ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 362
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983052

作品紹介・あらすじ

うつの患者は百万人以上いるが、実はその多くは「適応障害」である。環境の変化になじめなかったり、対人関係がうまくいかずに生じる心のトラブルで、自信や意欲がなくなったり、体調不良、不登校、出社困難、依存症などの問題として表れる。過敏な人だけでなく、人一倍前向きな人もかかる、もっとも身近な精神疾患だ。「うつ病」と誤診されて治療すると余計に悪化し、長引く場合も。ではどうすれば改善するのか?どうにもならない問題や悩みを抱え込んだとき、いかに対処すればいいのか。すぐに実践できる方法を、百戦錬磨の専門医がわかりやすく紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 全体的にかなりわかりやすく、適応障害と診断された人ならびにその周りの人たち(当事者以外)も理解できるような内容だった。
    「適応障害」って知らない人多いのかな。

    この本に書いてあることはある種の事実だと思う一方で気休めと捉えることもできる。
    「悩みの尺度は本人がどれだけ辛いかだけだから他の誰にもわからない」とは思う。
    それでも
    当事者は、決して一人ではないことと周りが理解しようとしてくれるありがたさを
    周りの人たちは、当事者にならなければわからないということを理解することとそれでも寄り添うことの大切さを
    学ぶことができるという意味で、この本は素晴らしいものだと感じた。

  • 環境の変化や対人関係が原因で生じる心のトラブル「適応障害」は、どうすれば改善するのか? また、どうにもならない問題や悩みを抱え込んだとき、いかに対処すればいいのか? すぐに実践できる方法をわかりやすく紹介する。

    参考にはなるが,実践の方法が分かりにくい。

  • レジリアンス(心のバネ、メンタルの強さ)を左右する要素は、否定的認知、完璧主義、固執性、過敏性、共感性、情動制御、安全基地の七項目の要素が相互に絡まり合っている。まずは自覚し、どこを修正するか。具体例と共に適応障害とは何であるかについて理解し、症状の根底にある課題としての障害について理解する。そして人間が何かの障壁にぶつかった時、いかにしてその試練を乗り越えていくかについての極意書として精神医学の立場からエッセンスを練りこんだ作品。
    ・ピカソも埋もれたまま劣等感にまみれ落後者か犯罪者となって人生を終えていたかもしれない。
    ・適応障害は合わない環境、その子が活かされない環境に無理やり居続けさせれば、適応障害を起こし、劣等感を植え付けられ、何のとりえもない人間として自分をみなし、パッとしない人生を歩むということになりがちだ。
    しかしその子の特性を活かし、才能を伸ばそうとする周囲の環境が整っていれば人生には大きな可能性が開ける。
    ・容量オーバー型の適応障害やうつを予防する上で大事なのは情報入力を少しでも減らす努力をすること。脳が容量オーバーを起こしているうえ遅くまで情報負荷をかけると悪化させ、集中力や能力低下、判断力の鈍さ、対人関係が面倒、電話も億劫、しなければならないことの後回し、などの症状が起こる。合間合間に5分程度の休憩をはさむだけでもぶっ続けで仕事をこなすよりかなり違ってくる。
    ・容量オーバーが起こりやすい状況の一つに環境や担当が変わった時だ。対人面、仕事面、課題面で勝手がわからず大したことをしていなくても気づかいが増え、ストレスが数倍負荷がかかり、疲労が起こりやすい。不慣れなことを担当するとペースをつかむまで容量オーバーが起こりやすい。
    ・容量オーバー型の適応障害を避けるためには自分にかかっている負荷の容量が適正なものか自己管理を常に行い監視しておく必要がある。そのためには厳格なスケジュール管理、自己管理を行い、どんぶり勘定で何とかなるという仕事の請け負いはしないこと。ほんの少しの無理がかななったことで結局うつに追い込まれることになるのだ。
    ・鬱になり、脳の委縮が起こり、回復に何カ月も時間がかる状態になったところで誰も面倒は見てくれないのだ。家族は生活に困り、永久に消えない心の傷と悲惨な体験を味わうことになりかねない。
    ・鬱にならないための分かれ道は無理をしてまで仕事を受けないということができるかどうかである。無理をして仕事を受けると必ず仕事の質が低下する。すると自分自身の仕事の評価が結局は中長期的に下がってしまう。時には致命的失敗につながることもある。
    ・質を落とさずこなせる仕事の量をきっちり管理すること。はっきり無理を無理と拒絶すること。
    ・人は意味のあるストレスならばたとえそれが少々大きくても絶えられるが、逆にどんなに小さなストレスでもそれが無意味なものならばひどく苦痛に感じる
    ・方向性を示し、働きや努力の意味のあるものだという感覚、苦労し外のあるものだという意識を持てるようにすることが大事。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「無意味なものならばひどく苦痛に感じる」
      人間ってデリケート。。。

