内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.27
  • (18)
  • (34)
  • (83)
  • (18)
  • (5)
本棚登録 : 619
感想 : 62
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984837

作品紹介・あらすじ

肉中心の食生活をしてきた欧米人と比べ、魚と穀物中心だった日本人は摂取した脂肪を皮下脂肪として蓄える能力が低く、より危険な内臓脂肪の形で蓄積しやすい。放置すれば高血圧や糖尿病など生活習慣病はもちろん、各種がんや認知症の原因になることもわかってきた。だが、体質だからと諦めるのは早い。内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちやすく、普段の食事や生活習慣の改善が減量に直結するのだ。肉や炭水化物の正しい摂り方、脂肪に効く食材、効果抜群の有酸素運動などを、最新の論文をもとに解説。読むほどやせる内臓脂肪の新常識。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やわらかい語り口でえらく読みやすかった。

    しかし書いてあることに目新しさはなく、食生活・運動・睡眠に気をつければ内臓脂肪は落とせるといった内容で、知ってます!と言いたくなった。そりゃ毎日体を動かすのが最速で内臓脂肪を落とす方法だろう…

    内臓脂肪と皮下脂肪の違いや、メタボでどんなリスクがあるか?などの知識を得ることで、食べたくなる気持ちを抑えるにはいいかも。

    あと朝食は食べなくていいとあったけど、個人的にしっかり食べたほうが夜軽くて済むし、分食にもなる。朝食の有用性に根拠がないにしても朝食を抜いてもいい、というのには納得できなった。

  • 日本人、アジア人種は、白人、黒人と比べて内臓脂肪が付きやすい体質とのこと。

    その日本人が内臓脂肪をつけないor落とすためには何をするかが書かれている。

    基本的には、
    ・食べる量を少しづつでも減らす。
    ・食べるものを日本の食事(米、豆、海藻、魚)中心とする。
    ・運動をする。
    というところ。

    朝食べなくても良いとか、卵はコレステロールを作らないとか、一般的に言われている良くない事も科学的にはとくに問題となっていないなど。
    雑学的知識もちらほら。


    欧米人の食生活(パン、乳製品、肉)はコレステロールを合成しやすい食事。米、豆、海藻、魚という日本古来の食事をすることで内臓脂肪が付きにくくなる。

    あと、果物とアルコールは内臓脂肪を増やす要素だとか。アルコールはそれ自体がカロリーが多いこと。果物は糖が多く含まれいている。糖の種類に応じて果糖が血糖値をあげないので一番ましで、その意味でイチゴが一番良いとのこと。

  • ダイエットを考えている自分にとって、とてもタイムリーな本だった。
    内容については、なかなかに良書に思える。語り口は優しく、それでいて言い切るところは言い切る。
    大変よく理解できた。
    健康業界の知識はすぐに移り変わる。次々に新事実が発見される。間違った知識に固執しないために、こういう本はありがたい。

    以外、読書メモ。

    脂肪自体は悪いものではない。
    タンパク質などよりもエネルギー効率がいい。

    女性ホルモンは脂肪にも作用し、太りにくくなる効果がある。男性のほうが肥満率が高いのは、そういった理由もある。

    日本人は遺伝子的にアディポネクチンが少ない。アディポネクチンはインスリンを手助けする。
    さらに日本人を含むアジア人はインスリン自体が少ない。
    事実、日系アメリカ人が現地の食事をしていると、白人アメリカ人よりも太りやすい。

    体重を2、3キロ落とすだけで、血液中の善玉菌は増える。

    内臓脂肪は普通預金、皮下脂肪は定期預金。
    内臓脂肪は頻繁に中性脂肪を出し入れするので、減りやすい。

    炭水化物の方が脂肪よりも燃焼が先なので、炭水化物ばかり食べていると痩せにくい。

    健康に良い油はない。ひところ話題になったココナッツ油も、とりたてて健康に良いわけではない。

    朝食の歴史は浅い。300年ほど。健康な成人男性なら、1日2食でオッケー。

    ストレスが高まると交感神経が優位になり、食欲を抑えるレプチンの働きが抑制される。

    少食の人も大食いの人も胃の大きさは一緒。通常時は卵1個分ぐらい。一番大きいくなると2 L ぐらい。

  • 人の活動は、食事の炭水化物からブドウ糖を作るエネルギーに支えられています。ところが、内臓脂肪が増えると、インスリンの働きが弱まり、血液中のブドウ糖濃度が高くなるため血糖値を高め糖尿病を誘発します。逆に、インスリン分泌を増やしし過ぎると、血圧が高くなるため脳卒中などを引き起こします。
    日本人は肉食中心の欧米人と比べ、皮下脂肪よりもより危険な内臓脂肪をためやすい傾向があります。しかし、内臓脂肪の方が落としやすいのも事実です。本書は、食事や生活習慣改善によって効率的に内臓脂肪を落とす方法について解説しています。

