求した結果、何千社もある下請けに無理な要求を突きつけ、朝一番の納入を指定された仕入先のトラックがトヨタの工場に続く道路に行列をなし、公共の道路を「倉庫代わり」に使った「罪」に関しては全く触れられていない、というか罪の意識が無い。トヨタは毎年多額の法人税と広告費を払っているから「それでいいのだ」という事なのか? う~ん...
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トヨタ生産方式
ツールではなく、フィロソフィーを実体験から記載されていて、背景がよくわかる
螺旋的に改善は続く
写真を破るくだりは、仕事の厳しさをよく理解できる事例だった。
自分の仕事も満足せず、常に良い方へいくひつようがある。そこで満足しないことの大切さ、あきらめないことを改めて学んだ -
著者は若い頃から大野耐一氏から仕えてきた元トヨタ役員。
トヨタ生産方式に関する書籍は世にたくさんあるが、この本の特徴は大野耐一氏とその弟子の鈴村喜久男氏とのやり取りを回想したもの。理論ではなくノンフィクションに近い。
その著者が考えるトヨタ生産方式の根底は三つ。
「人間尊重」=人間の能力への限りない信頼。
「造りすぎのムダの徹底的な排除」=受注が急増したからといって、慌てて設備を入れたり、人を雇ったりしても長い目で見て決して経営のためにも世のため人のためにもならない。
「品質が最優先」=良い品質こそが減価低減の大前提。コストダウンの品質の維持・向上は両立する。
カイゼンやカンバン方式や何故を5回繰り返すなどの言葉はあくまで表面的なものであって、その裏にある最強カンパニーのフィロソフィーに触れた気がする。良書。 -
トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一さんに直接仕えた著者の回顧録と、それに付随した経営論。
トヨタ生産方式の単純な手法論ではなく、方式を確立するためのドキュメンタリと、そのプロセスで著者が感じた人材育成・変革を起こすための教訓が語られている。
実経験に基づいており、トヨタの真髄というか奥底にあるトヨタの経営原則を感じ取ることができた。 -
トヨタ生産方式については色々と学んできたつもりである。しかし、その度に疑問に思うことがある。
なぜトヨタの現場の人は、ここまで働けるのか?ということである。
人間は期待されれば自ら成長する、その理論は分かるが、人は誰しも弱さを持っている。
終わりのない改善に対し、常にモチベーションを保ち続ける理由は何か、何がそれをさせるのか、そういった部分が知りたい。 -
トヨタ生産方式の確立に携わった筆者が語る。
人間を大切にすること。 -
良い品質が原価低減の大前提。
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トヨタ生産システムのバックボーンにある仕事への姿勢について、実際に活躍していた実地の人が啓蒙的に(しかし思い出話風に)語っている。一線でバリバリ仕事をしていた感じはよく伝わる。また、マニュアル的に生産システムの手法を説明されるよりもすんなりと意図(まさしく哲学)が理解しやすい。ただ、冗長で内容としては薄い。読み物感は否めない。