大阪的 「おもろいおばはん」は、こうしてつくられた (幻冬舎新書)
- 幻冬舎 (2018年11月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344985223
感想・レビュー・書評
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産経新聞に連載された「井上章一の大阪まみれ」を改題。
東京から見ると、大阪は、吉本興業に代表されるようなお笑い芸人のような人ばかりいる街とか、エロい街とか、食い倒れと称して、たこ焼きやホルモン焼きのようなB級グルメばかりだと思われている等々、大阪に対する中央の偏見に対して、京都生まれの著者が、大阪人に代わって、その反論を試みながら、一つの文化論にまとめ上げている。
<目次>
第1章 大阪人はおもしろい?
第2章 阪神ファンがふえた訳
第3章 エロい街だとはやされて
第4章 美しい人は阪急神戸線の沿線に
第5章 音楽の都
第6章 「食いだおれ」と言われても
第7章 アメリカの影
第8章 歴史のなかの大阪像
第9章 大阪と大阪弁の物語
1920~1930年代(大正末期から昭和初期)までは大阪の経済力は東京と互角か、指標によっては東京を凌いでいた。
その中で大阪は工業都市へ変貌する。その結果、煤煙を嫌った大阪の経済人は、六甲山麓の芦屋や神戸へ本宅を構え、東京の山の手のような街が出現した。まさに谷崎潤一郎が描いた「細雪」の世界がここにある。
とは言え、大阪に本社を構えていた大企業の多くは本社を東京に移し、大阪の地盤沈下が始まる。挙句の果てに、冒頭に書いたような大阪人のイメージが形成されてゆく過程を、著者は執拗に掘り下げてゆく。
大阪のイメージについて、大阪を代表する作家である司馬遼太郎の面白い記述を見つけた。
司馬は、「神戸・京都の人達にとって、大阪は自尊心を満足させるために存在しているかのようだ」と自嘲している。
「これらの3都市は、都市の性格や機能がたがいに違っている。市民文化も違う。
『民度もちがうんじゃないか』と、神戸の友人がみもふたもないことを言ったことがある。私は大阪に住んでいる。それだけでも、彼らにとっては笑止なことであるらしい。神戸、京都とも、都市的個性が、日本の他の都市からみれば異国のようにきわだっている。都市というより、ときに、あれは(文化的閉鎖性と郷土愛のつよさをふくめて)国だと思うことがある」
司馬遼太郎をもってしても、大阪の負のイメージの払拭は難しいようだ。
大阪人頑張れ!!!!! -
●読んで得るもの
大阪の文化、成り立ちなど
東京との比較
●感想
「まえがき」を読むに「関西人を覚醒する」ことが本書のねらいの一つにあることがわかる。残念ながら関西人の自分が読んでてそういった気にはならなかった。
関西の知識を増やすには良い本。
「うんちく」を聞いてくれる人がいるかいないかは別として。
ならば一人で楽しむための読み物か。 -
後半が少し物足りないかも。
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正に私は大阪のおばはん。今は京都在住ですが。
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第49回アワヒニビブリオバトル「商売繁盛」出張!@古書みつづみ書房で発表された本です。
2019.02.09 -
[感想(良かった)]
◯大阪は東京に対する対抗力を削がれていった街。
その歴史で知らない事柄の幾つかを知る事が出来た。
◯新型コロナの影響で、初めて東京に対する
大きなアンチテーゼが発覚した。
そのヒントの幾つかご書かれている。
[感想(良くなかった)]
×書きようが、卑屈過ぎない?
×(今流行の)ファクトと個人的感想が、
ランダムに書かれている。 -
あり。
大阪的な世間の認識について誤解や、勝手な妄想が正されていく本。常識が非常識だったと大阪人に謝りたい部分も感じずにはいられない。
食いだおれとは、食道楽がすぎて破産することが本来の意味。食べ過ぎて倒れることではない。初めて知りました。
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まあ相変わらずネチッこいというか、読みにくい文体だなあと笑。重複する内容も多いし、不自然に平仮名表記になっているのが鼻に付く
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一宮 S361.4/イ/18