  • 美味しいものを食べると体内脂肪が増えるようですね。祖先を辿ると何千年もの歴史になると思いますが、現在のような食生活となったのは、100年にも満たないのではないのでしょうか。私の子供時代を考えると、もっと質素(脂肪分の少ない食生活)をしていたと思うと、高々40年程度かもしれません。

    そんな現代日本人にとって、現在の食生活はよほど気をつけていないと、いざというときのエネルギー源となる脂肪を体内に蓄積するシステムから逃れることはできないのであろうことは理解できます。

    この本には最終的には病気に至ることになる内臓脂肪の怖さと、その減らし方が解説されています。筋トレ等よりも、毎日の食事の積み重ねが私たちの体を構成しているように、毎日の食生活が大事なようですね。この本に書かれていることを参考にして、メリハリをつけた食事を今後は心がけていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・同じ量のエネルギーを貯えようとすると、脂肪なら1グラムですむところ、炭水化物は約6グラム必要になる、また同量を摂取した場合、脂肪は炭水化物・タンパク質にくらべて2倍のエネルギーが得られる(p21)おかげで、標準的な大人は水さえ飲んでいれば、何も食べなくても体内の脂肪を使って数ヶ月生きていけると考えれている(p22)

    ・断面のCTスキャン映像と腹囲を突き合わせたところ、内臓脂肪の面積が画面上で約100平方センチになるのが、男性が腹囲85、女性が90センチだったので、腹囲の基準はこうして定められた、身長が185センチ以上ある場合は、ズレが生じる。身長の半分が目安となる(p32)これに加えて、脂質、血圧、血糖のうち2つ以上の項目が基準を超えているとメタボリックシンドロームと診断される(p40)

    ・日本人が糖尿病を予防し、進行を抑える上でもっとも重要なのは内臓脂肪を減らすこと、これには減量の効果は抜群、体重を2−3キロ落とすだけでも良い(p71)

    ・がん細胞の特徴は、本来の決まりを無視して増え続けることにある、正常な細胞は決まった場所で増えたら、そこで増殖が止まる。がん細胞は栄養さえ得られれば、どこまででも増えて体を破壊する(p86)肥満対策は、がん予防の観点からも重要(p87)

    ・アルツハイマー認知症の原因になるアミロイドβは、症状があらわれる10−15年も前から蓄積が始まる、50代までに歯周病を治しておくべき(p100)

    ・人間はコレステロールの70%を体内で合成するので、卵のようにコレステロールの多い食品を摂取すると体内での合成が自然に下がって一定に保つしくみが備わっている。健康なら卵をたくさん食べても大丈夫、しかし体内でのコレステロールの合成を促す成分(飽和脂肪酸)を含む、牛肉・豚肉の脂、牛乳と乳製品、スナック菓子、チョコレートはダメ(p107)

    ・腹囲1センチ=内臓脂肪1キログラム=7000キロカロリー、多めによそっていたご飯を普通盛りにする、トーストを薄切りのものにする、まずは腹囲を2センチ減らすことを目標にする(p113)脂肪の摂取を減らすのが大原則だが、同時に主食、おかず、間食を8、9割にする(p116)

    ・脂肪がつきにくい果物はイチゴ、砂糖もかけずにそのまま食べるのが良い、原材料に「ブドウ糖果糖液糖」とかかれていれば、甘味料のこと。果糖とブドウ糖の混合比率によって、「果糖ブドウ糖液糖」「高果糖液糖」などと表記される(p123)内臓脂肪に関してはアルコール飲料による違いはない、エチルアルコールをどれだけ摂取するか、ビール中瓶1本=日本酒1合=ワイン4分の1、発泡酒もビールも同じ(p126)

    ・ポリフェノールに摂取したいのなら赤ワインにこだわる必要はない、ブルーベリー、イチゴ、大豆、魚、緑茶にも含まれている(p128)


    ・締めのラーメンよりは、飲む前のおにぎり、お酒のおつまみとしては、温野菜・おひたし・ピクルス、きのこ、キャベツ、白菜、水菜、オクラ、納豆。さらに飲酒の前後には水やお茶をしっかりと摂取する、アルコールは水に溶けるので尿と一緒に早く出て行き二日酔い防止となる(p130)

    ・血糖値を下げる食品として、大豆、魚(鯖、さわら、イワシ、サンマ)は中性脂肪を減らすので良い(p134)ぶり大根、サンマ塩焼きを食べれば、EPAとDHAを両方摂取できる(p136)脂肪をたまりにくくする短鎖脂肪酸を含むものとして海藻、きのこ、山芋、こんにゃく、ごぼう、オクラ、納豆、玄米・大豆・魚・海藻・きのこを食べれば内臓脂肪のつきやすい弱点を補える(p137)

