戒名は、自分で決める (幻冬舎新書 し 5-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981638

作品紹介・あらすじ

戒名料の相場は約40万円-たった10文字程度の死後の名前が、かくも高額なのはなぜか?仏教式の葬儀をした時、多くの人が納得できない思いをいだく布施の中の戒名料。そこには厳然たるランクがあり、立派な戒名を授かるには100万円を超えることもある。この戒名こそが葬式を贅沢なものにしているのだ。日本独特の「戒名という制度」を徹底的に解説し、俗名(生前の名前)で葬られること、いっそ自分で戒名をつけることまで提唱した新時代の死の迎え方。簡単!「戒名作成チャート」付き。

感想・レビュー・書評

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  • 日本仏教が「葬式仏教」と呼ばれ、葬儀や法事、法要の時しか寺院や僧侶と関わることのない信仰心希薄のなか、僧侶から「布施」や「読経料」の名目の他に「戒名料」が求められる。<戒名>とは本来、俗界を離れ仏教徒(仏弟子)になった証しとされ、生前に授かるものである。 死後に<戒名>を与える習慣があるのは日本だけで、仏教を金儲けの手段としてお布施と称して多額の料金を要求される現実をふまえ、釈迦の教えにも仏典にも記されていない、絶対的なルールのない〝戒名の命名〟を自分で付けることを提唱した、死の準備を考える人生読本。

  • ・今から、戒名を自分で決めたい!なんておもっているわけではありませんけど、島田裕巳さんの著書は、一通り目を通しておこうと手に入れました。

     祖父と祖母の戒名が、とても立派なもので(御布施が)高かった!という話を母から聞かされるたびに、実体を知らないまま、決して信心深くない人でも、多額のお布施を収めれば立派な戒名を授かるというシステムに嫌悪感をもっていました。さて、私は、自分に戒名をつけることはできるでしょうか(・・?

     戒名って何だ?何故そんなに高額な布施を求められるのか?中には、身近な人が亡くなった時、葬儀に伴う諸事について急いで判断しなければならなくなり、僧侶や親戚に言われるがままになってしまう人も少なくないのではないでしょうか?

     私も、そんな一人でしたが、父が先祖から引き継いだ墓地を永代供養してもらっていたおかげで、慣習に振り回されない選択をすることができました。必要のないプライドを捨て、後ろめたい気持ちにならないように、大切な資金を有効に使う、そのために必要なのは、何よりも自分の考えを支える知識なのだと思います。

     私たちも、自分の戒名を考えてみましょう!

  • 戒名の成立経緯、寺側の論理、檀家や檀家以外の人の論理がよくわかる。

  • タイトルと中身が全然違う。新無神論者って感じ。

  •  戒名の値段と戴いた法名について、かねてから疑問があったのでそれを解くものとして、参考となった。
     寺と社会との関わり方の変化とともに、こうした疑問を呈した読み物は良かった。
     かつて松尾芭蕉がスパイという説がある様に、寺にはその檀家の家族構成から職等すべての地域の情報が集まり、時にはカウンセラーの様な役割すらしていた。
     今や法事の時のみの付き合いとなってしまっている。
     戒名は、本人もしくは本人を知る人が付けるのが良いのではないか、という提案に賛成。
     森鴎外が母親と文学者上田敏の戒名を、作家山田風太郎は自分で自分の戒名を、そして作家宮脇俊三は妻と娘が、それぞれ付けている。
     こううした前例があると、やはり自分で自分の戒名を付けたくなる。作成チャートに乗っ取ってつけてみた。 これもまた自分を見つめる機会にもなる。
     自作戒名は 紀真綾文信女  ○○院がつくほど大それたことはなく、気に入っている。

  • 戒名にまつわる本音と建前。
    戒名の問題点や歴史について冷静な視点で語られており、大変勉強になった。

    一般的に考えられている「寺だけに問題がある」というわれではないことが分かった。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4344981634
    ── 島田 裕巳《戒名は、自分で決める 201005‥ 幻冬舎新書》
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4344981588
    ── 島田 裕巳《葬式は、要らない 20120128 幻冬舎新書》
     

  • 鎌倉新仏教 浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗、臨済宗
    その元が天台宗 最澄
    戒名 信士(信女)、居士(大姉)
    院殿号
    浄土真宗 戒名でなく法名
    日本に伝わった仏教 大乗仏教 他者救済が目的
    法名戒名作成ソフト 蓮心
    神社 信者は氏子
    俗名で葬る創価学会(日蓮宗とけんかわかれ)、同志葬、友人葬
    浄土真宗 

  • 日本独特の「戒名という制度」を徹底的に解説し、俗名(生前の名前)で葬られることや、いっそ自分で戒名をつけることまでも提唱した新時代の死の迎え方。戒名作成チャート付き。

    前著「葬式は、要らない」に次ぐ書。戒名とは「本来、出家したことを示すためのもの」あるいは「仏教式の葬儀で個人に与えられる死後の名前」だから、寺の檀家でないならば縁も所縁もない坊様につけてもらわず自分でつけていい、という趣旨は明快。そのための付録「戒名作成チャート」も興味深かった。もう一歩踏み込んで「戒名なんて、要らない」でもよかったのでは?
    (B)

  • 少々諄い。
    仏教界の矛盾を永遠と綴っている。
    有名人の戒名を羅列してどうしたいのだろうか。
    う~ん。

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著者プロフィール

島田裕巳(しまだ・ひろみ):1953年東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任し、現在は東京女子大学非常勤講師。現代における日本、世界の宗教現象を幅広くテーマとし、盛んに著述活動を行っている。 著書に、『日本人の神道』『神も仏も大好きな日本人』『京都がなぜいちばんなのか』(ちくま新書)『戦後日本の宗教史――天皇制・祖先崇拝・新宗教』(筑摩選書)『神社崩壊』(新潮新書)『宗教にはなぜ金が集まるのか』(祥伝社新書)『教養としての世界宗教史』(宝島社)『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)等多数あり。

「2023年 『大還暦 人生に年齢の「壁」はない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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