      苦労し外のある→苦労し甲斐のある
      「無意味なものならばひどく苦痛に感じる」
      人間ってデリケート。。。

      苦労し外のある→苦労し甲斐のある
      2014/04/23
  • 生きるための教科書。知っていれば対策を講じられる。メンタル強化に。

  • 【239冊目】自分が危ういと思い、読んだ本。結果として、すごく視界がクリアになった。自分自身と付き合っていく上で、また、ストレスを感じている友人や同僚と向き合い、上司として人事マネジメントをする上でも、読んでおいて良かった。

    適応障害になった友人が以前、「人事管理してる人が、うつと適応障害の違いも分からないくせに、とりあえず自分をメンタルクリニックに送っておけば良いという雑な扱いをしてくる」という言葉がすごく印象に残っている。自分がその縁に立ってみて、やっと学ぶことが出来て本当に良かった。

    「あなたは悪くない」みたいに一方的に甘やかすような内容だったら嫌だなと思っていたのだけど、そこはさすがに精神科医の方が書いた本だけあって、そこらへんに置いてあるヒーリング系甘やかし本だけとは違った。

    基本的にはストレスへの対処は負荷、対処、支えの三要素で決まるとのこと。(p54)パーソナリティタイプ別の対処方法や、読者の適応力を測るような章もある。

    ただ、ぼくが印象に残ったのは、「安全基地を持つこと」「プライドや自分が大切にしていることを否定されないこと」「共感や応答してもらうこと」の大切さを繰り返し強調されていること。うん、これは覚えとこ。

    最後の最後に、ご自身のクリニックでの経験を振り返って筆者の岡田先生が「人が生きることの切なさ、不可思議さ、そして素晴らしさを、改めて思わない日はない」と書いてるのを読んで、自分まで肯定されたような感じがし、心地よかった。

  • 同著者の『アスペルガー症候群』と同じく、実直かつわかりやすい言葉でつづられている。このテのメンタル系の本は、原則論やきれいごとで誤魔化してちっともタメにならないものが多いが、本書は徹底して具体的な記述を貫いており、これなら今のつらい気持ちにも立ち向かえそうだ。

  • 世間ではうつとまとめられる事が多い適応障害について解りやすく書かれていると思いました。

    とにかく大事なのは、相談できない人ほど、潰れるということ。
    思い当たる所がある人は読んで見たほうが良い。
    対策方法ができるかどうかはあるけれども、知らないと何もできないので、知識は大事と考えます

  • 適応という概念を学ぶによし。けどその概念そのものが、疾患のひとつを学ぶというようなパキッとしたことではないので、理解した! とはなかなかいかないなと。
    遺伝特性はさまざまな場面における種の保存というか生存戦略としてあり、現代社会の仕組みとのあいだに相容れてないという構図をおさえておくのは有用。いまの社会では多様な遺伝特性を活かす合理性を確保できてないということ
    思考法のあたりからが対応や解決手法について書かれているということになると思うけど、あまりにふわっとしててぜんぜん足りないなと。で、どうしたら……という気持ちのまま。しかしこの紙幅で理解することがおよそ無理なのはわかるので不満はなし

  • ストレスを成長の糧にする。自分が納得できる仕事をしていれば、他人の言うことなどは気にしない。失敗はチャンスと捉え、乗り越えれば自分の為になる。これらの気持ちを持って仕事に取り組む。

  • 適応障害の当事者向けというよりはそれを支える人やただ勉強したいという人向けに書かれた本だという気がした。第9章「凹まないための思考法」は少し参考になったと思う。

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著者プロフィール

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで、困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問。著書に、『愛着崩壊』(角川選書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『母という病』(ポプラ新書)など多数。小笠原慧のペンネームで『DZ』(横溝正史ミステリ大賞受賞、角川文庫)などの小説作品がある。

「2019年 『話を聞きたがらない夫 悩みを聞いてほしい妻 精神科医が教えるコミュニケーションのコツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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