    ・ほんらいの修行時間である夕方に、なにか口に入れておくべき、おにぎりが便利、帰宅してから食べる夕食は、おにぎり分のみカロリーを減らす、脂肪が少なく野菜からビタミンを摂取する(p145)早食いは脳にある満腹中枢が働くのに時間がかかる前に必要以上に食べてしまうのでよくない、噛む回数を増やす(p151)食事の時間は、リラックスして仕事を忘れて何も見ずに、ぼんやりして食べる(p152)

    ・内臓脂肪を減らすために、有酸素運動をする、1)息がはずむ程度の運動を30分間、週に5回以上、2)1日の歩数を3000歩(30分歩行)増やすかのどちらか(p156)脂肪の消費は、細切れでも継続でも消費はほとんど変わらない(p163)継続が大事、やめると2週間で元に戻る(p166)

    ・内臓脂肪を落としたいのであれば、筋トレ(ラジオ体操)をした後に有酸素運動をする、この順番だとタンパク質の合成がおさえられ筋肉がつかない(p174)低脂肪でタンパク質を多く含む食品を意識して摂取する、鶏胸肉・ヒレ肉・豆腐・納豆・シャケ(p182)

    ・寝る前にお酒を飲むよりは、同じ効果をもたらす体温を上げるためには、お風呂でぬるま湯にゆったりつかって体を温めるのが良い、シャワーは体が温まらないので寝つきを良くする効果は無い(p190)

    ・脂肪の摂取をひかえ、全体に食べ過ぎないようにして1日110キロカロリーへらし、運動で90キロカロリーで、合計200キロカロリー、これを10か月続けると内臓脂肪が8.6キロ取れて、腹囲が8.6センチ小さくなる(p215)

    2020年10月18日作成 

  • 私はダイエットを始めると、ついついダイエットに関する情報を検索してしまうので、誰が書いたか分からないネット記事を読むくらいならちゃんとした本を読もうと思って購入した。

    前半は内臓脂肪がどれほど恐ろしいかについて書いてあり、その章が長くて内臓脂肪が多めな私にとっては少し読むのが辛かった。
    内臓脂肪を減らすための食事・運動については、よく聞く情報が多かったようにも思えるが、前半で散々脅されてから読むと、前向きな気持ちで食事・運動を実行しようと思えた。

    ダイエットのモチベーションが下がったらまた読み返したい。

  • まぁ、普通。

  • 内臓脂肪を気にし始める年齢ですし、タイトルに惹かれて読んでみましたが、まーそうだろうね、という感想。カロリー摂取量を減らしたり、運動をしたり…そんなことはわかりきっているんですよ。それが出来ないからもう少し継続して出来るような方法があるのかな?と思って読んだのに、ちょっと期待外れな感じでした。購入ではなく、図書館で借りて良かったと思いました。

  • 内臓脂肪や皮下脂肪といった脂肪の付きかたのメカニズム、男性と女性の違い、死亡と病気の関連など、医学的見地から脂肪を説明する前段は、読み物としてむずかしめですが理解できてくると為になります。 後段は内臓脂肪の落とし方についての説明ですが、結局いつもの「食事」と「運動」につきます。 しかしながら、【ちょっとずつ続けてみましょう】、【1日3000歩増やしていくだけでいいです】、【食事量を満腹からちょっと減らすだけでいいです】、【食べ物をちょっと変えてみましょう】、と、いきなり激しいギアチェンジをしなくてもいいと思える書き方が優しいので、安心します。

  • 高濃度インスリンは血圧を上げる、卵巣の動きを悪くする、アポトーシスを起こりにくくする(がんになりやすい)。
    脂肪脂肪が分泌する善玉物質、アディポネクチンはインスリンを助ける作用があり、糖尿病を予防する。が日本人のうち40%はこの分泌が少ない遺伝子を持つ人が多い。またアジア人はインスリン分泌量が欧米人の白人の半分から1/4しかない。米糖尿病学会はBMI30 i上の人に対し糖尿病検査を呼び掛けているが、アジア系米国人はBMI23で検査を受けるのが望ましいとしている。
    肥満になると乳がんにかかる率が上がる、また内臓脂肪が多いい人は乳がんの悪性度が高くなる。

    腹囲1㎝=内臓脂肪1キログラム=7000キロカロリー
    大盛りご飯を普通もりに、普通ご飯を小盛にすれば1年で内臓脂肪が4.2キログラム、福井が4.2㎝減る。

    体に良いという油でも摂り過ぎは脂肪につながる。

全62件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

おくだ・まさこ
京都大学大学院医学研究科修了。内科医。京都大学博士(医学)。医学部卒業後、博士課程に進み基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人近くの診察/診療にあたる。海外医学文献と医学書の翻訳もおこなってきた。現在は産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。愛知県出身。著書に『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)など多数。


「2022年 『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田昌子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
又吉 直樹
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×